ふりかえれば、フランス。

かつて住んでいたフランス。日本とは似ても似つかぬ国ですが、この国を鏡に日本を見ると、あら不思議、いろいろと見えてきます。

するか、しないか、それが問題だ!

2010-07-10 19:39:48 | 政治
11日は参議院議員選挙。期日前投票を済ませた人もいるでしょうが、最後まで投票先をじっくり検討して当日に投票、という人も多いのではないでしょうか。

その政治、昔聞かされたのは、海外では、食事の際に政治と宗教の話題を避けることがテーブルマナーとしてふさわしい。要は、食事の席では政治の話はするな!

でも、これは杞憂。どうしてかって? 日本では、政治の話を真剣にするなんてことはめったにありませんものね。食事のときだけではなく、いつでも、どこでも。そんな難しい話は別の機会にして、さっ、一杯・・・問題は、その別の機会が、めったにやってこないこと。仕事上での会食などではもちろんですが、家族とのだんらんでも、政治の話題はあまり俎上に乗らないですね。どこにおいしい店ができたとか、どの芸人が面白いとか、スポーツ選手の活躍とか・・・

一方、フランスでは・・・侃々諤々、食事の席だろうが、カフェでのおしゃべりであろうが、話題は政治、経済。特に、政治は自分たちの生活に直結することが多いので、黙ってはいられない。我思う、ゆえに我あり(“Je pense, donc je suis.”)というのがフランス人のバックボーンになっているとも言われますが、生身の人間を見ていると、我しゃべる、ゆえに我あり(“Je parle, donc je suis”)なんじゃないかと思ってしまうほど、しゃべる、しゃべる。でも、しゃべるためには何かを考えなくてはいけないので、「我思う」で問題はない、と彼らは言っていますが。

で、そのしゃべる内容ですが、本当に政治の話が多い。日本に10年以上住み、大学で教鞭をとっているフランス人も、フランスでは家族とでも、友人とでも、政治の話をよくする。日本とは大きな違いだ、と言っています。

もちろん、フランスが○で、日本が×というわけではありません。フランスと日本は別の国。歴史、価値観、慣習・・・多くのものが異なります。そして言うまでもなく、それらは異なっているのであって、どちらかが正しいとか間違っているというものではありません。日本は日本のやり方で、今まで立派に生きてきたわけですから。

でも、21世紀。今までのやり方でいいのか。どこか制度疲労をきたしてはいないか。政治に変革が求められてはいないか。もしそう思うなら、変革することに躊躇すべきではないと思います。そして、その変革は、国民一人一人から始まります。政治をより良くしたい。そのためには、自分の意見をしっかり持ち、しかも他の異なる意見ともすり合わせ、より良いものへと変容させていく。そんなことが大切なのではないでしょうか。

国民は、自らにふさわしい政治しか持てない!  政治は、お上のものではない。わたしたち一人ひとりの意見で変えていく。それができるかどうか・・・・To do or not to do - that is the question.

*突然、シェークスピアで失礼。モリエールとか、ラシーヌ、コルネイユなら、フランス絡みでベターだったのですが、残念。でも、『ハムレット』ですので、舞台はデンマーク。サッカーで日本代表が勝った相手だけに、大目に見ていただければ、幸いです。

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