みんなの幼稚園

ひぶな幼稚園での子どもたちの様子
モンテッソーリ教育について紹介いたします。

縦割り保育

2008年05月16日 | モンテッソーリ教育
 モンテッソーリ実施園の基本は縦割り保育で、そこで見られる現象は「ぎすぎすした競争意識」がなくとても穏やかで和やかな雰囲気です。

 競争意識が悪いというわけではありません。「先に完成すれば良い・早く済ませれば勝ち」ではなく、そのことの本質(何を目的として行なっているのか)をいかに自分に吸収するかが大切なのです。

〈「箸によるより分け」~箸を使って種類別にゆっくりより分ける。〉

 箸の正しい使い方は勿論、指先の訓練・集中力・自制心・抑制力・自信が身につきます。
 もしこの作業(お仕事)を全員が一斉に行なったらどうでしょう。
 決してこの教具の本質を吸収することは出来ないでしょう。



 0~4歳は自己を確立する時期です。例えばこの頃のに弟や妹が出来たとします。親は「お兄さんになったのだからお世話をして」と思うでしょう。しかし子どもは知らん振り…

 この頃の子どもの目は自分に向いています。それが自分の中に自信が満ち溢れ、自己確立が出来てくると、その目はだんだん自分を取り巻く周りに向いていくのです。靴を履けない子、教具の使い方が分からない子がいたら、「当たり前」のように「何の見返りも期待することなく」手伝いを始めます。

 「社会性」や「協調性」はまさに「縦割り保育」中で自然に育ちます。同年齢のグループで、同じこと・同じ時間帯でやるから社会性や協調性が育つわけではないのです。その前提として異年齢での環境があるわけです。

〈年長児が年中少児の先生となり教具の使い方を教える姿〉

 モンテッソーリ教育を行なっていると、子ども達の助け合い、教え合いが多く見られます。先生が教具の使い方を教える他に、他の子どもがやっているのを見て、自分もやってみたいという意欲が沸いてくることが圧倒的に多く見られます。

 特に3歳・4歳の子どもが、5歳・6歳児の作業(お仕事)をじっくり見ていて、覚えたり動機付けされ、自分も5歳になったらやってみようと思うのです。

〈年長児の地図の色塗りをじっと見ている年少児〉
『おねえさんって凄いなぁ、私も年長さんになったらやってみたいなぁ』