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地方自治の危機(追記46)青空のWEB――無計画な電線の敷設

2019-05-04 17:33:03 | 地方自治
 我が家の隣に新築家屋ができた。電線を引き込むのに、我家の庭の敷地上空に電線を通してよいか、中部電力からお伺いがきた。どこを通したらよいか、若い社員が考えに考えた挙句、我が家の上空通過が一番安価と思ったらしい。
その広い空は今まで何も無かった青空である。敷地上空を避けて少し遠くしたとしても、嫌でも眼に入る。

聞いてみると、新家屋を建てる前に計画するのではなく、建てた後で電線を通す方法を考える慣習になっているという。見ると、新築家屋の電線受け口は、既存電柱の反対側になっていた。反対側から配線して来るには、電線が通る近隣の民有地の了解を得たり、理屈では通しやすい公有地の道路肩を引き回すために、何本も電柱を新たに立てる必要がある。新家屋の引き込み口が電柱側であれば、何の問題も無かった。

結局、既設の電柱から他隣家の敷地上空を通して、新たに立てた一本の電柱を経由して繋ぐことになった。無くてもよかった電線と電柱は、景観を悪くしている。その電柱も必要以上に長く、気持ちが悪い。

中部電力の場合、電線の下の地権者に借地料を払わない。追加追加で、後になって、余り文句の出ない公有地である道路を迂回してまで電線を好きなように引き回している。電力線だけでもまとめて見栄え良くしてくれればまだしも、通信線とはある距離離すことになっているとかで、蜘蛛の巣は膨らみ絡み合っている。

 また電話線もケーブルテレビ線も便乗し、電力電柱のすぐ側に自分の電柱を立てることもあり、好きなように通信線を張り巡らせている。今回は、長すぎる電柱を借りる形で電話線が張られた。電話会社は中部電力に断りを入れたかも知れないが、近隣には黙っている。

 インターネットのWEBは目に見えないが、電線は目に余るWEBとなって張り巡らせられている。日本中、電線を入れなで風景写真を撮ることができる場所はほとんど無くなってしまった。

 現場作業は下請け業者に発注されるので、事情を知らない作業者が自己判断で好きなように配線している。
漫然と生きていれば気がつかないが、滅茶苦茶に張り巡らされた「蜘蛛の巣」を嫌だと思い出すと、常に下を見て歩くのが精神衛生上よい。
地域住民が、景観を考慮した協定をする地域があるというが、地域のまとまりがここまで破壊された今では、無理なように思う。
コメント
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