曲がり角の向こうに・・・

毎日の暮らしの中でフと心に留まった人やもの、そして風景を描きとめています。 

思い出の旅スケッチ・・・イタリア・シエナ(4)

2020-12-11 | 絵  ➃水彩画

サンジミニャ―ノでは、7枚描いたので(飽きた・・などとは言えませんが・・・チョッと町の外へ出かけてみたい気分になってきました。 それで、友人と二人でツアコンさんに相談したところ、バスで1時間前後でシエナに行ける、との情報をゲット。 

で、早速N先生の許可を頂いて、二人で勇んで出かけて来ました~~ トスカーナの人気スポットの一つであるシエナへ。 シエナにはイタリアで最も美しい広場と言われている「カンポ広場」があります。 美しい扇形をしていて「貝殻を広げたよう・・・」とも言われ、扇の付け根部分に向かって、緩やかに下るスロープを描いているのだそうです。 傾斜に合わせて足を下にして坐ると、視線の先に「マンジャの塔」が堂々と聳えている、と言うのも魅力です。 下の画像で雰囲気は掴めるでしょうか。

 

                          画像拝借

 

見出し画像はカンポ広場から、「マンジャの塔」を描いたものです。 なにせ、高さが102m もあるので、塔を画面に入れるだけで精一杯、「カンポ広場」は残念ながら、その美しさを描くに至りませんでした~~  塔は1325年から建築が始まり、1348年に完成したそうです。 マンジャの塔の右側の建物は、「プッブリコ宮」で、現在は市庁舎として使われています。

2時間余り、ひたすら塔を見上げて描いていたため、首が痛み、肩が凝り・・・ この時のスケッチの中で一番疲れた作品です。

 

このカンポ広場では年2回(7月2日と8月16日)パーリオと呼ばれる、市民総出の競馬が開かれることもよく知られているそうです。

                 画像拝借

 

スケッチを終え、痛む首をさすりながら、もう一つ予定していた「シエナ大聖堂」に向かったのですが、あいにく修復工事中で見ることが出来ませんでした。 12世紀から200年もかけて建築された、イタリアゴシック様式の教会で、天井、壁、柱、床に至るまで彫刻やモザイクなどで飾られていて、圧倒されるほど豪華絢爛な大聖堂ということで、大いに期待していたのですが・・・ これも一応拝借画像で大聖堂の外観だけでもご覧ください。

 

帰りのバスも順調で、夕食までに無事にサンジミニャ―ノに帰ることが出来ました。 疲れましたが、良い気分転換となった1日でした~~

 

4回にわたって、思い出スケッチの旅(イタリア・トスカーナ編)にお付き合い頂いて有難うございました。 お陰さまで、年の瀬のどこか浮かない気分が晴れてきたような気がします・・

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思い出の旅スケッチ・・・イタリア・サンジミニャ―ノ(3)

2020-12-09 | 絵  ➃水彩画

ユネスコの世界遺産に登録されているサンジミニャ―ノは標高324mの丘の上にある塔の町として知られています。 この街の中世封建時代の支配階級の家は、自らの富と力の象徴として塔を建て住居としたそうです。 高さ50mを超す塔も含めて、当時は72もあったそうですが、現在残っている塔は14のみとなっています。 城砦に囲まれたサンジミニャ―ノは、町の端から端までわずか500m位のこじんまりとした町ですので、観光だけなら半日か1日で充分見どころを見て回れるそうです。

町への入り口のサン・ジョバンニ門をくぐり、メインストリートのサン・ジョバンニ通り(前回のオープンカフェがあった通り)を真っすぐ進むと井戸が中央にあるチステルナ広場に出ます。

ここには、世界一のジェラート屋さんがあり、いつもお店はお客で賑わっていました。 私達が宿泊したホテルは広場に面していたので、ホテルへの出入りの際、気が付くと、いつもスケッチ仲間の一人が、ジェラートを片手に幸せいっぱいの顔をしている姿が目に入りました。 まるで滞在中にお店にあるすべてのジェラートを制覇する決心をしたかのようでした。  N先生からムッシュウと呼ばれていた男性でしたが・・・(^_-) 

彼はこちらの心配をよそにスケッチの方もしっかりやっていたことが、講評会の時に分かり、 さすが~~~と脱帽。

 

階段の上にあるのが井戸で、この階段がジェラートを食べる特等席です。 私の旅のメモには、サフランと松の実のクリームジェラート、ピンクグレープフルーツとシャンパンのシャーベット、香草の入ったバニラジェラートなどが美味しかった・・・などと書いてありますが、どんなジェラートだったのかまるで覚えていません・・・  お店には色とりどりの美味しそうなジェラートがところ狭しと並んでいて、目移りして中々決められなかったことは覚えています。

 

このチステルナ広場の横に、周囲を塔に囲まれているドゥオーモ広場があります。

サンジミニャ―ノの市庁舎であると同時に市立美術館ともなっているポポロ宮があり、そこから高さ54mの「グロッサの塔」に上ることが出来、塔からサンジミニャ―ノの素晴らしい町並みが一望できるそうです。 何百段もの階段を上ることを考えただけで、迷わず私はパス。 メンバーで登った人は何人もいなかったと思います。

 

この二つの広場を中心としてあちこちに石畳の小径が伸びていて、私達は各自お気に入りのスケッチポイントを求めて路地から路地を歩き回りました。

ネコの姿をアチコチで目にしました

 

城砦に沿った道からグロッサの塔方面を描きました。 大きな松の木が沢山生えていて、ビックリするほど大きな松ぼっくりが道のあちこちに落ちていました。

 

見出し画像は、向かい合った建物と建物がアーチ門で繋がり、その先にまた小径が続く独特な雰囲気の場所でした。 一方の建物の下に小径が通っているのにも驚きました。 正面の建物の壁に作られた四角いスペースに、彫刻が飾られているのも珍しく、丁度扉を開けて出てきた家のご主人に聞くと、彼が自分で彫った彫刻なのだそうです。 プロではなく趣味なのだとか・・・さすがイタリア、みんな芸術家・・・!!??

 

この絵はサンジミニャ―ノに着いた翌日、朝食前にホテルの近くで腕慣らしに描いたもの。 日本でもお馴染みのフクシャと紫陽花が咲いていて、心和みました~~

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思い出のスケッチ旅・・・イタリア・サンジミニャ―ノ(2)

2020-12-07 | 絵  ➃水彩画

Nペンスケッチ教室では、先ずカフェスケッチで、人前でスケッチすることに慣れ、次は町の中で見つけたスケッチポイントを、人目を余り気にしないでスケッチできるようにならなければなりませんでした。

東南アジアの国々では、スケッチを始めると先ず子供たちに囲まれ、次第に大人たちも加わり・・・といった経験を何度もしました。 最初は戸惑いましたが、別に悪気がなく、ただ好奇心で見たいだけと分かってきて、そんな状況にも次第に慣れてきました。 子供たちが手を出したり、余り近く寄って来て、スケッチしにくい状況になると、すかさず大人が注意をしてくれるなど、とても協力的で助かりました。 

こうなると、何とか描き上げないわけにはいかなくなり、必死で集中して描き続け、ようやく完成にこぎつけます。 すると、周りで見ていた子供たちと大人たちが、みんな一様にホッとした表情を見せて、喜んでくれました・・・ いつの間にかそこには一体感のような雰囲気が流れ、私もヤレヤレホッとして、おやつとして持っていた飴やお菓子を差し出すと、みんなに回して一緒に食べたり笑ったり和やかな時が流れる・・・ そんな交流が楽しかったことを思い出します・・・

イタリアでは、そういった素朴な交流はなく、オープンカフェで描いていると、「オ~、ジャパニーズミケランジェロ!」なんて陽気に声を掛けられ、こちらも「サンキュー」と軽く受け流し、ついでにスケッチさせてと頼むと、モチロン、モチロンと気軽にOKしてくれました(^-^)

 

 

次の写真は、わが師N先生のフィレンツェの街角スケッチの図です。 私達も大体こんな形でスケッチしました。 私は必ず座ってスケッチできるスケッチポイントを探しました。 なるべく疲れないように・・・

 

見出し画像は、サンジミニャ―ノの町の中での光景です。 石造りのアーチをくぐった先に続く石畳の小径の先には賑やかな通りがあり、個性的なお店が並んでいました。

 

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思い出スケッチ旅・・・イタリア・サンジミニャ―ノ(1)

2020-12-05 | 絵  ➃水彩画

                              (55X72㎝)

 

風を感じたい。  周りはどこも閉塞感に満ちているから・・・

 

イタリア・トスカーナの上を吹き渡っていたあの爽やかな風を思い出しています。 フィレンツェからバスで向かった、サン・ジミニャ―ノ。 塔の町として知られています。 Nスケッチ教室で行った初イタリアのスケッチ旅でした。

見出し画像は、到着してすぐにホテルの部屋の窓から身を乗り出してスケッチしたトスカーナです。 ブドウとオリーブ畑がなだらかな丘陵地帯にずっと続いていました~~ どんな街なのか、ワクワク感と解放感でいっぱいでした~~

これから何回か、サンジミニャ―ノのスケッチをお届けしたいと思います・・・

フッと、一陣の風を感じて頂けたら嬉しいです。

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思い出のスケッチ旅 ― バリ(3)ー最終回

2020-11-13 | 絵  ➃水彩画

見出し画像は、前回チョッと思わせぶりな書き方をしていた作品です。 ウブドの繁華街?をスケッチポイントを探して歩いていると、道路の片隅に小さな祠があちこちにあるのが目に付きます。 人々(女性)がお供えの花やお供物を木の葉で作ったお皿に載せて、絶えずお詣りしているのでした。 朝も、昼もそして夕方にも、お詣りをする女性を目にして驚きました~~ 路上にお供物の山となっているところもありました。

よく見ていると、お供物にお線香を添え、お水(聖水というのだそうです)を振りかけてお祈りしていました。 どういう意味があるのか、ツアーの添乗員さんに聞いたところ、「自分たちに日々恵みを与えてくれる神への信仰と感謝の気持ちを捧げていると聞いています」・・・とのことでした。 

ホテルの庭のあちこちに置かれていた猿やカエルなどの石像にも、毎朝新しいお花が祈りと優しさと共に飾られていて、心和みました。 ホテルの浴室の壁には大小の石が花のような模様に組み合わされていて、その細やかさに感心しましたが、同じ様式の壁を町中でも見かけました。 それも絵の中に描き入れましたが、余程気に入ったのでしょうか・・画面の半分近くも壁が占めていて、本人は多分石の一個一個の組み合わせを楽しみながらシコシコ描いたとしか思えません・・・

N先生のペンスケッチ教室では、その後もイタリア、ベトナム、モロッコなどの年2回の海外スケッチ旅を楽しんだ後、教室を自主卒業(^_-)し、ムサビの通信課程の2年に編入して日本画を学ぶことにいたしました。 およそ10年前のことです。 

その前後に夫の病気が発症し、夫が一人で留守番ができるうちに(スクーリングで大学まで出向かなければならない時もあるので・・・)卒業しなければ・・・夫のせいで退学したとは言いたくない・・・との思いで、人生でこれほどハードに勉強(作品制作に学科の課題とレポートに筆記試験)をしたことがない位ガムシャラに頑張って、最短3年で卒業に漕ぎつけました~~ 2014年の春でした。

それ以降、夫の病気は進行し続け現在に至っています。 唯一の作品制作の励みとして、年に一度開催される母校(高校卒業後学んだ大学)の「オール青山美術展」への参加を楽しみにボチボチ日本画を描き、その合間にペンスケッチなどの作品を描いている状況です。

昨年は、車の自損事故や夫の病気の急激な進行など気が揉めることが重なり、落ち着かず、「オール青山美術展」の作品に全く手が付かず、パネルに張った和紙が白いままで日が過ぎて行きました。 それでも、なんとか参加したい、そして仲間と会って色々話し、仲間たちの力作を見たい・・・との思いで、過去作品を振り返っている時に目に付いたのが、このバリでの作品「祈り」でした。

あの時、心に深く残った人々の謙虚な祈りの生活を思い出し、この作品を日本画にリメイクして描いてみようか・・・と言う気になって何とか描き上げたのが次にご紹介する作品です。

 

緑豊かな大地と、生き生きと咲く花々の中で、朝日に向かい自然と神に祈りを捧げる女性・・・私のバリです。

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今年はコロナの影響で「オール青山美術展は」中止になりましたが、来年の開催を信じて新たな気持ちで作品制作に向き合おうと思っております。 

お陰さまで家の中も大分片付いて風通しが良くなり、またバリスケッチの記事をこうして纏めたことが、図らずも自分の気持ちの整理に繋がったようで、なんだか仄かにやる気も芽生えてきたような気がします(^-^)

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