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地方自治の危機(4)…【実例1の続き②】長野地裁は法文解釈を変更

2015-04-21 14:20:18 | 地方自治
  さらに後出しの『2号』と、契約起案書に唯一書いてあった『7号』を両立させるため、法令根拠『7号』の具体的理由は「より安い受託者を採用するという意味であった」と、法律の解釈変更をした。すなわち、『7号』の法文は「時価に比して著しく有利な価格で契約を締結することができる見込みのあるとき」となっており、具体的解釈として、(財)大阪府市町村振興協会著『事例から学ぶ住民訴訟』p210によれば、『7号』の「時価に比して著しく有利」とは、「例えば、ある物品を購入するに当たり、特定の業者がその物品を相当多量に保有し、しかも他の業者が保有している当該同一物品の価格に比して著しく有利な価格でこれを購入することができるような場合」である。どう見ても裁判所は、判断の指針となるべき法文の解釈変更を行なって、我田に引水した。
  ところがこの変更解釈にも矛盾する次段落のような事実があったのだが、裁判所は座視したことが判決文によって分かった。(最後の判決文でしか裁判所の判断が分からないので、解釈変更の理由を聞くこともできなかった。)
 決められた日に各家庭が分別した資源ごみを出す臨時ステーションの他に、いつでも持ち込める「常設ステーション」がある。業務委託起案書によると、「常設ステーションへの『持込みごみ』については二社に委託し、一部については、二つの業者が見積もった単価を夫々そのまま採用すること、すなわち『より安い受託者の単価』を採用しない」と例外事項が記載されている。すなわち、諏訪市代理人弁護士および裁判所が『7号』を解釈変更した『より安い受託者を採用する』ということと矛盾する。
 法律文の構成から言っても、『2号』と『7号』は明らかに両立しないと思うが、法曹関係の方は是非検討いただきたい。

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