言の葉

気の赴くままに、ひたすら詩を綴っています。

とんぼが飛んだら

2009年08月31日 | Weblog
秋が鳴った
とんぼが飛んだら
夏が去った

物悲しくなんかないよ

夏の終わりは
いつだって
爽やかなもので

全ての過ちをも
一緒に運んでくれるから

いっそ清々するよ


iz

2009年08月27日 | Weblog
鳥のなき声が切なく響いて
僕の心は空しく渇いたんだ

僕って
こんなに
冷静な
人間だっけ?

壊れる時には泣き叫ぶと思ってたのに
意外と平静を保っていられる自分に
少し驚いて 少し失望して・・・
けれどそんな自分にさえ冷静だった


とおりすがり

2009年08月25日 | Weblog
街がオレンジ色に染まるから
いっそ掴まえられるかと思った

それほど幻想的で
それほど誘惑的で
それほど魅力的で
それほど洗脳的で

とおりすがりに過ぎない
この世界の中で踊りたくて
必死で空に手を伸ばした


ほらうらはら

2009年08月24日 | Weblog
きっと信じているって
君は言ったから
僕も信じようって思った

心とは無関係に
崩れていくものも
あるんだってね

信じれば叶うなんて
夢幻だって知ってた

知っていたから
駄目だったんだ

知っていたから
信じきれなくて

だから本当に夢幻に終わった

表の心とは裏腹に
裏の心があるんだね

信じきれていない僕が
叶えられるわけなかった


空を歩く

2009年08月20日 | Weblog
車線変更が好きな君は
あっちへ行ってみたり
こっちに来てみたりと
どうにも落ち着かない

そろそろ進路を決めなよ

いつまでも空を歩かないで

空を歩くのは気持ちいいさ
見えないものも見えるさ

けれど見失うものもあるんだよ
失くしてしまうものもあるんだよ

雲の上はいつも晴れているけど
雨も曇も必要なんだって気付きなよ


モチーフ

2009年08月05日 | Weblog
崩れる前の一瞬が好きだから
あなたの笑顔を抱きしめた

何をそんなに恐れているの
いつからそんなにも
臆病になってしまったの

飛び越えられた柵を
今は飛び越えられない

綺麗だと言った花のモチーフ
永遠に枯れることはないのに


薬を飲むという行為

2009年08月03日 | Weblog
君が薬の飲む唇が
酷く艶かしいと思った

早く治ってほしいと
思うのは本当だけれど
僕は疚しい思いを拭い去れず
また自己嫌悪に陥るのだ

病気がちな君の潤んだ瞳
それを見つめていると
僕は地の底に落ちたようになる

いつか君の病が感知したら
心の底から喜ぶのだろうけど

今は今なりに君を愛していると
その証拠だと思ってくれるかい?