月1回の千年紀記念講座も最終回となりました。
今回は、
宇治十帖に出てくる横川の僧都のモデルとされる
源信(げんしん)についても学びました。
宇治十帖に出てくる横川の僧都のモデルとされる
源信(げんしん)についても学びました。
いわゆる尊いとされる往生要集を書いた源信の評判よりも、
横川の僧都ははるかに人間くさくておっちょこちょいな所があるといわれたので
ちょっと面白いからご紹介します。
横川の僧都ははるかに人間くさくておっちょこちょいな所があるといわれたので
ちょっと面白いからご紹介します。
源信は紫式部と同時代に生きた人で、
その住んでいた場所も源氏物語の横川の僧都と同じ設定になっています。
その住んでいた場所も源氏物語の横川の僧都と同じ設定になっています。
横川の僧都は、宇治十帖で意識のなかった浮舟を助けています。
弟子達に、尊い僧が倒れている女性を助けるなどみっともないというなか、
祈祷をして物の怪を追い払い、
正気になった浮舟を妹尼の所につれて行き、お世話をさせます。
妹尼は亡くなった娘の身代わりと思い、心を尽くします。
祈祷をして物の怪を追い払い、
正気になった浮舟を妹尼の所につれて行き、お世話をさせます。
妹尼は亡くなった娘の身代わりと思い、心を尽くします。
僧都の年齢が60あまりと、宇治十帖にも書いてあり、
そこから源氏物語の書かれた時代を推測できるそうです。
そこから源氏物語の書かれた時代を推測できるそうです。
一般論では、源信は非常に尊い僧。
幼い頃から賢く、
15歳にして天皇に法華を講じた素晴らしい僧だそうですが、
源氏物語の横川の僧都は、その印象とかなり違って、
滑稽なほど非常に人間くささを感じさせます。
幼い頃から賢く、
15歳にして天皇に法華を講じた素晴らしい僧だそうですが、
源氏物語の横川の僧都は、その印象とかなり違って、
滑稽なほど非常に人間くささを感じさせます。
横川の僧都は、倒れていた美しい浮舟を助け、
その後、浮舟の願い通り出家までさせます。
その後、浮舟の願い通り出家までさせます。
そして明石中宮の姫の病気を治した時に、
不思議な人を助けたと、浮舟のことを中宮に話し、
そのことから薫が浮舟が生きていた事を知る展開となります。
不思議な人を助けたと、浮舟のことを中宮に話し、
そのことから薫が浮舟が生きていた事を知る展開となります。
薫が横川の僧都に会うと、急に薫にひれ伏し、
美しい浮舟を還俗させようという気になる
僧としてはちょっと?な人になっています。
美しい浮舟を還俗させようという気になる
僧としてはちょっと?な人になっています。
美しい人が好きなのか、浮舟を助けて出家もさせたのに、
薫の言葉にすぐに還俗もすすめるという
かなりおっちょこちょいな人にみえます。
薫の言葉にすぐに還俗もすすめるという
かなりおっちょこちょいな人にみえます。
しかし、誰も治せないからと宮中に呼ばれ
女一の宮の病気をなおしたのですから、やはり立派な僧。
女一の宮の病気をなおしたのですから、やはり立派な僧。
同時代に生きていたのなら、式部は本人を知っていたのでしょうか?
こんな風に滑稽に横川僧都を描く事で、
紫式部はおそらく当時の浄土宗の比叡山派ではなく、
東大寺の奈良仏教を尊敬していたのではないかとも言われていました。
当時の比叡山の仏法観に冷めていたと。
紫式部はおそらく当時の浄土宗の比叡山派ではなく、
東大寺の奈良仏教を尊敬していたのではないかとも言われていました。
当時の比叡山の仏法観に冷めていたと。
残念ながら、私は仏教の事はよくわかりません~(^^ゞ
さて、源信のお母さんも立派な人という伝説ですが、
こちらの横川僧都の年老いたお母さんは、
すざましい描写で滑稽さも感じさせます。
こちらの横川僧都の年老いたお母さんは、
すざましい描写で滑稽さも感じさせます。
いびきがすごいとか、
夜中にいたちのような格好で突然起きて、
側の浮舟が食われるかと恐ろしく思ったとか、
こういうすざましい描写は、
式部は生き生きとして結構上手なように思います~
夜中にいたちのような格好で突然起きて、
側の浮舟が食われるかと恐ろしく思ったとか、
こういうすざましい描写は、
式部は生き生きとして結構上手なように思います~
横川の僧都一家の様子も、そう思えばなかなか面白いですし、
そういう説の発見を教えてもらうのも、源氏物語の楽しみかもしれません♪
そういう説の発見を教えてもらうのも、源氏物語の楽しみかもしれません♪