2001年末に公開された、ゴジラ「ミレニアムシリーズ」の第3弾で、平成『ガメラ』三部作の金子修介監督が念願叶って怪獣映画の本流『ゴジラ』シリーズのメガホンを執った作品。
先の「VSシリーズ」と違って連続性が無く、1本1本違った世界観を持つ独立した作品であるのが「ミレニアムシリーズ」の特徴で、本作は1954年に一度だけゴジラが出現した世界という設定。つまりオリジナル版『ゴジラ』以外のシリーズは無かった事にされてます。
更に、ゴジラ=原爆の放射能により復活した古代の恐竜という基本設定は踏まえつつ、太平洋戦争による犠牲者たちの残留思念、つまり怨念の集合体なんだというオカルト解釈も加味され、シリーズ屈指の「怖いゴジラ」が描かれてます。(本作のゴジラは白眼を剥いている!)
そして、ゴジラと戦うバラゴン、モスラ、キングギドラは「護国聖獣」、つまり古代ヤマトの守り神という設定。
ちょっと飛躍し過ぎの感あれど、聖獣たちと防衛軍(自衛隊)が力を合わせても簡単には倒せない、ゴジラの圧倒的な強さと恐ろしさこそがミソで、怪獣映画の醍醐味とも言えましょう。
主人公が地方ケーブルTV局のレポーター(新山千春)、つまり一井の市民である点も本作の面白さで、軍人としてゴジラに立ち向かう自衛官の父親(宇崎竜童)と、報道に命を懸ける娘との共闘がまた感動を誘います。
けど、それ以上に魅力的なのは、浮かれて遊ぶ大学生たちや暴走族どもに容赦なく天誅を下す、凶暴極まる怪獣=破壊神たち。ジェイソンやフレディも真っ青の恐ろしさですw
人間どもの愚行に警鐘を鳴らす、その本質を忘れない怪獣映画は、やっぱり面白いです。
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