「安倍元首相に最も食い込んだ記者」がNHKの地上波看板ニュース番組に登場しなかった理由
7/19(火) 8:00配信
亡くなる前日にも電話で会話
安倍元首相に最も食い込んだ岩田明子記者
NHKでは皇室絡みで何かあれば橋口和人前キャップが、そして安倍晋三元首相に関することなら岩田明子解説委員が登場し、まだ誰も知らないような話を立て板に水のように滔々と述べるというのが定番だった。今回の安倍氏の悲劇を受け、岩田氏の登場はNHK局内でもゴーサインが出たものの、結局それが覆り、BS番組などに限られたという。最も安倍氏に食い込んだ記者がその最期を語ることができなかった理由とは? 【写真を見る】36年前、昭恵さんとの結納を済ませた安倍晋三元首相。当時32歳。
岩田氏が登場したのは、安倍氏が亡くなった8日のBS番組「国際報道2022」やラジオなど。BS番組では、前の日の夜に安倍氏と電話で話したことを明かしていた。 安倍氏は岩田氏に対し、英国のジョンソン首相が辞任を表明したこと触れながら、「国際社会で拉致問題の解決支持を真っ先に打ち出してくれた。英国がふらついていると、アジア・太平洋の安全保障に影響が大きくなるだろう」などと語ったとされる。 「安倍氏の首相時代は、どの記者よりも先に大事なことを知っている最強の記者でした。首相を退いた後も、党内第一派閥のボスとしてぬかりなく取材していたことがよく伝わってきましたね」 と、ある社の政治部デスク。
ちゃぶ台返しで出演NG
「安倍家に入ることを許された数少ない記者の1人で、安倍さんが亡くなった日の夜、自宅へ弔問に訪れてもいます。ゴッドマザーこと安倍洋子さんの信頼も厚く、”ゴッドマザーの体温を知る女”とも評されていました。安倍さんが銃撃されて死亡するという衝撃的な事態に、岩田さんが地上波に登場しない理由はなかなか見つからないですね」(同) しかし、岩田氏は地上波の「ニュース7」、「ウオッチ9」といった看板ニュース番組に出演することはなかった。どのような事情があったのか。 「報道局内でも出演してもらうことがほぼ確定し、報道局長もOKを出していたようなのですが、どうも正籬(まさがき)聡副会長らが主導してちゃぶ台をひっくり返したようなのです」 と、NHKの幹部局員。 「正籬副会長は政治部出身で、岸田文雄首相が領袖を務める宏池会を担当してきました。“安倍色”の強い解説委員を画面に引っ張り出して、官邸の機嫌を損ねない方がよいという考えだったと聞いています。もっとも、岸田首相に“直電”できる記者もまた岩田氏以外いないとも言われていて、それを踏まえれば岩田氏がニュース7やウオッチ9で安倍氏を語ったとしても岸田首相がご機嫌斜めになることはなさそうですよね」(同)
干されたままならば
別の幹部局員はこう明かす。 「岩田氏は去年、政治部を離れたものの復帰を熱望しています。しかし正籬副会長らの反対でそれが実現していない。元々、両者は関係が芳しくなく、正籬副会長としては岩田氏が目立つのを良しとしなかったのかもしれません。さらに前田晃伸会長が岩田氏を評価していないとの噂があり、それに忖度したという説もあります。正籬副会長は主体的に動くようなタイプの人間ではないみたいですからね」 ともあれ、正籬副会長は少なくとも今年末まで現職に留まる見通しだという。 「その間、岩田氏は“干されたまま”ということになります。彼女はエース記者としてやってきた自負とまだまだやれることはあるという思いから、会社を辞める旨を周辺に相談してきたようです。その中には、安倍氏や安倍氏の秘書官や補佐官などを務めた今井尚哉氏も当然含まれているとのことでした」(同) 実際、岩田氏は安倍氏に関する書籍の執筆・出版を検討中だったという話も流れている。 「辞める・辞めないは別にして、安倍氏にベッタリということで毀誉褒貶さまざまだった岩田氏ですが、安倍氏が非業の死を遂げた今回のような時こそとっておきの秘話をお茶の間に披露してもらいたかったとも感じましたね」(同) 視聴者もそれを歓迎しただろうし、岩田氏も伝えたいと思ったことだろう。
デイリー新潮編集部
新潮社
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