ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

『本と鍵の季節』

2019-05-30 21:15:19 | 
『本と鍵の季節』 米澤穂信 集英社
 堀川次郎は高校二年の図書委員。利用者のほとんどいない放課後の図書室で、同じく図書委員の松倉詩門と当番を務めている。背が高く顔もいい松倉は目立つ存在で、快活でよく笑う一方、ほどよく皮肉屋ないいやつだ。そんなある日、図書委員を引退した先輩女子が訪ねてきた。亡くなった祖父が遺した開かずの金庫、その鍵の番号を探り当ててほしいというのだが…。図書室に持ち込まれる謎に、男子高校生ふたりが挑む全六編。
 おもしろかった。骨太な感じがいい。本好きならば、「あのことだよね?」とクスリとするところも。
 中ほどで、松倉君のブラックな面が垣間見え、ちょっとゾゾッと背筋が寒くなる。そして、一気にラストへ。ラストはほろ苦いけれども、先をそれぞれ考えることができるのがよい。私は、明るい未来を考えた。

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