気になること

視点を変えて、近頃気になること

無料塾と地域ボランティア(3)  生徒が勉強を好きになるためには? 

2015-03-29 14:04:08 | 地域ボランティア
 「無料塾なら参加しなければ損」と誰でも考えると思い勝ちだが、途中で来なくなる生徒もいることから、そのインセンティブは生徒により異なると考えられる。そんなことから、勉強を好きになってもらうにはどうしたらよいかと考えるようになった。
1.学習への動機付け(櫻井茂男ほか著『子どものこころ』p.129)
 <自律性の程度による動機づけの分類>
  (イ)無動機づけ(無気力)…学習したいと思わない
  (ロ)外発的動機づけ
    ①外的……・お母さんに言われるから、・やらないと叱られるから
    ②取り入れ的…・やらなければならないから、・恥をかきたくないから、・バカにされたくないから
    ③同一化的…・自分にとって重要だから、・将来のために必要だから
    ④統合的…・やりたいと思うから、・学ぶことが自分の価値観と一致しているから
  (ハ)内発的動機づけ
    ①内発的…・面白いから、・楽しいから、・興味があるから、・好きだから
  中学生には、(ロ)③同一化的調整と、(ハ)内発的動機づけ が適応的であるという。

2.外発的動機づけの同一化的調整
  この動機付け方法はどんなことがあるか考えたが、ダン・アリュリー著『行動経済学』にある次のこともその一つではないか。
 (イ)市場規範……金銭などの報酬
 (ロ)社会規範……社会全体が気に掛けている目標とのつながりを生徒・学校・親が示す。
   ① 社会的目標…貧困や犯罪の撲滅、人権の向上など
   ② 科学技術的な目標…省エネの増進、宇宙開発、ナノテクノロジーなど
   ③ 医学的な目標…がん、糖尿病、肥満の治療など

3.言われないと勉強できない生徒への外発的動機づけは?
 身の回りのことが親に言われないとできない、自分から勉強しないなどの生活課題がある場合、どう改善するか。(出典:各種情報の孫引き)
   ⇒①読書の習慣、②マンツーマン指導、③学科に興味を持てる所から入る。etc.

 何かに興味を持って、疑問を解決することは大きな喜びだと思うが、なかなか伝わらない。
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無料塾と地域ボランティア(2) 数学講師の役割は?

2015-03-28 12:24:59 | 地域ボランティア
 私は、機械設計をしていたこともあって、比較的馴染みの「数学」の講師を担当した。数学の場合、理解度に個人差があるので、生徒は課題の問題集の進捗計画を個々に立てて問題を解き、講師は個々人のやり方やノートを見て、アドバイスする。生徒の方から質問をしてくれると有難いのだが、なかなかしてくれない。
昔の問題集の解答は、結果しか書いてないものがほとんどであったと記憶するが、最近は解き方まで懇切丁寧に書いてあるので、自習しようとすれば十分可能であり、むしろ講師の役割が問われる。もっとも解答集が充実しているといっても、答を導くまでの途中過程での詳細計算や自明なことなどは省略されていることもあり、ここに躓く生徒もいる。解き方の意味を理解せず、解き方を丸覚えしようとする生徒もいる。連立方程式を解くとき、短時間で解く要領を教えることなどは無料塾の意味があるように感じる。
新聞に掲載された、3月11日実施の「平成27年度 長野県公立高校入試問題」の「数学」を見ると、一つ解いた小問の考え方を使って、次々に応用していく積み重ね式の文章題が目に付く。その際、分数の計算や平方根、方程式、相似図形の性質などは道具として自在に使えることが大前提となる。無料塾では、この大前提の部分の勉強を通り一遍に終わっている生徒がいる。文章題に取り組むには、通り一遍でない基礎計算を身につけている必要があり、忍耐強く勉強して欲しい。
数学の場合は、基礎知識の積み重ねが必要なので、分からないところがあればそこまで戻る必要がある。しかし時間が限られた無料塾では、その場所を教える位で、一緒にやってみる余裕が無く、後は本人の再勉強に任せるしかないので、忸怩たる思いも多い。
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無料塾と地域ボランティア(1) 無料塾の試み

2015-03-19 10:38:56 | 地域ボランティア
 教育格差が貧富格差の一因といわれている。
 諏訪郡富士見町の教育委員会は、家庭の経済力などに左右されがちな学習環境を公的に支援することなどを目的に、平成24年から中学生を対象に国語・数学・英語の「無料塾」を始めた。町内に学習塾が少ないことの他、社会の変化で、子どもが家で勉強する環境が薄れてきたことに危機感がある。
 しかしボランティア講師によることや、生徒の部活の無い日に行なうこと、授業の後なので生徒は疲れていることなどから、一般の学習塾よりは授業数が少ないのは止むを得ないとも思う。1、2年生は週一回の通年、3年生は夏季と秋季に集中開催で行なわれた。 私は教育に関わった経験は全くないが、講師として参加してみて、いろいろ考えさせられることがあった。
 富士見町が参考にしたのは、NHKテレビでも紹介された大分県豊後高田市の「学びの21世紀塾」である。豊後高田市は学習支援のみならず、パソコン、スポーツ、文化、英会話、各種体験講座などの活動支援、果ては自前のテレビ講座まで、園児から中学生を対象に幅広く実施している。それは、多くのボランティア市民や教職員・教職員OBに支えられているという。学校の改革とも相和して、総体として効果を上げているようである。
 富士見町の「無料塾」は、中学生の三教科に特化した小規模なものであるが、この辺では画期的なものとして、特に開始時には新聞やテレビで何度も報道され注目された。新聞などによると、長野県内で地域ボランティアが学習を支援する取り組みは、伊那市西箕輪中学校、辰野中などの他、市民団体によるものもいくつかある。
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傾聴ボランティア(9) 高齢者と地域コミュニティ

2015-03-13 10:33:55 | 傾聴
 要介護状態になっても、我が家で過ごしたいと多くの高齢者が望む。しかし介護者がいない独居者や、家族が仕事に出なければならない家庭の場合は難しくなる。これを少しでも補う方法として、地域での声かけ運動や、見守りを試みている団体があることの報道もある。
 私の周りでは、かつて農業が盛んだった頃、「結い」という共同作業もあった「農事組合」を主体としたコミュニティは影が薄くなり、町内会組織が主体となったが、近所付き合いは浅くなった。もっと分かり合いたいと思う反面、深い付き合いは大変と思う人もいる。
 災害のときも含め、ご近所同士のつながり組織は必須と思うが、どうやればできるだろうか。
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