言の葉

気の赴くままに、ひたすら詩を綴っています。

つみ木

2020年06月27日 | Weblog

ひとつひとつ積み上げたもの
いっきに壊される 悲しみ

砂の城よりは丈夫だけれど
何とも果敢なく脆いものね

壊したのは誰?と責めるより
涙を堪えて一片を拾う
その横顔が印象的でした



Last Letter

2020年06月21日 | Weblog

「今夜は幸せの中で眠ります」

久しぶりに見た夢は淡く
起きた瞬間に溶けてった

あれは何の色をしていたかしら
今となっては思い出せない

まるで紗幕に覆われたように
心に在る何もかもが 遠い

せめて感謝を伝えられたら
忘れても安らげるのだけれど



アーニャ

2020年06月19日 | Weblog

いつも笑いながら
彼女は泣いていた

悲しい時ほど優しく
辛い時ほど努めて明るく
細い指をぎゅっと握り締めて

僕以外の人が気付く日が来るようにと祈りながら
せめてもの慰みにと木陰に風を吹かせたよ

いつも叫びながら
彼女は偲んでいた