ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『管理官キング』2022.1.6

2022-01-16 19:50:14 | 刑事ドラマ2000年~

2022年のお正月に放映された、テレビ朝日&東映の制作によるオリジナル企画の単発スペシャルドラマ。

鋭い洞察力と回転の速い頭脳を誇りながら、横柄で協調性に欠けるためアウトローなポジションにいるハミダシ刑事、警視庁捜査一課の管理官「キング」こと王賀統一(沢村一樹)が殺人事件の謎を解きます。

沢村一樹さんはオファーを受けて「また刑事役!?」って思われたそうだけど、我々視聴者からもそっくり同じ言葉を返させて頂きますw



正直言って沢村さんの刑事役はもう見飽きたし、内容もこれと言った新味が見当たらないミステリーだからスルーしようかと思ったけど、私としては……と言うよりこのブログとしてはスルー出来ない要素が2つあったので、レビューする事にしました。

そのまず1つめが、捜査一課2係の若手刑事=美山千秋を演じるこの人、成海璃子さん! ルックス的に私のストライクど真ん中な女優さんで、たぶん初めての刑事役だから見過ごすワケにいきません。



正義感溢れる熱血刑事ってタイプじゃなく、出来れば早く仕事を終わらせてデートに行きたいマジョリティな「女子」の感覚を持ったキャラクター。

で、新米弁護士の瑛人(中村 蒼)と順調にチョメチョメな交際を進めてるんだけど、自分が警察官であることは秘密にしてる。

それを知ったとたん逃げてく男が多いからだけど、瑛人が嘘つきな父親との折り合いが悪く「嘘つくヤツが一番キライだ」なんて言うもんだから、余計に言い出せなくなっちゃう。

で、皆さんお察しかも知れないけど、その瑛人の嘘つき最低ファーザーがなんと、千秋の上司であるキング管理官だった!

まぁこれも既視感のある設定ではあるけど、いつ彼にバレるかバレないか?の軽いスリルが、退屈な謎解きの良いスパイスになってくれてます。



そしてもう1つ見過ごせなかったのが、千秋の先輩で2係の主任だけど、キングのパシリなもんでちっとも尊敬してもらえない、二瓶刑事に扮した大倉孝二さん。

別に大倉さんの大ファンってワケじゃないんだけど、沢村一樹さんと刑事役で共演となると『デカワンコ』を連想せずにいられない!



『デカワンコ』は2011年冬シーズンに放映されたコメディータッチの刑事ドラマで、主演の多部未華子さんを一気にメジャーへと押し上げたヒット番組。

多部ちゃんだけでなく、沢村さんに大倉さん、升毅さん、吹越満さん、石塚英彦さん、佐野史郎さん、田口トモロヲさん、そして渡辺直美さん等、レギュラー陣がみんな売れっ子になり過ぎて続編が不可能になっちゃったほど。

それより何より、私自身が多部未華子という女優さんの虜になり、タベリストという新たな仲間たちとも出逢い、懐かしドラマだけじゃなく現在進行形の連ドラにも眼を向け始める、そのキッカケとなった2010年代ベスト1のTV番組なんですよね。



しかも大倉孝二さん演じる二瓶主任は、鑑識係の七瀬さん(国仲涼子)と夫婦なんだけど愛想を尽かされ只今別居中、同じ職場にいながら半径2メートル以内に近づけない。

『デカワンコ』の大倉さんも確か、離婚調停中で息子に会えない設定でしたw 悲惨なんだけど大倉さんがやると笑えちゃうw これもまた絶妙なスパイスになってます。



さらに、亡くなったキングの妻として乙葉さん、殺された女子高生として川島鈴遥さん、千秋が通うBARのバーテンとして八木優希さんも出演されてます。



川島鈴遥さんも八木優希さんも、子役から活躍されてる若きベテラン女優。川島さんはオダギリジョー監督による初の長編映画『ある船頭の話』でヒロインに抜擢され、再び注目を浴びておられます。

そして八木優希さんは生後4ヶ月で出演された『仮面ライダーアギト』がデビュー作で、『デカワンコ』ゲスト出演も記憶に新しい……と言っても既に11年前! そりゃもう、すっかりオトナになっておられ……と言ってもまだ21歳! マジかっ!?

たぶんこれまで学業を優先されて来たと思われ、今回は久々のドラマ出演。これからますます活躍される事でしょう。なんか、眩しいですよね。若いって素晴らしい!



キャスティングの事ばかり書いたけど、ミステリー好きの方なら内容的にも満足出来たんじゃないかと思います。千秋が刑事である事はまだ瑛人にバレてないし、まぁテレ朝&東映作品の常套手段だけど続編や連ドラ化も視野に入ってそうです。

セクシーショットは成海璃子さん、国仲涼子さん、そして乙葉さんのボインぼよよん3連発! いやぁ、おっぱいって本当にいいもんですね。


 

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『太陽にほえろ!』#447ー2

2022-01-14 23:50:04 | 刑事ドラマ'80年代

〜前半のおさらい〜

妊娠中の令子さん(長谷直美)がアパートのドアを開けたら、そこにズブ濡れの志賀勝が立っていた! きゃあああぁぁぁーーーっ!!!

かつて逮捕した傷害犯の矢沢(志賀 勝)が出所し、職が決まるまで泊めて欲しいと言って来たもんで、困り果てたロッキー(木之元 亮)は顔を毛むくじゃらにしながらも受け入れます。

ところが矢沢はなかなか職を決めずアパートに居座り、ロッキーの留守中にその「顔面凶器」で令子さんを驚かせ、うっかり(?)怪我をさせてしまう! 矢沢の目的はもしかして、ロッキーへの復讐なのか!?



令子さんが負傷したと聞き、ロッキーは慌てて病院へ駆けつけますが、幸い大した怪我じゃありませんでした。

謝罪する矢沢に、ロッキーは言います。

「間違えたんだから、仕方ないだろう」

「……ホントに、そう思ってくれますか?」

「ああ。ここはオレが替わるから休んでくれ」

ロッキーはまだ矢沢を信じてるみたいだけど、怪我させられた令子さんはたまったもんじゃありません。



「私、あの人が灯り消したの、わざとだと思う」

「ええ? なぜ?」

「……なぜだか分かんないけど」

「分かんないって、お前……ワケも無くそんなバカなことする筈ないだろう? オレが憎いならオレを襲う筈だし、お前が狙いなら襲うチャンスはいくらでもあった筈だ。そうだろ?」

「でも……そんな気がするの」

「…………」

もちろん、令子さんの方が正しいに決まってますw アホのロッキーは、矢沢が病院の公衆電話で、竜神会の親分にこんな報告をしてる事にも全く気づきません。

「言われた通り、上手くやったつもりですが……」

『ご苦労さん。もうじきカタがつく。お前は早く消えろ』

「あ、そうスか。それじゃ失礼します」

やっぱり! 職探しにモタついてロッキーをさんざん振り回したのも、挙げ句に令子さんに怪我させたのも、全て計算ずくだった!

矢沢は恐らく、組を抜けて足を洗う条件としてその役目を授かった。しかしいったい、なぜ竜神会はそんな事を?

「どこへ電話してたんだ?」

病室から出てきたロッキーにツッコまれ、さすがに矢沢も慌てます。

「あ、いや……クニの親戚です。やっぱりオレ、クニに帰ります」

「ええ? どうしちまったんだよ、急に」

「いや、それはですね……旦那や奥さんに迷惑掛けちまったから……」

「矢沢!」

ほら来た! いくらお人好しと言ってもロッキーは刑事です。矢沢の焦りを見逃さない筈がありません!



「な……なにか?」

「結局……オレはあんたに何もしてやれなかった。すまなかったな」

なにぃーっ!?w ホントにまったく、どこまでお人好しで毛むくじゃらなんだロッキー刑事ぃーっ!?

「……いえ、気にしないで下さい。それじゃ……」

「おいちょ待てよ!」

おっと、ほら来た! 今度こそ! そそくさと立ち去ろうとする矢沢を追いかけ、ロッキーがふところから取り出したのは拳銃? それとも手錠?



ロッキーがふところから取り出し、矢沢に手渡したのはなんと、数枚のお札でした。たぶん、なけなしの小遣い全額です。

「クニでいい仕事見つけろよ。な?」

「…………」

やっぱり最後まで矢沢の正体に気づかない、果てしなくお人好しなロッキー刑事なのでした。



一方、竜神会VS響組の動きを探ってた藤堂チームは、海外逃亡した筈の殺し屋=高岡(浜田 晃)が東京に舞い戻ったらしいという情報をキャッチ。恐らくそいつが響組の大幹部を暗殺するに違いない!

「あっ、こいつ……あいつだ!」

高岡の手配写真を見てロッキーが驚きます。なんとアホのロッキー、3日前に新宿で高岡と顔を合わせてたのに、それが誰なのか思い出せないまま忘れてたのでした。

「おいちょ待てよ、ロッキー。3日前と言えば……」

そう、矢沢という名の志賀勝がズブ濡れになってロッキー宅を訪ねて来たのは、ちょうどその日の夜だった!

「ヤツがお前にまとわり付いたのは、それを思い出させない為だ!」

う〜む、ちょっとムリを感じる設定ではあるけど、意外とヤクザってのは姑息で用心深い人種ですから、決して有り得ない話でもないと思います。

「矢沢、あの野郎おぉぉぉーっ!!」

今さら怒り出すロッキーに、冷静なボス(石原裕次郎)が言います。

「待て。今は矢沢より高岡だ」

そう、敵の狙いが判ったからには、全力で阻止するのみ!



ここはトットと進めましょう。高岡の狙撃地点を先読みした藤堂チームは、可能性のある場所を全員で徹底マーク。ドック(神田正輝)&ロッキーのコンビがいち早く高岡を発見し……



見事な連携プレーで暗殺を阻止! 二大勢力の全面戦争はひとまず不発に終わりました。

けど、高岡を捕まえたところで、彼が自白しなければ竜神会との繋がりは証明出来ず、火種はくすぶったまま。プロの殺し屋が口を割るとは到底思えません。

「あいつが証言してくれたらなあ……」

ロッキーはふと、パチキ入りパンチパーマ男の怖い怖い顔を思い浮かべながら、退院した令子さんをマイ・スイートホームへと送り届けます。

するとどうでしょう! アパートの階段にちょこんと、一度見たら一生忘れられない、あのパチキ入りパンチパーマが!



「矢沢! お前、なんで此処にいるんだよ!?」

駆け寄るロッキーに、矢沢は気まずそうに、申し訳なさそうに、そして恥ずかしそうに言います。

「いや、なぜだか……変な方向に足が向いちまって……」

「変な方向?」

「これ……買って来ました」



矢沢がおずおずと差し出したのは、安産祈願で有名な「水天宮」のお守り。令子さんが欲しがってたのを、矢沢はちゃんと憶えてたのでした。

「これで勘弁して下さい」

「矢沢……」



きっと矢沢は、竜神会の企みも洗いざらい証言してくれる事でしょう。彼を最後まで信じ抜いたロッキーのお手柄です。



『太陽にほえろ!』としては異色のサイコ・スリラーかと思いきや、実は極めて『太陽〜』らしいヒューマン・ストーリーでした。

根っからの悪人はいない。現実はそうとも言い切れないと私は思うけど、そうであって欲しいっていう願いをドラマに込めるのは「あり」だとも思います。

これは何げに名作ですよね! なんつっても志賀勝さんが一世一代のハマり役!

同じ「顔面凶器」系のアクターでも、例えば小沢仁志さんだとこの感動はたぶん生みだせない。ただイカツいだけじゃなく、素朴さとか哀愁なんかも同時に感じさせる、志賀勝さんが演じてこその感動だと思います。

今、志賀さんの代わりが務まるアクターって見当たらないですよね。昭和を代表する名優のお一人だったと、しみじみ思わずにいられません。


 

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『太陽にほえろ!』#447ー1

2022-01-13 01:00:07 | 刑事ドラマ'80年代

もし真夜中、玄関のドアを開けて、そこにズブ濡れの志賀勝が立ってたら、あなたはどうしますか!?

しかもその日から志賀勝が我が家に住みつき、2人っきりで食事する羽目になったとしたら!? うぎゃあああぁぁぁーーーっ!!!



☆第447話『侵入者』(1981.3.6.OA/脚本=小川英&尾西兼一/監督=澤田幸弘)

ロッキー(木之元 亮)と毎晩チョメチョメして子供を宿した新妻の令子さん(長谷直美)が、とある真夜中、大きなお腹を抱えながらアパートの玄関のドアを開けたら、そこにズブ濡れの志賀勝が立っていた! きゃあああぁぁぁーーーっ!!!



その志賀勝は、3年前に恐喝と傷害の罪でロッキーに逮捕された、矢沢という元暴力団員(志賀 勝)。刑期を終えて出所したものの身寄りが無く、どうやらロッキー以外に頼れる相手がいなかった様子。

ロッキーは3年前、カッコつけて「出所したらいつでも来いよ」なんて言っちゃった事を死ぬほど後悔しますw

「ああ、そ、そうだったな。俺に出来る事があれば何でも力貸すよ!」

「ありがとうございます。じゃあ職が決まるまで此処に泊めて下さい」

「えっ?」「えっ?」

ロッキーと令子さんが夫婦仲良くフリーズします。志賀勝が、泊まる? 新婚ホヤホヤ夫婦のアパート、それもこんな狭い部屋に? 職が決まるまで? 志賀勝が?



「俺、ほかに頼るところが無いんですよ。お願いします」

矢沢に土下座されて、ロッキーは困り果てます。なにせ自分は忙しい毎日で帰りも遅い。つまり愛する令子さんを志賀勝と狭い部屋で2人っきりにさせちゃう事になる。

「いや、その……俺はいいけどさ……」

「えっ? いや、私だって構わないわよ。せっかく頼って来てくれたんだし……」

アホのロッキーは、そんな令子の社交辞令を真に受けちゃいます。

「よし、決まった!」

「ええっ?」

かくして、新婚夫婦と志賀勝との奇妙な、そして極めてデンジャラスな同居生活が始まっちゃうのでした。

しかもアホのロッキーは気づいてません。アパートの表にビニール傘が無造作に捨てられてることに。そう、矢沢は表まで傘をさして来たのに、それを捨ててわざとズブ濡れになったのでした。怖い怖い怖い怖い!



翌日、ロッキーが矢沢と一緒に求職活動してると聞いて、藤堂チームの同僚たちは驚きます。

「矢沢と言えば、人の弱味を握ってはユスったりタカったりの前科三犯。取調べでも嘘をつきっ放しでロッキーが手こずったヤツだよ」

「そんなヤツを家に泊めるなんてアイツ、人が好すぎますね」

「ドック、そりゃ無いですよ。我々の仕事は犯罪者を刑務所へ送り込んだらそれっでいいってもんじゃないでしょう?」

「ご立派! お説ごもっともだよ、建前はね」

「俺は本音の話をしてるんですよ?」

「あ、ほんね?」

(↑私じゃなくて神田さんのセンスです、念のためw)

そんな同僚たちの心配をよそに、お人好しロッキーは顔を毛むくじゃらにしながら矢沢の職探しに奔走します。

だけど、いかんせん矢沢は前科者である上に、顔が……

しかも、せっかく決まりかけても矢沢本人が渋ったりして一向に出口が見えて来ない。彼は本当に働く気があるのか?



そんな折り、七曲署管内の二大暴力団=竜神会と響組が臨戦態勢に入ってるとの情報が入り、藤堂チームに緊張が走ります。どうやら響組が竜神会を潰しにかかっており、大阪支部から大幹部が乗り込んで来るらしく、竜神会がそいつの命を狙う可能性がある。

もし、それが実行されれば全面戦争になりかねず、藤堂チーム総出で監視にあたるんだけど、ロッキーはたびたび矢沢に呼び出されて捜査に集中出来ません。

「悪いけど1人で回ってくれよ、な?」

そう言ってロッキーが捜査に戻っても、矢沢は一係室にまで押しかけ、いきなり至近距離で顔を見てしまったナーコ(友 直子)を卒倒させますw



「刑事は保護士でもボランティアでもないんだから、協力にも限度ってものがあるんだよ!」

腹に据えかねてそう怒鳴ったのは、ロッキーじゃなくてドック(神田正輝)でした。ところが当のロッキーは、顔を毛むくじゃらにしながら矢沢を庇います。

「ドック、矢沢はオレを頼って来たんです! 余計な世話を焼かないで欲しいんですが」

「余計? 協力すんのはいいけど自分の仕事はどうすんだよっ!?」



見かねたボス(石原裕次郎)が2人を刑事部屋に呼び戻します。

「ロッキー、よく考えてみろ。矢沢がお前に恨みを持ってるようなことは無いか?」



確かに、そう考えれば辻褄が合うんだけど、ロッキーは毛にまみれながらキッパリと言います。

「ありません。ボス、矢沢はそんな悪い男じゃありません。ただ拗ねてるだけなんです」



「気に入った職が見つかって、人に信頼されるようになれば、きっと立ち直ると思うんです。オレはそう信じてます!」

「分かった、それなら力になってやれ。最後までな」

「はい!」

ロッキーよ、そこまで志賀勝を信じて本当に大丈夫なのか? お人好しにも程があるのでは? ドックならずとも心配になっちゃいます。

けど、とことん人を信じ抜くスピリットは、2年間寝食を共にした愛するパイセン=ボン(宮内 淳)から受け継いだもの。そう考えると応援しないワケにいきません。

ところが!

令子さんがスーパーで買いもの中、いきなり矢沢と鉢合わせし、間近で顔を見てしまって卒倒! もしかして矢沢は、令子さんを尾けて来た? 何のために!?



しかもその夜、張り込みで忙しい毛の旦那はなかなか帰って来ず、令子さんは狭い部屋で志賀勝と2人っきり。あの顔を間近で見ながら食事する羽目になっちゃいます。当然、食欲は急降下w

「奥さん、もっとよく食べないと。お腹の赤ちゃんによくないっスよ?」



同じセリフでも、言う人の顔によって脅しに聞こえたりしちゃう。矢沢はその上ドスの効いた巻き舌で、何を言っても脅しに聞こえちゃう!

「旦那さん、遅いですねえ。ひょっとしたら今夜、帰れないかも知れませんねえ」



怖い怖い怖い怖い怖い! いくら男勝りで知られ、あの北極熊みたいな旦那を尻に敷いてる令子さんでも、深夜に志賀勝と2人っきりは怖すぎる! 胎教にも悪すぎる!



たまらず、令子さんは矢沢がトイレに立ったスキにロッキーに電話します。

「あなたお願い、早く帰って来て!」



恐怖劇場はまだまだ続きます。電話を切って令子さんが振り返ると、果物ナイフを手にした志賀勝が目の前に! うぎゃあああぁぁぁーーーっ!!!



「このリンゴ、食っていいスか?」

笑えない! 怖すぎて笑えない!!

「あっ!」

さらに志賀勝は畳み掛けます。うっかり(?)つまずいた矢沢が前屈みに転んで、持ってたナイフがたまたま(?)配線コードを切断! ブレーカーが落ちていよいよ部屋が真っ暗に!!

「きゃあああぁぁぁーーーっ!!!」

思わず逃げようとした令子さんもつんのめって転倒! 矢沢がブレーカーを上げて明るくなった部屋には、頭から血を流して倒れてる令子さんの姿が!

「お、奥さん? ……奥さん……」



いったい何が目的なんだ志賀勝!? 身重の妻を放ったらかしにして何やってんだロッキー!? そして令子さんの運命や如何に!? (つづく)




 

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『太陽にほえろ!』#445

2022-01-10 16:55:34 | 刑事ドラマ'80年代

前の週に放映された#444『ドック刑事のシアワセな日』にメインゲストとして招かれたのは、間もなく『西部警察』にレギュラー入りする「イッペイ」こと峰竜太さん。

そして今回のメインゲストがちょっと前に『西部警察』を卒業されたばかりの「ジン」こと、五代高之さん!

石原プロモーション所属の神田正輝さんが加入されたことがキッカケかどうか分からないけど、東宝制作の『太陽にほえろ!』と石原プロとの関係がより密になり、ドック(神田さん)が西部署に、そして『西部〜』の大門団長(渡 哲也)が七曲署に出張して大活躍するという、放映局(日テレとテレ朝)の垣根を越えたクロスオーバー企画がかなり具体的に検討されてたんだとか。

しかし両作品の大黒柱である石原裕次郎さんが程なくして倒れられ、それどころじゃなくなっちゃったのが残念でなりません。

もし実現してたら、ボス=藤堂係長と木暮課長は「そっくりさん」あるいは「双子のブラザー」として扱うつもりだったのか、そして後に係長代理として七曲署に着任する橘警部(渡さん)は大門団長、あるいは彼の「双子のブラザー」として登場する事になったのか、興味が尽きませんw

おっと、石原良純さんの「ジュン」と「マイコン」もそうでした。どっちも殉職してないから競演可能、あのド暑苦しい顔が2つ並んじゃう放送事故も有り得たかも!?



☆第455話『人質を返せ!』

(1981.2.20.OA/脚本=峯尾基三/監督=鈴木一平)

七曲署で留置場の看守を長年務め、ゴリさん(竜 雷太)に可愛がられてた平野巡査(五代高之)が城北署捜査一係の刑事に昇格することが決まり、ゴリさんも自分の事のように大喜び。

そんな折り、麻薬Gメンの五十嵐刑事が射殺死体となって発見され、藤堂チームは彼が追ってた覚醒剤密造のプロ=古賀(笹入舟作)に容疑を絞り、銃撃戦の末に逮捕します。

ところが五十嵐殺しに使われた銃と古賀が持ってた銃は別物と判明。古賀の背後にいる覚醒剤組織が事件に関わってることは明白で、藤堂チームは古賀の取調べを続けつつ真犯人探しに奔走します。

そんなある夜、もうすぐ看守係を卒業する平野巡査が、こともあろうに古賀を密かに脱走させようとして、栄光のゴリパンチを授かる羽目になります。

せっかく昇進が決まったばかりだというのに、一体なぜ!? ゴリさんに追及され、平野はアパートで一緒に暮らす妹の圭子(平野真理)が誘拐されたこと、そして彼女の命と引き換えに古賀を逃がすよう脅迫されてることを告白するのでした。



平野のアパートに送られて来た脅迫ビデオ(圭子が男どもに押さえつけられて『あぁぁーっ、いやよ助けてお兄ちゃん! んんん〜、お兄ちゃん……はぁはぁ、お兄ちゃん』ってw、どう観ても近親相姦の裏ビデオ!)の映像を皆で食い入るように観た藤堂チームの刑事たちが、一瞬だけ映った窓外の風景を手掛かりにしてアジトを発見するも、見つかったのは圭子のハンドバッグと血痕だけ。



それでも必死の捜査でマークした容疑者をあえて泳がせるも、焦った平野の暴走により取り逃がしちゃう大失態。

「オレが身代わりになってもいい、石塚さん! 圭子を取り戻して下さい! お願いします!!」

そう言われても、もし悪党どもの要求を呑んで古賀を釈放してしまえば、今後も同じ手口が繰り返され警察が無力化してしまう!

さすがにゴリさんも焦燥し、殺しに関しては無実の古賀を締め上げ、半殺しにしかけてあの狂犬スコッチ(沖 雅也)に「正気ですか!?」と言われちゃう始末w



打つ手が無くなったゴリさんはいよいよクビを覚悟し、西部署から学んだムチャクチャ作戦をボス(石原裕次郎)に提案します。

「危険な賭けだな」

「自分にやらせて下さい。責任は取ります!」

 

しわしわのホルスターに収められたCOLTトルーパーと警察手帳と手錠を差し出すゴリさんだけど、ボスは受け取りません。

「いいだろう。ただし、これは一係としてやる」



その作戦とは、古賀を本庁へ護送する道中でド派手な交通事故を起こし、わざと古賀を逃走させちゃう一世一代の大芝居。西部署じゃ日常茶飯事だけどw、生真面目プロデューサー岡田さんの監視が厳しい七曲署ではほとんど前例がありません。



もちろん、事故を起こして古賀にフルボッコにされる役目は、現時点じゃ一番新顔のドック(神田正輝)が務めます。



「もう二度とこんな役やだぁ!」



そうして古賀を泳がせ、鉄壁のチームワークで追跡した藤堂チームは、ついに敵アジトを突き止め、怒涛の銃撃戦へと雪崩れ込みます。ホントにまるで『西部警察』だ!w



ボスと山さん(露口 茂)以外のレギュラー全員が参加する銃撃戦っていうのも『太陽〜』じゃ滅多に観られないレアシーン。後期のメンバー(デュークとかマイコンw)じゃサマにならないけど、ゴリさん、スコッチ、ドックが揃ったGUNアクションはそれだけで見応え充分!

同じ鈴木一平監督による#442『引金に指をかけない』と比べるとアッサリしたもんだけど、やっぱ拳銃がサマになる役者が揃った銃撃戦は迫力あります。こういうのをもっともっと見たかった!



もちろん覚醒剤組織の一味は一網打尽、人質の圭子は無事に救出されました。リアルに考えりゃ無事に済んでるワケが無いんだけど、なぜか夜8時台の刑事ドラマに登場する悪党どもは皆、性欲というものが無いみたいですw(去勢された鬱憤で悪い事しちゃうのかも知れません)



そしてラストシーン。事件は解決したけど、古賀を脱獄させようとした責任を取って平野巡査は辞職したらしい……と聞いて刑事たちはシンミリしちゃうんだけど、実際に古賀を逃したのは自分たちだという事実をすっかり忘れてるみたいですw



「ところで、平野の再就職先なんだがね」

「ボ、ボス! お願いします! お願いします!」

毎度お馴染み、その回の主役刑事とボスのツーショットで静止するラストカット。ワンパターンなのは良いんだけど、特に「オチ」が無いまま終わっちゃうのを不満に感じるのは私が大阪生まれだからでしょうか?w

ジーパンやテキサスの頃は毎回ちゃんとオチてたと思うんだけど、ボン&ロッキーの頃から「オチなし」の回が増えて来たような気が……

「いや、そういうドラマじゃないから」って事かも知れないけど、どうせコミカルに締めるならオチは必須だと私は思う。こんなクレームを入れる視聴者は、まぁいなかったでしょうねw



拉致監禁されちゃう圭子に扮した平野真理さんは、当時22歳くらい。『科学戦隊ダイナマン』(’83〜’84) の王女キメラ役で知られる女優さんで、その時には「香野麻里」に改名されてました。

今回調べて初めて知ったけど、五代高之さんと結婚されてるんですよね! もしかしてこの回での共演がきっかけ?

この後『太陽〜』には#460、#474、#513 にもご登場、刑事ドラマは他に『鉄道公安官』『Gメン'75』『特捜最前線』『非情のライセンス』『大激闘/マッドポリス'80』『爆走!ドーベルマン刑事』『私鉄沿線97分署』『刑事物語'85』等々、多数ゲスト出演されてます。


 

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「深夜ラジオの想い出」ー3

2022-01-09 00:00:06 | 日記

『MBSヤングタウン』で私が一番好きで、一番熱心に聴いてたのが金曜日。アリスの谷村新司、バンバンのばんばひろふみ、そしてアナウンサーの佐藤良子という当時のパーソナリティで、とにかく下ネタが凄かったw

エロ本コレクターとしても知られる谷村さんのエロトークを、ばんばさんがゲラゲラ笑い、佐藤さんがオトナの貫禄で受け流すという、ちょっとアダルトかつナンセンスな世界が私の好みにピッタリで、このブログにも少なからぬ影響を与えてます。

中でもアニメ『巨人の星』主題歌の冒頭「♪思い込んだら試練の道を〜」の「思い込んだら」を「重いコンダラ」っていう野球の練習器具か何かだとずっと思い込んでました、っていう投稿がきっかけで始まった「オモイコンダラのコーナー」。

後にタモリさんのテレビ番組で「空耳アワー」として復活する、あれの原点。『オールナイトニッポン』で笑福亭鶴光さんもやってたけどヤンタン金曜日の方が早かったと思います。

特に、テレビじゃ放送出来ない「関東4文字」「関西3文字」の空耳が傑作揃いで、その総集編を録音したカセットテープは今も大切に保管してありますw

谷村さん&ばんばさんは文化放送『セイ!ヤング』でもコンビを組んでて、その番組で一時期流行った「川口浩探検隊シリーズ」イジりも、後に私の自主制作映画→プロデビューに多大な影響を与えてますから、ホントこのお二人には足を向けて寝られません。

ヤンタン金曜日は佐藤良子さんが抜けた後、アイドル歌手の岩崎良美さん、三田寛子さん、松本明子さんがアシスタントを歴任されてます。

谷村&ばんばコンビの下ネタに女性アイドルが絶句したり悲鳴を上げたりする様がまた面白いんだけど、松本明子さんだけはノリノリでw、後にテレビ番組で「関東4文字」を絶叫する事件を起こしちゃう、その下地をこしらえたのは間違いなく谷村&ばんばコンビだと思われますw



『オールナイトニッポン』はヤンタンより時間帯が遅いから、定期的に聴いてたのは「エロカマキリ」こと鶴光さんの土曜深夜だけでした。私の歪んだスケベさを育てたのは谷村さんと鶴光さんってワケですw

平日は夜ふかしした時だけ、松山千春さんや中島みゆきさん、そして桑田佳祐さんのオールナイトニッポンを聴いてました。千春さんとみゆきさんは、楽曲のイメージとかけ離れたキャラクターがとにかく面白かったw

私はサザンオールスターズにデビュー時からハマってましたから、桑田さんの回は頻繁に聴いてました。『涙のアベニュー』っていうサザンのシングルが発売された週、桑田さんの回でかかったリクエスト曲が全部『涙のアベニュー』だったのが忘れられませんw



ほか、毎週聴いてたのが土曜夜のラジオ大阪『サタディ・バチョン』と、日曜深夜の同じくラジオ大阪『鶴瓶・新野のぬかるみの世界』です。

『サタディ・バチョン』は映画解説者の浜村淳さんがやってた番組。公開前でも結末まで話しちゃうことで有名なw、浜村さんの新作映画紹介が目当てで聴いてたけど、他のコーナーもけっこうオタクネタが多くて面白かったんですよね。

そして『鶴瓶・新野のぬかるみの世界』! この番組は本当に凄かった!

当時は尖りまくってた笑福亭鶴瓶さんが、放送作家の新野新さんと2人だけでひたすらフリートークする番組なんだけど、しょっちゅうマジ喧嘩するんですよねw それもめっちゃつまんない事で!

例えばビビアン・リーが『ザ・ルーシー・ショー』に出てたか出てなかったか?とか、トイレの水は手で流すか足で流すか?とかw そんな些末な話題が怒鳴り合いの口論に発展し、最後まで喧嘩したまま終わっちゃう回も珍しくなかった!

まあ鶴瓶さんの事だからワザとやってた側面もあるだろうけど、深夜ラジオならでは、それもスポンサーがつかない日曜深夜という、いわば野放しの時間帯ならではの、どう転ぶか本当に分かんない実にスリリングな番組でした。

そんな鶴瓶さんの行き当たりばったりトークが、後に上岡龍太郎さんとのテレビ番組『パペポTV』とか『突然ガバチョ!』『家族に乾杯!』等に繋がっていくワケです。けど、スリリングさにおいて『ぬかるみの世界』を超える番組はもう、少なくともテレビでは出来ないでしょう。

最近、ラジオ番組は車を運転中にFMを聴くぐらいだけど、深夜放送はどんな感じなんでしょう? テレビよりは自由がきいてタレントさんも伸び伸び話せるそうだけど、例えば岡村隆史さんがラジオでの失言でバッシングされたりして、私が聴いてた頃ほど自由にはやれないみたいですね。

良い悪いは別にして、ラジオもテレビもあの頃が一番元気だったと思います。私は大いに救われました。


 

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