ふりかえれば、フランス。

かつて住んでいたフランス。日本とは似ても似つかぬ国ですが、この国を鏡に日本を見ると、あら不思議、いろいろと見えてきます。

わが子の頭の悪さは、水道水のせい!?

2010-09-26 17:14:32 | 社会
やっぱり「蛙の子は蛙」、あるいは「瓜の蔓に茄子はならぬ」なのか、それとも、もしかして「鳶が鷹を生む」か・・・自分とわが子を見て、さまざまな思い、希望が湧いたりしますが、子供の頭の良し悪しに思わぬ要素が関係しているという研究成果が発表されたそうです。

20日のル・モンド(電子版)が伝えていますが、研究したのは、カナダ、モントリオールにあるケベック大学の学際チームで、ブシャール(Maryse Bouchard)さんがその中心。名前から分かるように、フランス系女性ですね。ケベック州の独立運動については、以前ほど耳にしなくなりましたが、今でもケベック州ではフランス系の人たちが多くの分野で活躍しているようで、フランスのメディアもよく取り上げています。

さて、肝心の研究成果ですが、多くのマンガンが含まれた水道水を飲んでいると、子供の知能指数が低下する! というものです。知能指数、IQですね。“intelligence quotient”ですが、形容詞が後ろに来るフランス語では、QI(le quotient intellectuel)になります。英語とは形容詞の位置が逆になることが多いため、略語がしばしば異なり、覚え直すのが大変ですね。国連はUNがONUですし、IMFはFMI、NATOはOTANです。しかも、NATOは日本語では「ナトー」ですが、英語読みでは「ネイトー」。カタカナ、英語、フランス語・・・大変です。また、中国の名前は日本語読みで覚えてしまうと、外国の人と話す際に通じない。他の国では中国語読みのピンインを使いますから、胡錦濤はHu Jintaoですし、毛沢東はMao Zedongと言わないとコミュニケーションが取れませんし、しかも相手がフランス人だと、例えば温家宝はWen Jiabaoですが、wenが鼻母音になってしまい、発音がちょっと異なってしまい分かりにくい・・・どうでもいいことですが、国際コミュニケーションと簡単に言っても、実際は細かい面倒なことがたくさんありますね。

頭がこんがらがってきてしまいますが、話題はその頭。ケベック州に住む6歳から13歳までの生徒362人を対象に、自宅の水道水に含まれているマンガンの量を測定。水道水を飲む量は自己申告。調査期間中、学力・運動・態度に関するチェックを継続的に行ったそうです。その結果、マンガンが多く含まれている水道水を飲んでいる子ほどIQが低下する明確な傾向が見られたそうです。マンガンを多く摂取した上位20%の子供たちは、マンガンが含まれていない水道水を飲んでいる子供たちより平均して6ポイントもIQが低いことが判明した! ということです。

でも、水道水以外の要素が多いんじゃないの・・・おっしゃる通りです。こんなふうに疑ったりしますよね。でもこの研究チームは、世帯収入、親のIQ、親の学歴、水道水に含まれる他の物質についてもしっかり考慮に入れたうえでの調査結果だそうです。

健康に影響しないと思われてきたマンガンが、実は知能に影響を与えていた・・・この研究結果を知るや、水道の蛇口にフィルターを取り付ける自治体が増えてきたそうです。樹脂と活性炭を含んだフィルターを使えば、マンガンを60%から100%除去できるとか。

蛙の子は蛙、と言う前に、水道水をチェックしてもらって、マンガンが含まれているようなら、フィルターで除去する。こうしてみると、もしかすると鳶が鷹を産むことになるかもしれませんね。どうです、おやりになってみませんか?

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