我が家の冷蔵庫に鎮座する鉄腕アトムマグネット
不勉強なことに手塚治虫先生の作品は私の守備範囲ではないのですが
内田樹氏によると鉄腕アトムは
「人間性とは何か?」という問いをするために
「現象の図と地を入れ替えて考える」ことをした作品なのだそうです。
以下「街場の現代思想」より抜粋。
(前略)
「死んだ少年の代理表像」 であるところの 「成長しないロボット」 が、
彼にとっての造物主=神であるところの天馬博士に
「無価値なもの」とレッテルを貼られて棄てられるという、
これ以下はない的絶望的状況に投じられたところから手塚は物語を始めた。
自分であることの確かさ、自分が自分であることの意味を支えてくれる
一切の条件を奪われたものは、その全的喪失から、いったい何を足がかりとして
自分が存在することの意味と尊厳を奪還してゆくことができるのか?
手塚はそう問いを立てたのである。
(後略)
深い話です。
可愛い顔して悩み深いキャラだったんですね。アトム。