◆F-4後継機となり得るのか?
F-X選定は、いつ決まるのか、本日もこのテーマを扱いたい。F-4戦闘機の飛行時間を減らすなどして延命措置を図るものの、その運用には限界があり、航空幕僚長も、先日、懸念を示したばかりだ。
こうしたなか、日経新聞Web版に、F-22に関する新しい動きが報じられていた。引用→F22「輸出仕様」の研究開発を容認 米議会、予算43億円を合意【ワシントン=弟子丸幸子】日本政府が次期主力戦闘機(FX)の有力候補に据える米最新鋭戦闘機F22を巡り、米上下両院協議会がF22の生産中止を防ぐ目的で、4500万ドル(約43億円)の予算を認めることで合意したことが17日明らかになった。F22の「輸出仕様」の研究開発費として使用することも容認した。
同予算は2009会計年度(08年10月~09年9月)の補正予算案に盛り込まれ、下院は16日に同補正予算案を可決。上院は近く採決する。F22を巡っては、ゲーツ米国防長官が4月に新規調達を停止することを決定し、生産が中止となる可能性が強まっていた。日本がF22を調達するには、米国内法による禁輸規定(オビー修正条項)が障害。さらに日本のFX選定までの間、F22の生産が継続している必要がある。米議会の「輸出仕様」の開発予算を認める動きが、禁輸解除のための法改正につながるかどうかが今後の焦点となる。(16:00)http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090618AT2M1801U18062009.html←引用ここまで。
F-22の導入について、新しい可能性が示されたことにより、航空自衛隊の次期戦闘機選定は、さらに時間を要する可能性が生じている訳であるが、本ブログでに何度か触れているように、第一にF-4戦闘機の耐用年数が限界を越えようとしている点、第二に現在生産されているF-2支援戦闘機の生産が終了し、日本国内での戦闘機生産能力に大きな影響が生じるという点から、時間は切迫している。時間が切迫しているという背景で、F-22導入について、F-4の後継機とは切り離して考えるべきではないのか、とも考えたい。F-22の有するポテンシャルは相応に大きいわけであるが、それでは、北部航空方面隊、中部航空方面隊、西部航空方面隊、南西航空混成団と防空を担当する管区において、F-4の後継機として導入する二個飛行隊では、すべての管区に行き渡るわけではなく、防空能力に格差が生じてしまう。
さらに、運用する基地が分散すればするほど、機密保護への真空地帯も生じやすくなり、可能であれば一か所の基地で一括して運用し、機密保護を行うことが望ましい。他方で、要撃対処にF-22を充てるならば、F-22の性能を必要とする国が、F-22の配備された基地に対して電子偵察などを実施する可能性もあり、単純にF-15などの航空機の任務をそのままF-22に充てるというのも、現実的ではないように思える。従って、横田基地などで航空総隊司令部飛行隊などでF-22は運用し、それとは別に、しかし、F-22取得に障壁とならない範囲内で次期戦闘機を選定する必要もあるのではないか。なんとなれ、F-22の導入は、日本でも小牧南工場で整備支援を行えるかは未知数であり、稼働率をこれまでの航空自衛隊が選定した戦闘機と同程度の率で維持できるかと問われれば難しい。
また、日本としては、航空産業の維持という観点からも、F-22とF-Xは、多少切り離して考えるべきかもしれない。ここでは、F-2支援戦闘機の生産延長という選択肢もあり得るし、場合によっては暫定的な機体をF-Xとして選定する、という施策もあり得よう。別の視点からは、本国で生産が終了した機体のライセンス権を取得し、日本向けの供給するとともにCH-46(V-107)が米国で終了後、ライセンス生産権を有する川崎重工が製造し海外に供給したように、今後も潜在的な需要がある機体をライセンス生産し、もちろん、これには引き輸出三原則の拡大運用の見直しも視野に含める必要があるのだが、国内に防衛省機として供給するとともに海外に供給する、という選択肢も生まれるのではないか、と考える。
実際問題として、日本にF-22が供給された場合、機密保護と併せ運用が可能な基地は、横田基地、嘉手納基地、このほかには、潜在的に米軍施設と航空機整備施設が隣接する厚木航空基地、などが考えられる。一方、米本土でも一般公開の際には厳重な警備の下で柵の向こうに展示され、機密保護の観点からパリ航空ショーにも展示されなかった機体が、航空祭などで身近に並ぶ様子は想像出来ない。F-4後継機には、相応しい機体は別にあり、F-22取得は、それとは切り離して調達する必要もあるのではないか、と考える次第。
HARUNA
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案外、CCD技術を活かせば優位に立てたり・・・
電子戦には電子戦で対抗し、そのまた上をゆく電子戦で対抗する。・・・・・・・
結果、電子機器の通信等の情報網や敵索敵能力が奪われ、肉眼による探知と犬や伝書鳩による通信に戻ったりしたりして。あははっはははは。
電子戦というのは、結局、対抗手段と、対対抗手段のいたちごっこですので、電子偵察機の整備、情報収集の努力、その共有、さらに電波情報収集の手段の検索、偵察、などの努力が必要です。・・・、しかし、航空自衛隊の機構などをみますと、情報職種なども過渡期ですし、なんとなく、予算や人事を含め、冷遇されているのでは、と。
FPS-5ですが、いろいろいわれているので、伝聞情報に頼るしかないのですが、誤報というよりも、表示の略語に使われたスペルが、米軍の探知を示すスペルと非常によく似ており誤解したのが原因でしょう。FPS-5については、感度が高すぎて、宇宙空間の宇宙塵を探知したのが原因といわれています。今後は、アメリカのように、光学宇宙監視網を整備し、宇宙塵のおおまかな位置を把握できるようにするべきなのでしょう。
又、ガメラレーダーは何故前回ミサイル発射の誤認をしたのですか?
ガメラレーダーは張子の虎と周辺諸国は思っているでしょう・・
ウルトラマン 様
本音はもう少し早い時期にF-22の導入を開始し、その後、F-15Jの後継機を模索、もしくは、可能ならば全てF-22で統一出来れば、という構想は昔あったように記憶します。・・・、が、銀の弾丸といいますか、むしろ同じ重さの金塊よりもF-22が高価になってしまい、とてもではないが、同盟国に供給できない、ということで事態は一変。絶対少数優勢を図るイスラエル空軍と航空自衛隊には残念なお知らせとなっている訳です。
他方で、一時期RMAという単語が軍事専門誌を飾り、理解から誤解まで含め色々と本が出ましたが、結果、共同交戦能力、データリンクの時代が、部隊全体の能力をかなり底上げできる時代になった次第。・・・、まあ、言いかえればF-22が導入できなくとも、この種の能力を向上させるための努力は必要ということにもなるのですけど、他方で、強力な戦闘機、としてだけの意味合いでは、F-22を運用する意味は低いのかな、と。もっとも、それも含め、日本で運用する場合は、総隊司令部飛行隊で戦略予備にするべき、と当方は考えるのですけどね・・・。
費用ですが、いわゆるメーカーでの定期整備を日本国内で出来ないとなれば、米本土に回送して整備を行う必要があり、しかも、納期が遅れても他に選択肢が無いわけですから、別のメーカーに切り替えるわけにはいかず、結果的に稼働率はかなり低くなることは確実です。この関係で高くなるのかな、と。
七面鳥 様
米軍が最も警戒しているのは、輸出で機体の形状が判る為ではなく、ソフトウェアの流出にあるのでは、と。この点、紙面やデータで流出すると、後が厄介ですし。データ流出への警戒は、今なお、イージス艦の機密漏えい事件が影響していることで、端的に表れているといえます。
特に、電子戦で負けるとどうにもならないのは、先日模擬空戦にて、E/A-18Gの電子攻撃で目標を見失い、索敵中のF-22が至近まで接近されたE/A-18Gに捕捉された訳ですし、現代戦は電子戦、ということをtん的に示した事例なのかな、と。
理想を言えば、「トヨタやホンダのハイブリッドみたいに、原理や構造はわかるが、それを実現するのは並大抵では無いと言うか向こう十年不可能」みたいな状態であればいいのではないかと思いました。どんなに秘匿しても、いずれは追いつかれるのが技術のサガですから。公知であって、なおかつ当面の優位性が揺らがないなら導入の障害は相当低くなるかと。確実に優位の寿命は縮みますが……いずれにしても、選択肢少なくて調達担当の先見の無さが悔やまれるというか頭にきます。AH-64の件も含めて。
F-22を防衛省がこれほどこだわるのはF-4後継機という隠れ蓑としていて、実際はF-15の後継機と考えているのではないかと勘ぐってしまいますね。それならば、ここまで粘るのもうなずけますね。でも何かで読んだんですが、F-22単体での運用では意味がなく、軍事衛星(偵察衛星等)、AWACS増機、データー収集能力および処理能力それを統合するためのシステム(ソフト)不備(有るけど不足)。
よく言われる最新武器はあるけど弾がない!
F-22を運用するのに必要になる費用は現在の防衛予算を倍にしなければならないとか?
それより問題なのは日本人の防衛意識!
それより問題なのが政治家!
どうにもならん!!!
心神は、機体の規模が小さすぎるので、戦闘機にはなり得ないでしょう。また、機首が小さいので、まともなレーダーの搭載も無理です。
F-22、防衛省も、建前と本音は、使い分けるのかな、と。他方、決まるまでの間、産業維持の観点からF-2の増産という措置は有り得ていいのではないかとも思います。
祖国日本はもうすでに内側から崩壊しているように思えますので、アイロニカルですが少なくとも祖国防衛ぐらいは私達が心を一つにして考えたい物です。
それにしても心神をF-Xにするぐらいの防衛省、技術者の方々の覚悟はないのでしょうか?
うかうかしていたら本当に
中国の属国になるような気がします。