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地方自治の危機(追記1)…解釈変更で結論を導いた国と地裁の類似性

2015-06-28 15:31:56 | 地方自治
 折しも政府は憲法解釈の変更によって、集団的自衛権を可能とした。この閣議決定の方法は、私が経験した司法の方法である、「“結論”が先にあり、“理由”は結論をもっともらしくするための“理屈”にすぎない」(注1参照)と非常によく似ているので、以下に表の形で比較してみた。理屈付けのためには法文解釈の変更も必要になるが、司法の場合、長野地方裁判所はその先駆となった。「私が経験した司法」についての詳細は、本ブログの4月21日付けをご参照ください。
 政府は最高裁の判例(砂川判決)を、自衛権の根拠としている。私の経験した裁判所も、最高裁の類似判例に、事案をむりやり(訴状にないことまで引っ張り出して)当てはめた判決文を作った。このように、あらゆる所で最高裁が金科玉条になっているので、最高裁の裁判官は限りなく神に近いことが必要であろう。
 理屈の付け方で、結論がいかようにもなるというのは非常に怖い。法律というのは、解釈によって変わる世界だという(注2)。そのうち、徴兵制の施行をどこかの法文解釈で行なうようになるのではないかと訝しい。現在議論している人たちは果たして、自分がホルムズ海峡に行くつもりがあって意見を言っているのか疑問である。
  (注1) 荘司雅彦著『嘘を見破る質問力』p.163    (注2) 伊藤真著(『“司法試験流”知的生産術』)p.92 

  <表>結論から理由を導いた国と地裁の事例比較
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