京都劇場に三谷幸喜さん原作脚本の文楽「其礼成心中(それなりしんじゅう)」を観に参りました。まあ素晴らしかった! 文楽初心者の方にも大変分かりやすく丁寧に、通の方にもたまらない作品でした。 「文楽」は「人情」と「涙」を描いてますが、そこに「笑い」がでーんと入ってくるとは!さすが、現代の近松門左衛門、三谷さん! 内容は書きませんが、ある有名な文楽のスピンオフ作品になってました。 最後、カーテンコールで大夫さんがお客様に恥ずかしそうに手を振っていたのも面白かったです。 いやぁ、本当に文楽は、面白くて、ワクワクしてくる秀逸のエンターテイメントなんだなぁと思いました。 ぜひ是非、文楽が大好きな橋本市長にも観て欲しいですね。(*^▽^*)
世界最大の演劇祭【フランス・アヴィニョンフェスティバル】1ヶ月間連続フランス語落語公演もとうとう最終日です。
有り難いことに、楽日、大トリを勤めさせて頂くことになりました。 気合いを入れて、朝からチラシを配りに街へ行って愕然! なんとお客さんが、全然いないんです。最終日なので、みんな帰り支度をして、アヴィニョン駅に迎っているそうなんです。ただでさえ、今回は大規模なストライキがあり、例年に比べて全体のお客様さんが少ない上にアヴィニョンからお客が帰ってしまう。 これは、かなりやばい!楽日なのにお客さんがゼロなんて、寂しすぎるじゃないですか。 もう必死で、街を歩く数少ないお客様を見つけては、フランス語で「日本のコメディー、落語はめちゃめちゃおもろいですよ。絶対きてね!」と宣伝しまくりました。 とうとう開演の時刻、いつもの通り僕の出囃子「野球拳」が鳴り、舞台へ。集客の不安でいっぱいのまま、客席を見てビックリしました。 なんと、大入り満員、立ち見がでるほどの大盛況! あとで、分かったんですが1ヶ月間公演してて、お客様の間で「落語はおもろいらしいよ」と口コミが徐々に広まっていったそうなんです。しかも、地元紙に「落語はすごい!」という論評が出たみたいで、それを見て駆けつけくれた方も多かったそうです。 1ヶ月間、毎日毎日、南フランスの照りつける炎天下のもと、1000枚以上のチラシを配り、ポスターを貼り、その後、大汗かきながらフランス語落語を頑張ってやってきたご褒美が「これ」なんだなぁと「落語の神様」に心の底から感謝しました。 最後はフランス語と日本語を交えた「ほうじの茶(津軽三味線、紙きり、南京玉簾付き)」をやらせて頂きました。とってもいいフランスのお客様で、ありがたいことに大ウケでした。 ラストは、三遊亭竜楽師匠、奥様と子供さん、フランス人落語パフォーマーのシリル・コピーニさん、ステファン・フェランデスさん、プロデューサーのサンドリーヌ・ガブグリアさんにも登場して頂いてのカーテンコール! お客様の万雷の拍手とスタンディングオベーションに、思わず泣いてしまいました。 鳴り止まぬ温かいお客様の拍手を浴びながら、大変手前味噌ですが「落語は国境をこえた」とそう確信しました。 本当に大変な1ヶ月間でしたが、こんなに幸せで楽しい仕事は今までなかったです。 僕はフランス人は大変クールな人が多いという固定観念がありました。実際は、とんでも無い! 大変優しく温かい人ばかりでした。 道に迷ってたら、30分も一緒についてきて教えてくれたり、マルシェ(スーパー)でお魚を買う時、なんという魚か分からず困ってたら、嫌な顔せず冷蔵庫から色んな種類の魚をだしてくれたり、レストランで日本のコメディアンだと伝えたら、「きみの公演のポスターを店に貼ってあげよう」と言ってくれて店が落語のポスターだらけになったり、落語を見た見ず知らずのお客さんが「非常におもしろかった。是非家に来てくれないか」とホームパーティによばれたりと数え切れません。 また、落語のことを一切しらないフランスの方が「日本人のコメディー、しかも伝統的なお笑い、これはおもしろそうだ。」と毎日、劇場に足を運んでくださいました。この知的好奇心の高さこそが、フランスの文化のベーシックではないかと思いました。大変勉強になりました。僕も、もっともっと芸を磨いて、また、アヴィニョンに戻ってこようと思います。それまで、アヴィニョン、アボア!(さようなら) 今回、ご協力頂いた笹川財団をはじめ、各種関係者、スタッフの方、師匠、僕を生んでくれた両親に深く深く感謝申し上げます。 ジブレメルシー!(*^▽^*)
*写真は、打ち上げでハシャぐ、シリルさんとサンドリーヌさん、そしてめちゃめちゃ働き者のスタッフ、オリビエさんです。 メルシーボク!