言の葉

気の赴くままに、ひたすら詩を綴っています。

「明日、旅に出るよ」

2012年07月23日 | Weblog

無言で手を振る君に
何も求めてなかったのに
虚しく感じるのは何故?

「泣かないで」って言ったのは僕
本当に涙一つ零さなかった君

君はまだ別れの意味さえ知らない
そう言い聞かせて歩き出した僕



Airport

2012年07月22日 | Weblog

「久しぶり」とか「またね」とか
笑顔とか涙とか溢れている場所で
最後に彼方を抱きしめて お別れ

「またね」って言いたかったけど
私が言えたのは「元気でね」だけ



新しいもの

2012年07月11日 | Weblog

新しいものも
いつかは
古くなっていく

古いものも
はじめは
新しいものだった

当たり前のことを
気付かせてくれた
あなたが愛しい

この気持ちは
きっと生まれ続け
ずっと新しく
あなたに向けられる



am liebsten

2012年07月08日 | Weblog

転げ落ちたのは夢の中だから
もう大丈夫だよ そう笑って

走り出した君の背中の愛しいこと

悲しいことは過ぎ去るから
やがて全ては過ぎ去るから
笑うことのできる今日は幸せ

君が光へと走ってゆくのならば
ありったけの愛しさを込めて
振り向くことのないように
もう君の名前を呼ぶこともない



鬼子

2012年07月01日 | Weblog

生まれただけなのに
ただ生まれただけなのに

そんな目で見ないで と
まだ言葉を持たない身では
訴えることもできずに
なされるがまま蔑まれた

痛くても 泣くしかない
それでも誰も気にかけない

生まれた時にはきっと
無邪気に泣くだけだった
いつしか泣くのに疲れて
心は本当の鬼になっていく