源氏物語と共に

源氏物語関連

源氏・ゲンジ・genji ー源氏物語の翻訳と変奏ー

2008-12-22 09:26:38 | その他

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同志社大学の国際シンポジウムに参加してきました。


同志社大学は昔から憧れでしたが、建物の中に入ったのははじめて。


TVでしていた綺麗な学食でご飯を食べて、このシンポジウムに参加をしてきました。


源氏講座はだいたいが女性ばかりなのに、今回は男性がかなり多いと感じました。


大学院文学研究科の発表でしたが、一般人もOKでした。
熟年のおじ様やおば様に混じって若い学生さん達も見かけました。


トップバッターは源氏専門という岩坪健教授。
ー消えた・消された・作られた巻ー


桜人・輝く日の宮・雲隠・巣もりなど
今は伝わらないが、過去の注釈書によってその名前を知る事ができる巻や人物がある事、
また山路の露などの後世に創作された巻の存在がある事、
室町時代には仏教としての源氏研究がすすんだ事など、
独特の語り口でお話をされて、すっかり源氏ワールドにひきこまれました~
失礼ながら、何だかお公家さんのような雰囲気の先生でしたね。


次は近代の真銅正宏教授。
ー現代語訳で源氏物語を読むという事はどういう事かー
こちらもとても面白かったです♪


お2人がその研究の立場から、源氏物語に対する価値感の違いを
お互いに認められている事に感じいりました。


つまり、源氏には本当の原文がわからないから
論争できないのでは?という近代学者の目。


源氏は人生のバイブルですという源氏研究学者の目。


その違いが面白いですね~


源氏物語の同じ箇所を、近代学者として
現代作家それぞれの訳で比較された事は、その訳の違いがわかってとても面白かったです。


谷崎源氏にいたっては、主語のない原文解釈論争云々よりも、
その文章を谷崎文として、流れを重視していたエピソードなども紹介されていました。


また中国語訳をめぐっての研究発表や、作家ヴァージニア・ウルフと式部の比較、
哲学的な立場からの解釈(英語の発表だったので理解できず)、
あさき夢みし考ー宝塚のあさき夢みしとマンガー
なども、面白かったです♪


それと合間に朗読劇もありました。
衣装についてちょっと疑問に思った明石の上の色(紅系)ですが、
皆さんお上手でした。松栄堂の薫香も良い香りで良かったです。
寂聴さんの語り口で、紫の上が死ぬ場面では涙が出ました~


さて、本当に様々な解釈で論じられる源氏物語は
1000年経ってもすごいなあと思います。


私も一時、実物がないから机上の空論ではないかと
源氏物語を挫折した事がありましたが、
再び源氏物語を学ぶ機会を与えられた事に感謝しています。


これからもこの奥深い源氏物語を
次元の低い解釈ながらも、自分なりに楽しく学べたらと思っています。


さて、大塚ひかりさんが、ちくま文庫から源氏物語訳を出されました。
http://www.chikumashobo.co.jp/special/genji/
帝をミカドと書かれたそうで、
また機会があれば現代の解釈として、そちらもいつか読んでみたいと思います。


そして林真理子さんも和楽に連載中。
これからも様々な訳が出るでしょう。


しかし何といっても、原文が素晴らしいのではないかと思います。
とはいえ、本当の理解は難しいですから、自分なりに楽しみたいと思っています♪


年末になりました~
皆様お体に気をつけて、どうぞ良いお年をお迎えください。


コメント
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