僕が噺家になってすぐ住んでいた高級マンション「クラウン荘」です。(笑)吹田の師匠の家の近所にあるのですが、これがすごい! 入居の際、「お風呂つき」と書いてあったのですが、部屋のどこにもお風呂が見当たらないんです。しょうがないので、大家さんに電話をしましたら、「押し入れ、見られました?」という返事。恐る恐る押し入れを開けてみますと、なんと、その中をくり貫いて、無理やりシャワーボックスが突っ込んであるんです。(笑)ハイカラでしょ。 また、「バス・トイレはセパレート」とも書かれていたんですが、探せども探せども、部屋の中にトイレがない。これも大家さんに尋ねますと「マンションの端にありますよ」という返事。行ってみますと、マンションの角に共同トイレがありました。セパレートって離れすぎやろ!(笑)
本当に狭くて古いアパートでしたが、何か自由で夢に満ち溢れてました。兄弟子の林家笑丸兄さんも一緒に住んでたのですが、夜な夜な集まっては夢を語っておりました。まさに「噺家版ときわ荘」!なんかいいでしょ! うちの師匠も駆け出しの時、桂文珍師匠と「ビジョンハウス」という古いアパートに住んでたそうです。「ビジョンハウス」、お洒落な名前ですが、訳しますと「鳩小屋」です。(笑)でも、このビジョンハウスから二人も紫綬褒章受賞者が飛びたって行ったんですよ!夢のある話ですね。 この間、師匠のお宅に行った時、「久しぶりに、クラウン荘に行ってみよう」という話になりまして参りました。 さすがクラウン荘、進化するどころか、草が生い茂り、まるで「ジュラ期」のようでした。(笑)