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日本と世界

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日韓の政治家たちよ、国民をあおるな! 韓国伝統音楽家

2020-03-02 18:08:15 | 日記
日韓の政治家たちよ、国民をあおるな!

こんな雰囲気なので、ミン・ヨンチの出演はいかがかと…。政治は自分たちで解決して!

ミン・ヨンチ ミュージシャン 韓国伝統音楽家


2019年08月06日

ミン・ヨンチ|安倍|文在寅|日韓|歴史教育


*この記事は筆者が日本語と韓国語の2カ国語で執筆しました。韓国語版(한국어판)でもご覧ください。


拡大東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3(日中韓)外相会議で非難し合った河野太郎外相(中央)と韓国の康京和(カン・ギョン・ファ)外相(手前右)。続いて開かれた東アジアサミット外相会議では目を合わせようとしなかった=2019年8月2日、バンコク

政治や経済の問題なんですよ、結局は!

 本当にひどい状況になった。これはいてもたってもいられなくなり、書くことにする。

 おそらく、15年周期くらいでやってくる、日韓の喧嘩。私からすると、「また、始まったか……」。

 お互いの言い分も分かる。

 「もうこれ以上、負けない!」
 「もうこれ以上、黙っておかない!」

 OK!! 分かります!!

 何か普段からたまっていたのでしょ。お互いに、いやに思うことが。言葉や表に出せなかったけど、あんなこと、こんなことが。普段から、そう思っていたのでしょう。

 けどね、政治や経済の問題なんですよ。結局は!

 その問題を、マスコミなどを利用して、市民たちをあおってるんですよ!!

 政治家たちは次の選挙の票が欲しいから。安倍さんは北朝鮮嫌いだから、今、北朝鮮と仲が良い文さんが嫌い。

文さんは、韓国では今あまり支持率が良くないので、ここぞとばかりに嫌日を唱えて市民の心をつかもうとしている!

 バカじゃないの!!??

 自分の支持率が上がるからでしょ。

 票や支持率は他のもっと良い事で、取れるはず。

 政治家のバックにいる、経済人たちも、相手を否定しないで、いい物を作るのに時間を使い、努力しなさい!!

 日韓の関係が悪くなって、得をするからでしょ。自分の会社の製品が、もっと売れるようになるからでしょ。

 黙っててもバレバレですよ!!

僕の出演も「いかがなもの」らしい…

 こうやって書くのにも、勇気がいります。

 僕のジョブである、日韓交流関係の、公演は全てキャンセル。

 周りの日本語や韓国語、文化や教育に関する行事やスケジュールがほぼキャンセル……。

 また、つい先日電話で聞いた話が、韓国で8月に大きな公演があって、その出演者選考会議に僕の名前が上がったと。

 その出演者選考会議で、スタッフが、今、国がこんな雰囲気なので、ミン・ヨンチの出演はいかがなものかと……。

 そこで、キム・ドクス(サムルノリ創始者)先生、後輩のシンちゃん(「アンサンブル・シナウィ」という伝統音楽のグループの代表)や、他のミュージシャンたちが、「何を言ってるんだ! 今、こういう時だからこそ、ミン・ヨンチを出演させなきゃいけないんだろう!」。

 この話を聞いてびっくりした。「今この両国の雰囲気」に僕も当てはまるのにビックリ。

 なぜ、僕が、今、国の雰囲気と、関係があるの?

 僕はね、日本で生まれた!

 祖父祖母が植民地時代、仕事が無くなり生活に困って日本に引っ越したのだ。

祖父祖母も「日本籍」となった。けど、終戦後、日本は朝鮮半島から来た人を一方的に一律「朝鮮籍」に戻したのだ。

 だから、僕は、今も韓国人。日本にいる韓国人。

 日本の友達も半分、韓国の友達も半分。

 両国を行き来し、音楽をやっているだけ。

 半分半分だから、主観的にも、客観的にも感じているので、発言します!!

 政治家たちよ、国民をあおるな!!

政治や経済は自分たちの間で解決して!

 死活問題になっている人たちがたくさんいるし、各国での、民族的ないじめにもつながります。

 こんなこと何とも思っていないんでしょうね。だって、今の内閣のほとんどが、政治家の2世3世の集まり。

 すなわち、極端な世界で裕福に育っているのですよ。

 そんな人たちに、一般市民の死活問題とか、いじめっていう、単語がそもそも耳にも入らず。理解すら出来っこない。

 韓国も一緒、潜在的に、在日韓国人を嫌っている。

 祖国を裏切ったとか、裏切ってないとか……。あのね、当時、祖国を裏切って、成功した人たちは、現在韓国で莫大なる財閥になっていますよ。いわゆる親日派かな。

 あー、悲しい。

 経済や政治の問題は、自分たちの間で解決してほしい。

 けどね、地球では隣同士でこんなに仲がいい国は珍しいそうですよ。

 今や市民同士は、本当に仲がいいじゃないですか。旅行に行ったり、文化に触れあったり。それぞれの文化を認め合い、良い所を探し合い好きになっているお隣同士の国って珍しいらしい。

戦いに勝った人を英雄にしないで!

 やはり、教育も大事!!

 特に歴史教育。

 僕はあまり、歴史の授業が好きではなかった。なぜかって言うと、教えてくれるのは、戦争ばっかり。

 誰が誰に勝った、とか、誰が領土を広めた、とか。

 それを、英雄!!って人は言う。信じられない。

 そりゃ、その中には、いい人もいたのでしょうが、大半は、喧嘩が強い、要はたくさんどれだけ人を殺したか、でしょ。

 人間はやはりそこに興味があるのかなあ?

 ドラマや映画の、興行成績がいい作品は、やはり人が死ななければいけません。

 数が多いほど、人気が出ます。

 確かに制作陣は、人を殺すのをメッセージとして作ってるわけではなく、人を傷つけてはいけません的なメッセージも入っていると思います。

 けど、人を殺さず、傷つけない、名作ドラマや映画もあるのです。

 だから、歴史も戦いに勝った人物を強調しないで、その中でも、平和を唱え、家族や周りを助けた人物をたくさん教えてほしい。

 もちろん、戦争は2度としてはならないという、教育をしているのでしょうが、半面マインドコントロールではないが、愚かな人たちには、私も英雄になってやるという、潜在的教育にもなりえる。

 英雄と歴史教育、ちょっと考えてほしいところです。

 文化人と教育者は別です。

 喧嘩が嫌いです。

 僕は、もめ事が嫌いなので音楽をやっています。
「周りが喧嘩しているから、私も」はやめて!

 今この状況で、お互いがもめ、主張するまではいいが、国民たちをあおり、間違った判断に走ることを、後世の子どもたちや、子孫たちに自信をもって伝えられますか?

 それとも、お金持ちの大国のトップがきたら、ゴルフや高級料亭で接待しなさい、とか、そんなことを子どもたちにおしえるのですか。

 いつも思うけど、外国の主賓がきたら、その国のちょうど、真ん中レベルの、ホテルやレストランで接待するという、国際接待条例つくったらいいのに。

 だったら、その国の状況が分かるし、協力し合えると思うんです。

 みんな、見栄ばっかり張って、バレバレですよ。

 あれをこうさせたから、こうしたとか、相手が悪いから、こうせざる得なかったとか……もういいです、この繰り返し。

 まずは自分個人から始めるのです。

 両国への旅行者の数も激減している。

 だから、私も行かない、こわい……。周りが喧嘩しているから、わたしも、みたいな、愚かな考えはやめて、自分自身の考えを大事にしてください。

 お願いです。

 両国の政治に腹立ててください!

 人間同士を嫌いにならないでください!!

デヴィッド・ボウイの代表曲を

 わたしは日本と韓国の狭間で生まれました。

 皆さんが感じる、日韓関係が、私は、生まれて物心がついた瞬間から、感じているのです。

 毎日、毎時間、毎分、毎秒。

 日本と韓国は両親みたいな存在なのです。だから、夫婦喧嘩をみている子どもの気持ちなのです。

国際社会における皇室の存在感 ――西川恵『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』

2020-03-02 17:51:17 | 日記
国際社会における皇室の存在感 ――西川恵『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』

(新潮新書) 松浦晃一郎

[レビュアー] 松浦晃一郎(元駐在仏大使、ユネスコ元事務局長)


令和の「皇室外交」はトランプ米大統領の来日でスタート

皇室は、最強の外交資産だ。「私は通常、外国の大使には会わないが日本は例外である。日本の皇室を尊敬しているからだ」(サウジアラビアの王族)。

 
***

 本のタイトル(『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』)を見て、よくある日本礼賛本と思われる方もいるかもしれない。

しかし本書は、戦後の日本が国際社会で存在感を高める中で、皇室の国際的活動がいかに大きな貢献をしてきたかを見事にまとめた、他に例を見ない力作である。

 皇室を外交資産たらしめているものは何か。

筆者はそれを「長い歴史と伝統の蓄積」と「それに立脚した先の天皇皇后両陛下を中心とした皇族の人間力」としている。

 長年、サウジアラビアの駐米大使を務めたバンダル・ビン・スルタン王子は帰国後、国家安全保障会議の事務局長という重職についた。

面会が極めて難しいことで知られたが、当時の中村滋(しげる)駐サウジ大使は2度私邸で会い、イランとの水面下の交渉などの重要情報を得た。

その際、事務局長は「通常、外国の大使には会わないが日本は例外である。なぜなら日本の皇室を尊敬しているからだ」と述べたという。

 皇室は戦後日本の統合の象徴として日本国民から支持を得ていると国際社会でみなされている。

その存在感の大きさは、実際に外交の場にいれば理解できる。

そして、皇室の国際的活動は、個別の外交課題を一つずつ具体的に解決していくものではないが、そのための空気を醸成する役割を果たす。

 昨年7月から今年2月までフランスで開かれた日本文化を伝えるイベント「ジャポニスム2018」は、総動員数300万人を超える大成功を収め、アンケートでは96%の人が「日本により親近感を感じるようになった」と答えた。

 しかし、両国の交流は、突然深まったわけではない。

大きな契機となったのは、1994年の先の天皇皇后両陛下のフランスご訪問であった。

日本からの初めての国賓だったということもあり、シャンゼリゼ通りには両国の国旗が掲げられ、大ニュースとして新聞、テレビで連日報じられた(海外から見ると日本の国家元首は天皇なので、総理大臣が訪問しても国賓扱いにならず、両国国旗掲揚もない)。


私は当時駐フランス大使として両陛下をお迎えした。そもそもフランス人は日本の文化、経済を高く評価しているが、この時の歓迎ぶりは、皇室への敬意と高い好感を表したものでもあった。

 その後97年には、紀宮さまが国賓並みの待遇で招かれた。これは3年前の両陛下のご訪問の成功を受けてのもの。

そして、それが「ジャポニスム2018」の成功へとつながっている。

皇室の国際的活動はすぐに結果が出るものではないけれども、国際交流に広く深い影響を及ぼすと考えるべきなのである。

サウジアラビア王子の心遣い

 皇室が「なぜ世界で尊敬されるのか」、さらに知るためには実際に本書を読んでもらうしかないが、本書のもう一つの魅力は、皇室の国際的活動に関する知られざるエピソードを、いくつも掘り起こしていることだ。

1953年のエリザベス女王の戴冠式には当時の明仁皇太子が出席した。

第2次大戦終結後まもなくということもあり、日本に向ける英国社会のまなざしは厳しく、式で用意されたのは末席だった。

ところが、それを見かねて最前列の自分の席の近くに呼び寄せたのが、後にサウジの国王となるファイサル王子だった。

その18年後の71年、ファイサル国王は国賓として日本に招かれるが、これは戴冠式での恩義にも関係していると筆者はみる。

 
1921年に当時皇太子だった昭和天皇が、パリでスペイン国王アルフォンソ13世と昼食会を持っていたという話も初耳だった。

80年に来日したフアン・カルロス1世に、昭和天皇が「私はあなたのおじいさんにごちそうになったことがあります」と囁いた言葉をきっかけに、吉川元偉(もとひで)スペイン大使の執念で、詳細が明らかになる。

これはスペインの公的な対外政策史の中でも引用され、両国関係の緊密化に寄与した。

 新天皇についてのエピソードでは、雅子皇后とのご成婚にも尽力した山下和夫東宮侍従長が登場する。

山下氏はモロッコ大使を経験した経歴を生かし、1991年に徳仁皇太子のモロッコ訪問を実現させる。

ご成婚後、最初の外国訪問もアラブ諸国だったが、新天皇とアラブ諸国との縁は、皇太子時代のモロッコ訪問から始まったと言ってもよい。

 

本書には多くの外交官が登場する。ほとんど私が存じ上げている人たちだが、深い取材により、外交官が皇室の国際的な活動をしっかりと支えていることが書かれてある。外務省のOBとしては誇らしい限りだ。

 こうした皇室の活動を知ってもらうためにも、一人でも多くの方に本書を読んでもらいたい。

そして、その皇室の活動がどうすれば今後も変わらず続けられるのか、多くの国民に考えてもらう機会になればと思う。

※国際社会における皇室の存在感 ――松浦晃一郎 「波」2019年6月号より


新潮社 波 2019年6月号 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです