難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

難聴者は聴覚によるコミュニケーションは限界

2010年07月04日 13時49分04秒 | PHSから
聴覚によるコミュニケーションは、難聴者にとって限界がある。

1.聴覚器官に不全があるから。
聴覚器官に不全があると音や音声を受信して処理が出来ない。

聴覚器官の障害、たとえば外耳の構造上の問題、分解能を決める有能細胞の欠損などで、脳に送る信号を生成するだけのエネルギーが不足し、脳の信号処理に必要な情報量が不足する。

2.不全な聴覚を補償する方法が高度、多様なため対応しにくい。

音や音声は、難聴者に有効な情報とするには音圧の増幅、信号の周波数変換、強調、遅延など処理、外乱の影響の排除などが必要。
聴覚は個々に違って受信、信号処理されるので受け止め方がまちまちになり、補聴器や補聴援助システムの利用には難聴者ごとに設定しなければならない。

いったん設備を設置しても技術やシステムの変更で更新が必要になりコストがかさむ。

3.聴覚補償の効果が出るには時間がかかる。

聴覚は脳内処理の結果なので、脳の言語野など一定の発達、言葉としての記憶が必要。

4.感覚機能なので認識しにくい。

聴覚による受信の状況は自分にもわかりにくい。
他者にもその状況を説明する術がないことと受信状況がが見えないため、問題の発見と対応が遅れる。


わざわざ、こう言わなくても、音声を使うメリットとメリットが得られないのが難聴者と言えばいいか。


ラビット 記

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
風紋 (難聴者の定義)
2010-07-04 14:04:44
 立入哉・愛媛大学准教授が卓抜な定義をしています(忘年忘月忘日の忘所における講演)。
 「複数の人々の間にあって、聞き取りが困難な人」
 騒音の中で、と言ってもよいでしょう。
返信する
難聴者の定義は聴覚からだけでは不十分 (ラビット)
2010-07-05 02:45:56
風紋さん、コメントありがとうございました。

ここでは、難聴者の問題を聴覚によるコミュニケーションの問題を取り上げていますが、難聴者は聴覚によるコミュニケーション不全だけではなく、関係性の障害を持っています。

このことは、オーディオロジストたちはどのように受け止めているのでしょうか。
最近補聴器を使い始めた大沼直紀東大先端研客員教授は、難聴者の関係性の障害の側面を持つことを共同通信配信の記事で語っています。

「京都新聞5月9日(日)「聞こえない・・心の痛みに」(聴力 高齢化で誰もが衰える)という記事を見ました。
その方法として、
「聴力の衰えた人が聞き取りやすい話し方」
*句読点を目安に、単語単位で区切って話す
*語尾、文末まではっきり話す
*ゆっくりと自然な抑揚をつけて話す
*自分の顔を逆光にせず相手の顔を見て話す
*雑音や反響の少ない場所で話す」
返信する

コメントを投稿