源氏物語と共に

源氏物語関連

紫陽花

2009-06-03 11:22:38 | 

イメージ 1


6月となりました。
紫陽花が色づきはじめ、雨にぬれて風情があります。


源氏物語にはこの紫陽花は出てきません。
山がつの花として、宇治十帖あたりに出てきても良さそうなのに~


調べてみました。以下、「古典文学誌知っ得」より。



夏 ユキノシタ科アジサイ属 (←日陰の植物ですね)

白氏文集
「紫陽花」
  何年植向壇上。早晩移栽到梵家。
  雖在人間人不識。与君名作紫陽花。

と、紫陽花の命名の由来が載っている。
(ちょっと私には意味がわかりません^^;)

日本でも「和名抄」に
紫陽花 白氏文集律詩云、紫陽花(小文字で表記→)阿豆佐為


万葉集では2首
大伴家持
「言とはぬ 木すらあぢさゐ 諸弟(もろと)らが
        練りのむらとに あざむかえけり」

(もの言わぬ木でさえ紫陽花のように移りやすいものがある、
または色がわりする)

橘諸兄
 「あぢさゐの 八重咲くごとく やつ代にを
        いませ我が背子見つつ思はむ 」

平安時代
「古今六帖」 草・あぢさゐ
「あかねさす昼はうちたし あぢさゐの花のよひらに 逢ひ見てしかな」





昔から紫陽花はあるという事ですが、万葉集の時代は
山アジサイでしょうか。


紫式部の都ではあまり見かけなかったのかもしれません。
いよいよ五月雨も近く、雨の夜の品さだめの季節となりそうです。


ちなみに、ちょうど今頃に白い花が咲く卯の花の頃も長雨とあります。
「いとどしく賎の庵のいぶせきに卯の花くたし五月雨ぞ降る」千載集






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする