言の葉

気の赴くままに、ひたすら詩を綴っています。

ガガナガンジャ

2018年02月28日 | Weblog

螺旋を描いて沈んでいったのは

明けがかる空に光る星ではなく
遠くの巣へ帰っていく鳥でもなく

たとえるなら 鐘の音のような
目には見えない けれど 響く
確かに在った 不確かな存在

この空しさを埋めてくれるもの
空中を探せば 何処かにあるかな



refraction

2018年02月27日 | Weblog

雨の日に眺める海が好きよ

吸い込まれていく水滴
まぁるい丸が呑み込まれていく

風が強ければ なお素敵よ

波に埋もれていく水滴
ゆらゆら崩れ形を無くしていく

計算式では分からない複雑な動きが
きっと たくさん存在しているのね

だから こんなにも真っすぐに
彼方に向かって行けないのね

いつか辿り着ける場所があるならば
そこで笑って会えたら いいね
降り注ぐ太陽光のように 真っすぐに
見つめあって手を繋げたら いいね



別世界

2018年02月26日 | Weblog

そこにあったのは別世界
夢よりも遠い はるか遠い

何もかもが眩しく
光り輝いているなんて
まるで嘘のようで

眩しすぎて見たくないのに
目が離せなくて 瞬きすらできない

いやよ いやよ
圧し潰されそう
助けて 助けて
つよすぎる力に
呑み込まれてしまう

もう引きずり込まないで
ただ ひっそりと そこに在って

必死に築き上げてきた階段が
ぐらぐらと揺れて 壊れる

私の今までって何だったの



無香花

2018年02月21日 | Weblog

報われることだけを望むなら
とうの昔に諦めているでしょう

今でも夢見るのは 今でも心待つのは
報われなくてもいいから ひたむきに
生きるあなたの光が失われないようにと
ひたすらに 一途な願いを託すから

元気に 笑顔で 駆けていけますように
それでも もし傷ついてしまったときには
痛みや辛さが少しでも和らぎますように

晴れた空を映す水面に浮かぶ 椿の花弁
神に頼ることも忘れるほど強く祈りました



璃に臙脂

2018年02月20日 | Weblog

隠しきれない色を重ねて
ようやっと零れた告白を
聞き逃したのは あなた

激痛 鈍痛 疼痛 心痛
まるで支配されているみたい
治癒力が追いつかないの

その意味することを理解したい
身を削って口にした言葉を
許されないなら どうすれば?



different SENSE

2018年02月18日 | Weblog

夢を数え上げながら眠ることには もう疲れた
その真意が分からないほど 馬鹿じゃないのよ

いつだって内に秘めた光が降り注いでいる庭で
全てが此処に在ればいいのにと願いながら泣く
涙が散っていくのは外から来た風が吹くからで
風穴を探しては埋めようとするけれど徒なこと

流れに身を任せるだけで やがて忘れられるなら
「時が解決するよ」なんて戯言も信じられるのに



こことしゅーだん

2018年02月16日 | Weblog

好きなものを並べ立ててみたところで
そのかたまりを気に入るかといえば違うし

ばらばらであれば救いようがあったものの
固まれば どうしようもなくなったりするし

人はどうして人によって変えられるの?
良くも悪くも影響されて 自分を見失うの



春菊

2018年02月13日 | Weblog

庭に植えた春菊を
踏みにじったのは 誰

いくら犯人探しをしても
手折られた茎は戻らない

かなしいな かなしいなぁ

淡く色褪せた花弁を拾い
そっと空に投げてみたけれど
力なく地に沈んでしまったよ

かなしいな 胸が痛いなぁ

抗う術を持たないものを
踏みにじる心は如何ばかりか



the reason

2018年02月11日 | Weblog

あなたが「ごめんね」と言って
そして 少しの間をおいて 笑った

悲しそうだったのかな
切なそうだったのかな
それとも
嬉しそうだったのかな

私には人を理解する能力が足りない
誰かの痛みだとか喜びだとかを
共感してあげられるだけの心がない

だから あなたの表情も
うまく読み取れなかった

だから 今も理由を探している
あなたが謝った理由
静かに笑った理由

きっと答えは分からないけれど