今日はときどき時雨の降る寒い一日だった。
地下鉄の駅から地上に出て歩き始めると、
寒風のさきに立つ街路樹の枝ぶりが妙に寒いことに気づく。
その数十メートル先に
今まさに街路樹剪定作業中の車と作業員の方々がおられた。
交通量の多い道路につづく唐楓(トウカエデ)の並木は
葉が色づくゆとりもないままに
そのゆたかな枝葉を
つぎつぎに失っていった。
歩道にはその唐楓の3浅烈の葉がまだ緑のまま
ところどころに散らばっていて、
日没間近のその道を帰りながら
なにか泣きたいような気持ちになってしまった。
抗がん剤によって髪などをすべて失ってしまった母の現在も
そして、
病むまではとても美しかった母であったことも
わたしには
この街路樹の運命とどこか重なるように思われたのだった。
*
(けふの即詠/十二月四日)
・日の暮れに立つ街路樹よ枝も葉も伐らるるままに失ひゆけり (春畑 茜)
*
(画像は「写真KAN公式サイト」さんよりお借りしました)
地下鉄の駅から地上に出て歩き始めると、
寒風のさきに立つ街路樹の枝ぶりが妙に寒いことに気づく。
その数十メートル先に
今まさに街路樹剪定作業中の車と作業員の方々がおられた。
交通量の多い道路につづく唐楓(トウカエデ)の並木は
葉が色づくゆとりもないままに
そのゆたかな枝葉を
つぎつぎに失っていった。
歩道にはその唐楓の3浅烈の葉がまだ緑のまま
ところどころに散らばっていて、
日没間近のその道を帰りながら
なにか泣きたいような気持ちになってしまった。
抗がん剤によって髪などをすべて失ってしまった母の現在も
そして、
病むまではとても美しかった母であったことも
わたしには
この街路樹の運命とどこか重なるように思われたのだった。
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(けふの即詠/十二月四日)
・日の暮れに立つ街路樹よ枝も葉も伐らるるままに失ひゆけり (春畑 茜)
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(画像は「写真KAN公式サイト」さんよりお借りしました)