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「裁量労働制」で思い出したこと

2018-03-03 16:55:11 | 日記
現国会で労基法改正案が議論されている。わたしは民間会社にいた時代に、「成果主義」という言葉と共に「裁量労働制」という言葉がよく聞かれたのを思い出した。

 研究・開発などの業務は、コアタイムを除いて勤務時間が自由な、「『半』裁量労働制」が始まった時期であった。タイムカードも廃止されていたので、勤務時間は自己申告であった。ただ届けの総労働時間は管理されていた。
 
 前にも書いたが、時間は自由でも成果を求められるし、予算内(グループ員の人件費も含まれる。会社全体を支えるための費用も含むので、自分の人件費は、給料の何倍かの単価で計算する。実労働時間で申告するとたちまち予算がパンクする。)での仕事をしなければならないので、成果と予算の両者を満たすためにはどうしてもいわゆるサービス残業の労働時間を増やすしかない。

 グループでやる仕事の場合は勢い、取りまとめ者にしわ寄せが行き、真面目にやるほど本人のみの労働時間が増えていく。もともと出勤日にサービス残業をしすぎると目立つので、休暇にして仕事をする、あるいは休日出勤にすれば人件費は計上されないのでどこからも文句は来ない。もっともその人が管理者であれば時間管理をしないので、前記のようなやりくりをしないでよいが、労働時間に制限をかけにくい。

 法案を審議している人たちは、実際の現場を知らないのではないか。法案のような理想的な裁量労働ができる立場にいる人は、社会に感謝すべきである。

 以上を書いていたら、涙が出てしまった。逃げずにがんばった当時は若かった。いま働いている方々は、くれぐれも身体を壊さないようにお願いします。壊しても会社は面倒見てくれません。
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