これまでチョメチョメして来たスコッチ(沖 雅也)やスニーカー(山下真司)と、もうすぐお別れになっちゃうナーコさん(友 直子)。
人殺しの訓練を受けたボクサー犬が、どういう合図で人を襲うのかを探る実験に駆り出され、襲われ役をやらされちゃったナーコさん。非常にレアなコート姿は下に完全防備してるから。
その実験を首謀したのがスコッチとスニーカーで、この時に愛想が尽きたワケですねw
そんなワケで目下、ドック(神田正輝)に鞍替えするかどうか思案中。お調子者の遊び人だけど、あとはオジサンと毛むくじゃらの妻帯者しかいないから選択肢がありません。
それにしても一体、この毛はどうなってるのかしら?と、今さら興味津々のナーコさん。どうなってるも何も、ロッキー(木之元 亮)はこの髭だけでここまで来たんです!
そんなワケで、ナーコさんは変わらずお元気です。
ボス(石原裕次郎)、山さん(露口 茂)、ゴリさん(竜 雷太)、長さん(下川辰平)、スコッチ(沖 雅也)、ドック(神田正輝)、ロッキー(木之元 亮)、スニーカー(山下真司)という、七曲署史上最強メンバーの勢揃いが観られたのは、1981年春まで。
運命の5月、まず沖雅也さんが過労を起因とする(?)交通事故でいったん離脱され、続いて石原裕次郎さんが解離性大動脈瘤により生死をわける大手術→半年に及ぶ入院で、大黒柱まで長期不在という最大の危機が、いよいよ訪れてしまいます。
スコッチをリーダーとする若手カルテットも、これで見納め。‘81年に入ってから既に、スコッチは若手チームよりベテラン勢と一緒に行動する機会が増えてました。
たぶん芳しくなかった沖さんの体調に配慮した制作陣が、アクションよりも謎解きでスコッチを活躍させる方針にシフトチェンジした結果と思われます。
ベテラン勢と並んでる方が画的にもしっくり来ちゃうスコッチ。演じる沖さんは山下真司さんよりも歳下で、実はチーム最年少なんだけどw
前回レビューした#451『ゴリ、勝負一発!』でも我々ファンを痺れさせてくれた、ゴリ&スコッチの最強コンビもこれでほぼ見納め。ドックとの俺天コンビも! 惜しいなぁ寂しいなぁ。
スコッチは6月末にいったん復帰するけど、10月頭にまた離脱。そして年明けに殉職を迎えることになっちゃいます。無念!
しかしこのシーズンは特に力作が多かった! まず、東京上空で浮遊するダイナマイト搭載の風船を藤堂チームが追跡する#448『風船爆弾』。特撮がチャチい!っていう声もあるけど、パニック映画的なアプローチがすこぶる新鮮で私はワクワクしました。
#449『ドック刑事 雪山に舞う』と#450『ドック刑事 雪山に斗う』は志賀高原ロケの前後編。プロ顔負けと言われる神田正輝さんのスキーテクもさることながら、あの山さんがなんと地方ロケに参加した!(大嫌いな飛行機に乗らなくて済むからw)っていうレアさでも忘れ難いエピソードです。
そして前出の#451『ゴリ、勝負一発!』を挟んで、当時高校生だった女性ファンによる投稿シナリオが採用された、#452『山さんがボスを撃つ!?』と#453『俺を撃て!山さん』の前後編。
ボスを恨む犯人が山さんの愛息子を誘拐し、その生命と引き換えに「ボス射殺」を山さんに命じるという衝撃作。ファン(素人)ならではの奇抜な発想で、プロのライター陣はきっとショックを受けただろうと思います。
以降、ほかの刑事ドラマもこぞって真似したけど、山さんがボスを撃っちゃう衝撃は超えられませんでした。そりゃそうでしょう、丸10年かけて描かれて来た2人の絆、その信頼関係があればこその衝撃ですから。
結局、本気で上司を撃ち殺そうとし、本気で部下に殺されようとする2人に圧倒された犯人が復讐を諦めるワケだけど、その直後のやり取りがまた超絶カッコいい!
肩を負傷したボスに「すべて終わったよ」って言われて、私らみたいな凡人なら「ボス、すみません! 仕方なく撃ったんですホントです殺す気は無かったんです!」って、まずは必死に許しを乞うであろうところを、山さんはただ黙って頷くだけ!
で、逆にボスの方が気を遣って「山さん、進退伺いなんて妙なこと言わんでくれよ」って言っても、ただニヤッと笑って「ボス」と一言返すだけ。
で、2人それぞれ自分の車に乗り込んで、別々に帰っていくという素っ気なさw まるで何事も無かったかのように! カッコ良すぎる! 大人か!? ハードボイルドか!?
それもまた、10年かけて絆が描かれて来た、その前提があればこそ成立するシーンだと思います。いくら人質を救う為とはいえ、上司を撃った部下が一言も謝らないなんてw、この2人でなきゃ有り得ない!
ただ1つだけ、このエピソードを観るたび胸が痛むのが、沖雅也さんの尋常ならざる疲弊ぶり。眼の下にクマが出来て表情も虚ろで、心身の不調がもろ顔に出ちゃってる。
ほかのエピソードでも前年みたいな覇気は感じられないけど、このときが絶不調だったに違いありません。
そのスコッチは#457から、そしてボスは#459から欠場となり、この2人のツーショットは二度と見られなくなっちゃいます。
そんな史上最大の危機に居合わせちゃったマスコットガール=ナーコ(友 直子)は、相変わらずスニーカーの隣にいることが多いです。
しかしセミレギュラー陣は皆さんお元気! ボスも山さんもスコッチも昔から迷惑かけっぱなしで頭が上がらない、署長の西山警視(平田昭彦)。これからボス不在により出番が増えていきます。
山さんちのお手伝いさん(今で言うホームヘルパー?)の加代子さん(千野弘美)も元気です。
なかなか活躍させてもらえない、スニーカーの妹=早苗ちゃん(山下幹子)も、ちょこちょこ元気な姿を見せてくれます。ようやくマトモに活躍できたのがスニーカー編の最終回で、あんなことに……
そしてロッキー夫人でドクターXに似てきた令子さん(長谷直美)はなんと、しばらく見ない間にお腹が!
生まれてくる赤ちゃんが毛むくじゃらだったらどうしよう!?って思うと、笑けて昼寝も出来ない令子さんなのでした。
その令子さんが3ヶ月ぶりに登場された#458『おやじの海』が、大手術前の裕次郎さん最後のご出演となりました。
ボスが本当に死んじゃうかも!? そしたら『太陽にほえろ!』は一体どうなるの?って、考えずにいられなかったあのとき、日本じゅうがザワついたあの空気を、私は今でも鮮明に憶えてます。もう40年近く経つんですねえ……
ずいぶんと間が空いちゃいました。言わば本ブログのメインディッシュである『太陽にほえろ!』レビューなのに……いや、だからこそ、取り組むときには気合が要るワケです。
自分の中でマンネリを感じてる側面もあるし、先はまだまだ長いですから、今後もゆっくり、こんなペースでやって行きたいと思ってます。
レビュー記事は基本的に女優さんのセクシーショットを載せる為に書いてるワケだけど、今回は女っ気ゼロで載せようがありません。やる気が湧かなかった最大の原因はそこかも?
だけど『太陽〜』屈指のGUNアクション編の1本ですから、これは外せませんでした。
☆第451話『ゴリ、勝負一発!』
(1981.4.3.OA/脚本=小川 英&四十物光男/監督=木下 亮)
街中で大学生らしき若者がチンピラ3人組に襲われてる!との通報を受けたゴリさん(竜 雷太)とドック(神田正輝)が駆けつけてみると、チンピラ3人が3人共、それぞれ銃弾1発で射殺されてたから驚いた! 犯人は射撃のプロ? 大学生っぽいのに?
目撃証言と一致する若者を発見した両刑事が、新宿駅の地下まで追い詰めるんだけど、そいつが人混みの中で発砲しようとした為、やむなく射殺。
恐らく深夜か早朝に撮影したんでしょうけど、確かに新宿駅の構内で発砲、派手な弾着まで仕掛けてる! 現在じゃモデルガンを振り回すことすら許可されないでしょうから、そりゃ突っ立って謎解きするしか無いワケです。
さて、死んだ犯人は古川保という名の大学生(鈴木弘道)と判明。どうやら東南アジアの射撃場に通い詰めてたらしく、最近そういう場所で射撃の腕を磨く「異常なガンマニア」が増えてるらしい。
…………えっ?
「古川のような異常なガンマニアが、ほかにもいるかも知れないな」
……なんですって?
「よし、異常なガンマニアを片っ端から洗い出せ!」
だっ、誰が異常なガンマニアじゃこりゃあああぁぁぁーーーっ!?
残念ながら、七曲署の刑事たちは私の家まで来ませんでしたが、ある夜、どこで情報が漏れたのか、もう1人の異常なガンマニアがゴリさんの前に現れました。
「古川を撃ったもう1人の刑事は誰だ?」
「お前、古川の仲間か!」
モーゼルM712という、まさにマニアックなマシンピストルを誇示するその若者は、どうやら古川を射殺した刑事2人に復讐しようとしてる。それも正面から堂々と。
つまり「決闘」を望んでるワケだけど、あいにく帰宅途中のゴリさんは拳銃を所持してません。
「間が抜けてるよな、日本の警察は。そんな奴らにやられるなんて、古川もどうかしてるよ」
ガッカリするそいつのスキを見て、ゴリさんは歩道橋から走行中の大型トラックに決死のダイブ! みごと荷台に着地するんだけど、モーゼルで右腕を撃たれてしまいます。
死んだ古川に負けず劣らずの射撃スキルと、公表されてなかった射殺刑事=ゴリさんの身元をみごと突き止めた情報収集力は、只者じゃない。まさに異常なガンマニア!
あのとき、ゴリさんと同時に古川を撃った相棒がドックであることも、ヤツはそのうち突き止めるに違いない! そう考えたゴリさんは、ドックを東南アジアの射撃場へ出張捜査させるよう山さん(露口 茂)に提言します。
そんなワケで、何も知らないまま東南アジアへ飛んだドックに替わり、今度はスコッチ(沖 雅也)がゴリさんの相棒、というよりボディーガードを務めることに。
ゴリさんがどうせ病院を抜け出すだろうと予測したボス(石原裕次郎)が、愛銃COLTトルーパーMk-IIIを手土産にスコッチを送り込んだのでした。
もうホント、痺れますよね。スコッチほど頼りになるボディーガードは他にいない! 極めて正確無比な判断力と射撃スキルと、何より、人を撃ち殺すことを一切ためらわない冷酷さ!w この人さえいれば安倍元総理も死なずに済んだかも!?
取調べにおいても、このコンビに睨まれたら何もかも吐くしかないワケです。
極めて紳士的な2人の捜査により、ドックが向かってる東南アジアの射撃場が「実戦経験者のコーチが何人もいて急激に腕が上がるから」日本の若者に大人気であることが判って来ます。
「おかしな世の中になったもんだ。親のスネかじりが外国のそんな所に入り浸って、拳銃のバケモノになって帰ってくる」
「腕が上がれば当然、拳銃は手放したくなくなる。持てば必ず、撃ちたくなる」
「そういうこった。こっちは暴力団だけでも手を焼いてるってのに、そんなバケモノにウロつかれちゃたまらんな」
その手を焼いてる暴力団の情報筋から、やはり東南アジアへ繰り返し旅行してる若いセールスマン=有田修一(古城和孝)に容疑が絞られ、最強コンビがそいつのアパートに向かいます。
「ゴリ、気をつけろ。右腕が使えないのを忘れるな」
ボスが心配するのも無理ないけど、相手が銃を抜く前にスコッチが撃ち殺すに決まってますから無問題w
「ゴリさん、撃ち合いはオレに任せてもらいます」
「心配すんなって。オレはこういう時のために左手の練習もしてるんだよ」
「それでも利き腕のようにはいかんでしょう」
「だがな、スコッチ」
「オレの腕じゃ敵わないって事ですか?」
「……分かった、お前さんの指示に従うよ」
「けっこう」
ほんと痺れます。ゴリ&スコッチの組み合わせでないと成立しない、なんとカッコいいセリフの応酬!
もうすぐ沖雅也さんが体調不良で戦線離脱しちゃいますから、こういう場面はホントに貴重。もっともっと観たかった!
さて、さすがは異常なガンマニア。部屋にはドアノブと引金をワイヤーで連動させた、ライフル銃のデス・トラップが仕掛けてありました。これも百戦錬磨の2人でなけりゃ避けられなかったでしょう。
そしてライフルの傍らには「石塚刑事 せいぜい拳銃の腕をみがいておけ」と書いた有田の置き手紙が。
「我々が来るのを知っていた……そういう事ですか」
「恐らくそんなこったろう」
「なぜ、そうまでしてゴリさんの命を?」
「銃でオレを殺すのがヤツの生き甲斐なんだよ。射撃のトップを争った古川保をオレが射殺した。そのオレを殺して、自分の腕を誇示したいんだ」
狂気の沙汰ではあるけど、これが男という生きものの本質。その欲求不満を発散させる為にスポーツやゲームが生まれたんでしょう。
しかし、敵の狙いはあくまでゴリさん。決闘に応じることが一番の解決策ってことで、あらためて射撃レンチで左手撃ちを練習するゴリさんだけど、やっぱり右手のようにはいきません。
そこにボスがやって来て、一体どこから調達したのか、有田が使ってるのと同じモーゼルM712 を連射し、みごとターゲットの真ん中に全弾命中させ、ドヤ顔を見せます。
「弾の衝撃力、有効射程距離、共にずば抜けて高い。スピードは音速を超す。ゴリ、左腕じゃヤツに勝てんぞ」
左腕じゃ勝てない。しかし今、右腕は激しい動きに耐えられない。さて、どうする?
考えあぐねた末にゴリさんが選んだのは、ヘンメリーというスイス製の競技用ピストルでした。
銃器装備室の係員が驚きます。
「まさか石塚さん、その手で犯人と撃ち合うんじゃないでしょうね? それに、そいつは1発しか撃てないんですよ?」
そう、ヘンメリーは弾丸1発しか装填できない。その代わり軽量で、恐ろしく正確な命中精度を誇る狙撃銃。ゴリさんは、この1発に勝負を賭けようとしてる。
ガード役のスコッチと2人、あえて堂々と聞き込み捜査に歩き回るゴリさん。自らオトリになって有田を誘い出そうってワケです。さて、有田はどう出るか?
まず聞き込み先を予測した有田は、ゴリさんを待ち伏せてビル5階の窓から狙撃し、みごと左胸に命中させます。
当然、それを予測してたゴリさんも防弾チョッキで対抗! すぐさま起き上がり、スコッチと共にビル内へと駆け込んだ!
ところが有田はそれも予測し、あらかじめ逃走経路を決めてたらしく、みごとに姿を消しちゃいます。
それで仕方なく、ボスに報告するためスコッチが覆面車に戻るのですが……そこに1台の車が突っ込んで来た!
「しまった! スコッチ、逃げろっ!!」
有田の方が一枚上手でした。ヤツの本当の狙いは、優秀すぎるボディーガード=スコッチを排除することにあった!
「スコッチ、大丈夫かっ!?」
「う、動けないだけです」
「救急車呼ぶからな!」
「もう連絡しました」
こんな時でも冷静沈着なスコッチが凄すぎて笑えますw
で、ゴリさんは気づいてしまう。有田が車を停め、決闘の地へと誘ってることに。
「罠ですよ、ヤツの誘いに乗っちゃいけない! ゴリさん!」
スコッチの制止も空しく、ゴリさんはあえて誘いに乗ります。もうすぐドックも帰って来るし、ここで全てを終わらせようと決断したんでしょう。通りがかりの年代物BMWを一般市民から強奪したゴリさんはw、有田の車を追うのでした。
そんな事態になってるとはつゆ知らず、東南アジアから帰国したドックは、愛銃M59を受け取りに寄った銃器装備室で、係員からヘンメリーの話を聞いて仰天します。
「ゴリさんは、オレを庇うために海外へ行かせたんですか? 自分1人で犯人の標的になるために!」
「標的になるためじゃない。危険を最小限に抑えて、犯人を逮捕するためだ」
ボスから真相を聞き、山さんから情報を得たドックは、ゴリさんに加勢すべく決闘場所を推理し、駆けつけます。
そのとき有田は、フルオート射撃が可能なモーゼルM712で、物陰からゴリさんを蜂の巣にしようとしてました。
「有田! あのとき古川を射殺したのはオレだ!」
ドックがそう叫んで有田の気を逸らせたお陰で、ゴリさんは間一髪、命拾いしました。
しかし、有田が得意げにフルオートで撃ちまくるモーゼルに、普通の拳銃じゃとうてい勝ち目はありません。ヤツを倒すには「1発勝負」に持ち込むしかない!
「有田! それがお前の腕か! マシンガンでなきゃオレに勝てないかっ!?」
「言うじゃないか! 右手が使えないようなデカなんて雑魚と同じだからな! あっさり片づける事にしたんだ!」
「いや、右手は使えるぞ! でかい口を叩くなら勝負したらどうだっ!?」
ゴリさんはドックに待機を命じ、右手にヘンメリーを下げて1人、その身を晒します。
有田の目的は復讐じゃない。ただナンバーワン射撃手を倒した刑事を撃ち殺し、自分がナンバーワンと呼ばれたいだけ。なんというアホでしょうw
まんまと挑発に乗った有田は、モーゼルをフルオートからセミオートに切り替え、西部劇よろしく真正面からゴリさんと向き合います。
勝負はまさに一瞬で、あっけなくケリがつきました。
ゴリさんが防弾チョッキを着てるのを知ってる有田は、必ず頭を狙って来る。だからゴリさんはまず、有田が銃を構えると同時に地面に伏せ、モーゼルが1発目を放った反動でわずかに跳ね上がった瞬間、1発必中のヘンメリーで有田の右腕を射抜いたのでした。
ゴリ、勝負1発! 15連発のM59に頼りっきりのドックはもう、シャッポを脱ぐしかありません。
すこぶる残念なのは、モーゼルのフルオート射撃が効果音のみで、映像で見られなかったこと。おそらく電気発火式のプロップゆえ単発でしか撃てなかったんでしょう。
マニアックな視点を抜きにしても、音だけじゃフルオートの迫力が伝わりませんから、場面そのものの緊張感もイマイチになっちゃう。せっかくのマシンピストルなのに勿体なかったです。
それともう1つ、有田に扮した東京キッドブラザース(当時)の若手俳優=古城和孝さんの演技が、すこぶる大根なのも興醒めでした。
ハンサムだし、黙ってる分には雰囲気があって良いんだけど、セリフを喋ると滑舌悪いわ棒読みだわでガクッと来ちゃう。現在はそこまで下手な人をテレビで見かける機会が無いから、逆に新鮮と言えなくもないけど……
それ以外に関しては文句なし! 特に中盤のゴリ&スコッチによる攻防戦はレア度も高く、『太陽〜』屈指の名場面として胸に刻まれてます。
今回のセクシーショットはそれに尽きますw おっぱいだけが人生じゃない!
’80年代アイドル特集の第12弾は、七瀬なつみさん。アイドルのイメージは薄いかも知れないけど、高3のときに週刊ヤングジャンプの『ビーチギャル・コンテスト』でグランプリを獲得されたのがデビューのきっかけだから、スタートはグラビアアイドル。
22歳の頃に映画『桜の樹の下で』(’89) でオールヌード&濡れ場を披露され、今回の『ゴリラ/警視庁捜査第8班』へのゲスト出演はその直後と思われます。
’93年に日テレの『はだかの刑事』で世良公則さんや室井滋さんと一緒にレギュラーの刑事を演じられたほか、『はぐれ刑事純情派』『おみやさん』『相棒』『警視庁捜査一課9係』等々、テレ朝系の刑事ドラマに出演されることが多い印象です。
北海道ロケ編である今回、ロングラン花火大会で知られる洞爺湖が舞台ってことで、地元の花火職人役で石原プロ所属(当時)の御木裕さんもゲスト出演。
『西部警察』シリーズで新人刑事「ジョー」を演じてた頃は信じられないくらい演技が下手だったけどw、『あぶない刑事』のレギュラーを経て今回、いくらか役者らしくなられてます。少なくとも谷川竜くんよりは。
☆第32話『洞爺湖の女』(1989.12.10.OA/脚本=永原秀一/監督=吉田啓一郎)
ストーリーは、今回もあって無いようなもの。ひき逃げ事件を目撃しちゃった七瀬さんが犯人に命を狙われ、恋人の御木さんを頼って札幌へ逃げるも、資産家の息子である犯人は殺し屋を雇って執拗に追跡!
ってことで第8班が札幌へ出張、例によってスポンサー関連の企業を紹介しながらドンパチを繰り広げます。
とりあえず、新入りの美奈子さん(田中美奈子)と眼が合うとすぐ鼻の下を伸ばす倉本班長(渡 哲也)に、伊達(舘ひろし)と風間(神田正輝)が苦笑いw
そんな美奈子さんの温泉入浴シーンが一番の見どころになってます。アイドルゆえ胸の谷間すら見せてくれないのは仕方ないにせよ、せめて脇の下をもうちょい見せるべきだった!
それにしてもこの3人。いつでもどこでもキメキメ、いつでもどこでもサングラス。似合ってるからいいようなものの。
二番目の見せ場は、洞爺湖におけるボートチェイス&銃撃戦。ボート上で倉本班長がM16アサルトライフルをフルオートでぶっ放し、敵の雑魚どもを皆殺しにします。いい時代でした。
しかし今回、クライマックスは銃撃なし! 七瀬さんが自らオトリを買って出て花火大会に殺し屋を誘き出し、第8班が人混みの中でそいつを見つけ出し、素早く、何事も無かったかのように排除するという、大量の打ち上げ花火をバックにした静かなる闘い。
たしか前年放映の『もっとあぶない刑事』でも、刑事たちが図書館内でいっさい物音を立てずに凶悪犯を逮捕する、異色の回がありました。ドンパチはもちろん好きだけど、たまにこういう渋い演出があるとまたシビれます。好きだな、ハズキルーペ。
そして最後はGメン歩き。『西部警察』じゃ定番だったけど『ゴリラ』はこれが初めて? こんなキメキメの集団が歩いて来たらおっかないし、そもそも公道で横並びは危険でハタ迷惑です。きゃっ!
というワケで七瀬なつみさんのセクシーグラビア。素晴らしい!
さて、そろそろ本流に戻ろうと思います。’80年代アイドル特集の第11弾、田中美奈子さんです。
『ゴリラ/警視庁捜査第8班』は1989年4月から'90年4月まで、テレビ朝日系列の日曜夜8時枠で全46話が放送された、石原プロモーション制作による刑事アクションドラマ。
『西部警察』の夢よ再び!とばかり、より壮大に、より豪華にド派手にと、鳴り物入りでスタートしたものの視聴率は奮わず、再三テコ入れを繰り返し、作風が大きく変わっちゃった顛末は以前くわしく書いた通り。
あの時代、ハリウッドのアクション映画がどんどん派手になり、レンタルビデオの普及もあって我々視聴者がそれに慣らされてしまい、派手なドンパチを喜ばないどころか食傷傾向にあったのが、たぶん不発の主たる原因。
あと、ヒロイン役の加納みゆきさんや新米刑事役の谷川竜くんの明らかなミスキャストに、故・石原裕次郎さんの不在なんかも痛かったけど、何より他局の大ヒット作『あぶない刑事』の作風を臆面なくコピーした、商売っ気まるだしの制作姿勢が作品の品格、そして石原プロの品位まで落としちゃったのも大きな原因だろうと私は思ってます。
本作に限らず、あの頃のアクションドラマにはどれも空虚さを感じてました。まず警察をヒーローとして描くこと自体が嘘っぽくなって来た時代背景と、真面目にやるのはダサいみたいな時代の空気があり、だったら思いっきり嘘ついてフザケちゃえ!って開き直った『あぶない刑事』が奇跡的に大ヒット。みんなそれが正解なんだと思い込んじゃった。
けど、違うんですよね。あぶデカの成功は、その存在自体が現実離れしてる舘ひろし&柴田恭兵の組み合わせがあってこそ。唯一無二なんです。これも繰り返し書いて来ました。
ましてや、渡哲也さんにあぶデカ流の軽薄&シャレオツな作風が似合うワケない! そんな根本的な部分から間違えてるから、いくらテコ入れしたってそりゃどーにもならない。今となっては、そんな迷走ぶりこそが見どころになってるけど。
というワケで、殺人許可証を持つ警視庁の極秘傭兵チーム「ゴリラ」こと捜査第8班を率いるのは、元は警視庁捜査一課の敏腕刑事だった、倉本班長(渡 哲也)。
そして『あぶない刑事』の2人と比べさえしなけりゃ決して悪くない、伊達刑事(舘ひろし)と風間刑事(神田正輝)のワイルドコンビ。
おまけに、キャラが……というよりポジションがもろ被りだった本庁の中田刑事(仲村トオル)がフェードアウトしてもなお、相変わらず影が薄くて面白味もない新米刑事=谷川竜太郎(谷川 竜)を加えた4人がゴリラの面子。
プラス、主に経理を担当する留守番かつコメディーリリーフの塩田管理官(谷啓)。
あとは第8班に極秘指令を下す刑事部長の麻生(鈴木瑞穂)と、毎回OPタイトルには登場するのに本編で見た記憶がないヘリパイロットの冬木(秋山武史)なんて人も、一応レギュラーメンバーって事になってました。
☆第31話『瞳キラキラ! 美人刑事登場 』
(1989.12.3.OA/脚本=峯尾基三/監督=辻理)
で、FBI研修という名目で退場した高峰刑事(加納みゆき)の後釜として今回登場するのが、田中美奈子さん扮する元交通課婦警の、田中美奈子。
新人俳優の名前をそのまま役名にしたり、あるいは役名をそのまま芸名にしたりするのって、昭和の頃は普通にあったけど最近は聞かないですね。今は本名でデビューする人が多いのかな?
とりあえず、パンティーラインがうっすら浮かぶタイトスカートで掴みはバッチリ、OKベイビー。
ハズキルーペ、好きだな。きゃっ!
ストーリーはあって無いようなもんだから、特に書くことが無いんですよねw
だって、第8班の存在は国家レベルのトップシークレットなのに、美奈子さんは「高峰センパイから話は聞いてました!」とか言って自らゴリラ入りを志願して来ちゃう。もうとっくに世界観が崩壊してますよねw ハズキルーペ、大好き!
いちおう筋立てとしては、美奈子さんが駐車違反者から銃砲店襲撃の情報を聞き出して来るんだけど、伊達と風間は本気にしない。ところが実際に銃砲店が襲われライフルが強奪されたもんで、美奈子と一緒に捜査することに。
で、犯人グループは盗んだライフルで銀行強盗をやらかし、駆けつけた伊達&風間と銃撃戦を展開!
そこで通行人を守ろうとした美奈子さんが犯人グループに捕まっちゃう。主犯を演じるゲストは『ゴリラ』より『ベイシティ刑事』に出て世良公則さんと共演して欲しかった、元ツイストのふとがね金太さん。すごい芸名だな。ハズキルーペ、きゃっ!
もちろん、最後はヘリで駆けつけた倉本班長がライフルで金太を仕留め、一件落着。『西部警察』のパターンと1ミリたりとも変わってませんw 好きだな、ハズキルーペ。きゃっ!
ちなみに伊達刑事の愛用拳銃はS&WとCOLTのハイブリットリボルバー、スマイソン(もしくはスモルト)。風間刑事はオートマチックのベレッタM92SBを使用 。それぞれコクサイとスズキのABSモデルガンがベースで、他の刑事ドラマじゃたぶん使われてない機種です。
渡さんに関して『西部警察』とちょっとだけ違うのは、使用拳銃がオートマチック(COLTガバメント)になってるのと、綺麗なお姉ちゃんを前に鼻の下がえらく伸びてることw
それもそのはず、田中美奈子さんの起用はなんと、渡さんがたまたまテレビの歌番組で彼女を見かけ「好きだな。きゃっ!」って思われたのがキッカケ。劇中でも、倉本班長が是非にと美奈子さんを(大して活躍もしてないのに)第8班に引き抜く展開になっちゃってます。殺人許可証を持つ、警視庁のエリート中のエリートである、この極秘チームに!
平和ボケの極みですよね。誤って自分で壊した場合でも、1年間は1回に限り新品と交換いたします。(キズは対象外)
ハズキルーペ、凄い。きゃっ!
田中美奈子さんは当時22歳。ミス・マガジンの準グランプリで注目され、歌手として「学園祭の女王」の異名を取るも、東映Vシネマ第1弾『クライムハンター』でヒロインを演じた辺りから女優業へとシフト。
TVドラマのレギュラー出演はこれが初かと思いますが、お世辞にも演技が上手いとは言えず、よもや現在まで息長く活躍する女優さんになられるとは!
舘さんはケツにハズキルーペで「きゃっ!」だし、先のことはホント分かんないもんです。