言の葉

気の赴くままに、ひたすら詩を綴っています。

押し問答

2009年10月13日 | Weblog
そんなことは問題ではない、と貴方は言った。
では何の所以あって?と私が問うと、続く沈黙。

つまるところ貴方も私も分かっていないのだ。
分かっていないくせに納得がいかないから、
いつまで経っても妥協点を見つけられず、
ひたすらに言い争う他どうしようもないのだ。

これでは何のための押し問答か、と呆れる私に、
貴方はそっと目を閉じて、何かを思案し始めた。

どうしても譲れぬものなどないのであろう私は、
ただ貴方の目が開くのを待ち続けていたけれど、
いつしか貴方は睡魔に負けて夢の世界へ旅立ち、
仕方ないので私は辟易とした表情で窓を開けた。

爽やかな風は、何で言い争っていたかさえ、忘れさせ、
私は窓辺で一人本を読み始め、至福を感じたのだった。