雨の中、自転車を走らす。平野川を渡る時、ふと、川の両岸を眺めると、今が盛りか菜の花が雨をものともせず咲き乱れていた。最近は、あまり見かけなかったが、こうして咲いているのを見ると、まだまだ健在である。この雨の中、モンシロチョウが一匹、菜の花の周りを飛んでいた。少し、遠くに目をやると、雨に煙りながら、桜の花が霞んで見えて来た。帰路、大和路線の線路下に、沢山のすぎなが生えていた。ふと、国民小学校の国語の一節が頭に浮かぶ。 つくしだれのこ すぎなのこ そとはそよそよ はるのかぜ 遙か六十うん年昔のことである。
杭全公園の桜も、花びらのジュータンにはならないが、うっすらとピンク色に地面を染めていた。もくれんの花も雨に打たれて、大きな花びらを落としていた。無常の雨である。
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