役員の気の重さ

　もう10年以上前、認知症に罹った母はベッドの上で、「〇〇さんに△日開催の□の件を連絡するように」の様な事を私に繰り返し言っていた。「ちゃんと連絡しましたよ」と言っても、少し経つとまた同じことを言う。

　私は今、あるグループの役員をしているが、色々なイベントの会場を予約する役目がある。二ヶ月前から予約を受け付ける会場には、丁度二ヶ月前同日の受付開始時間に申し込むが、結構神経を使う。

　母も種々グループ活動をして活発な人であったが、几帳面な性格だったので会員に日程連絡の係りなどで苦労していたのだと思う。

バーコードスキャンと人為

　図書館の本の貸し出しは、コンピューターのお陰で本に添付されたバーコードをスキャンするだけで管理されるようになった。
　しかし返したはずの本が、返却処理されていないとクレームがついた事があった。借りた本を返したつもりになっているだけなのか、図書館の処理にミスがあったのか分からない。

　最近ある総合小売店でミカンを箱で買うため、セルフレジで貼付されていたバーコードをスキャンした所、たまたま売り場に別表示されていた値段と異なることに気づいた。
　一般に商品一個一個に値札は無くバーコードのみである。従ってスキャンして表示された金額を正と思うのが普通である。この時は店員に確認してもらい、バーコード表示価より安い売り場表示価格にしてもらうことが出来た。

ウェルビーイングのために繋がりを

　長野大学　早坂教授の講演で、「幸せを感じるための三つの柱は、①関係性（つながり）、②有用感（やりがい）、③自律性（あなたらしさ）」という。
　①と③は意見が対立した場合に背反する。目標を決めて対話するべきであるが、人間関係を優先する地域が多いので、肝心の対話ができない。

対話ができない地域の会議

　地域には、町内会や農事組合、公民館など各種の自治会がある。新年はどの会も総会が多いが、何か改善をしようと提案しても即反対意見が出る。大した問題ではないことでも、たいてい二派が主張を譲り合うことは無く、対話が成り立たない。

　ある本によると、日本人は「人間関係」を最優先するので、議論を避ける傾向があるという。しかし時代が動いているこれからは、ヘーゲルのアウフヘーベンが必要であると思うのだが。

野球と言うのは、自利利他がうまく融合している

　最近、世界の指導者は「自利」を押し出している。「自利」といっても「地球」を「自分」と考えるのではなく、「自国」のみを利す事を考えていると見える。

　『五木寛之×栗山英樹「対話」の力』という書籍には、「野球は、自分のため（自利）と、チームのため（他利）がうまく融合しているゲーム」という言葉が出て来る。送りバンドや犠牲フライはどうかと考えると、当座は「他利」だが、チームが優勝すれば当人の貢献度も評価されるということか。
　一般には、「情けは人の為ならず、巡り巡って己が為」という慣用句もある。