HASSY局長のハサカル日誌

伊勢志摩バリアフリーツアーセンター事務局長HASSYが
日々のハサカル(気になる)出来事など記録していきます。

熊野古道 浜街道を歩いてきました(写真追加)

2007-11-05 20:19:02 | 講演・視察
天気のいい日曜日。
昨日は、熊野市よりさらに南の「御浜町」へ行ってきました。
もうちょっとで和歌山です。


早起きのおかげで貨物列車が走っているのを見たぞ!


前回の日記に書いたように、第二回三ツ矢塾公開講座から講演依頼がありまして、パートナーを運転手に朝6時過ぎに家を出発して多気インターからさらに大宮大台インターまで伸びた新しい高速道路を初走行!

 
多気~大宮大台ICまでと、できかけの高速


いやはや、早いです。
これが尾鷲まで繋がったら、ちょっと東紀州へ行ってくるよ!なんて気軽に言えそうな感じ。


鬼ヶ城を越えたすぐ。七里御浜がはじまるところに、車椅子マークが…。海が見えるぞ~


と、思いながら、気がつけば目的地御浜町役場に到着。8:30分。
は、早い、早すぎる。
実は、4時間近くかかるものと算段していました。
昔はそれくらいかかったような記憶が…。

集合時間は10:30なんだけど。
しばし、役場で仮眠後、少し離れた道の駅パーク七里御浜へ散策。


パーク七里御浜のトイレ、洗面がせり出しているこの状態では便器に乗り移りにくいですね。


そうこうするうちに集合時間になったので、戻って本日の午前中イベント「熊野古道 浜街道を歩いてみよう」。
三ツ矢代議士や御浜町長、そして紀南バリアフリー研究会や、バリアフリー工房きなんの方々とともに歩いてみました。

 
御浜の方は、常にみかんを持ち歩き?おいしそうな背中です


熊野古道というと、苔むした石畳のアップダウンの山道のイメージがありますが、実は、そんなところばかりではありません。
熊野古道のひとつである「浜街道」はバリアフリーになる要素が充分にあるところなのです。

その浜街道の一部分ですが、御浜町役場から道の駅パーク七里御浜まで2キロも無いくらいの距離。
誰の行いのがいいのか、汗をかくほどの上天気。
伊勢志摩よりさらに南だから暖かいのはもちろんです。
なんたって、年中みかんがとれるのですから。

浜街道への道に入るために、最大の難関である下り階段をクリアすれば、あとはほぼ問題ないのです。

 
パーク七里御浜の階段です。後ろ向きに一段ずつ介助されながら下りました。上るときはみんなで持ち上げっ。周辺にスロープを作る広さはありそうです。

 
パーク七里御浜側には。太平洋岸自動車道ってのがあって、そこはなんとか車椅子で…。自転車用の設計なので、幅がないところも…。

 
御浜町役場前からの階段。急だし、落ち葉などで足を滑らしそうですから車椅子は断念


試してみたところ、役場からの階段は木も生い茂って暗いし、急で滑りそうなので、車椅子組はパーク七里御浜側から攻めることに。
視覚障害者グループはそのまま役場側から出発しました。

初めて歩く浜街道は、確かにここも熊野古道ですよと言われないと気づかないかもしれませんが、それよりなによりも、とても気持ちのいい散歩コースといった感じです。


天気のいい日は気持ちいいですね


ご存知の方はイメージできると思いますが、この七里御浜は浜の長さはもちろん、浜の幅もとっても広いのです。(これでもかなり侵食しているようです。昔はもっと、もっと海が遠かったとか)

七里御浜は砂利や石の浜なので、砂浜である伊勢志摩の浜で聞く波の音とは違い、ザッパーンより、どちらかというと、ドッカーンという音が近いような…。

この石、何千年も前の地層のものだったりするんですって。なんだか神秘的です。これらは碁石になるものもあります。ちなみに、勝手に石を持っていくと罰金ですよ。


さすが外海です。
街道は防風林で常に海がみえるわけではありませんが、この「どっかぁ~ん」という迫力アル海の音が聞こえてきます。
そして、時々防風林が切れ、広がる熊野灘のその雄大さは圧巻ですよ。


ポッカリひらけたところからの景色は素敵です。海の色が違いますね。


防風林となる木々に成る花の香りや、実もまた見落としてはなるまい。
聞こえる、香る、触れる…
このコース視覚障害者にはとってもワクワクするようなところなんじゃないかな?って思いました。

そこから思ったのは
あえて「目を閉じる」「耳をふさぐ」「車椅子で」という状況をあえて作って楽しめる街道にしたらどうだろう?と思いました。
見えないからこそ、感じること。
 
看板を触って確かめます。


聞こえないからこそ、見えるもの。

蝶が飛んでいました


車椅子だからこそ発見できること。

そりゃ、スタッグもするけどね。


新鮮な視点で浜街道を歩いて見ると、いろんな気持ちが沸き起こってくることでしょう。
世界遺産でそんな視点で考えるところはおそらくどこもないので、目新しさでもあるかもしれませんよ。


自然と浜に出たくなります。昔の人も、こうしていたのでしょうか?


そんな気持ちを頭の中をめぐりながら、午後からは、講演&パネルディスカッションです。

たくさんの方が来て下さいました


私の30分の講演は、センターの活動紹介と、バリアフルな神宮をどうやってみなさんに観光してもらっているか?
これら困難なことを魅力に変えて、それらをどう活かすか?などをオハナシしました。

演台でハナシができない私。小さいので埋もれてしまうのです。


そうそう、講演終わってから、手話通訳してくださった方に「語尾もハッキリしていて、内容も判りやすくてとても通訳しやすかったです」と言われました。
早口になりがちで、いつも手話通訳の方に悪いな~と思いつつしゃべりを暴走しているのですが、こんな風に言われると、とってもうれしいです。
聴覚障害者の方にもちゃんと伝わったかな?

私の次に、パンテーラジャパン代表取締役/工業デザイナーの光野有次さんのお話。

光野さんの講演もわかりやすかったです


海外に住んでいらっしゃったこともあって、スウェーデンのエレベーターの話など興味津々。

講演が終わると、今度は三ツ矢代議士と御浜町長を交えてのパネルディスカッションです。

 
短い時間でしたが、いいオハナシが出来たと思います

コーディネータは、公共事業評価審査委員会でもご一緒の芝崎さんだったので、緊張も和らぎます。

今回、これからの世界遺産熊野古道を考えるには、いい機会になりました。
高速道路ももうじき尾鷲まで繋がることだし、ますます伊勢志摩と熊野古道は近くなりそうです。
「伊勢へ七度、熊野へ三度」という伝えがあるように、お伊勢参りの後は、熊野詣に向かった旅人も多かった、昔。
広域観光として伊勢志摩と東紀州との連携がうまくとれそうな予感です。


パートナーは、パンテーラの車椅子に興味津々