世の中の二乗>75の二乗

話せば長くなる話をする。知っても特にならない話をする。

市民一日目

2006年12月15日 23時25分05秒 | Weblog
見てきました。
ソウル市民。
平田オリザの新作、昭和望郷編です。
明日は初代ソウル市民、二代目ソウル市民1919を見ます。

面白かった。
S高原からより好きかも。

とにかく人間がおもしろい。
特別な人間なんて一人も出てこないのに面白い。
精神を病んでいる長男の人、
アメリカ風を噴き散らかす長女の婚約者、
なんにも不安も疑問も感じてない三女のお嬢様ゆえの傲慢さ。
すごくおもしろい。
昭和望郷編から見たことがよかったのか悪かったのはわかんないけど、
あやういのにのんびりしている空気感がすごくおもしろかった。
意外に変な人たちがいっぱい出てきた。
明日からの2作も楽しみだ。

人から

2006年12月14日 22時04分18秒 | Weblog
髪を切ったと報告されることほど困ることはないが、
私も髪を切った。
私は人を困らせないように、明日会社に行ってもなにも言わない決心がある。
髪を切る前、立ち寄ったタイ料理がおいしかった。
でも汁なし麺を頼んだのに来た麺はどっぷり汁に浸かっていた。

皆川博子「死の泉」を読み直している。
入り組んだ物語なのに、一文一文は簡潔で圧倒的な言葉の力を感じる。
おもしろいおもしろい。
仕事をしていても一場面がふっと浮かんでは消える。
前読んだ時が19か20で、そのころの記憶も一緒になって出てきては消える。
その瞬間、ちょっと真顔になる。

柴田先生ありがとう

2006年12月10日 21時29分22秒 | Weblog
もともとは演劇雑誌に柴田先生が劇評を書いていたので興味を持った。
柴田先生とは、エドワード・ゴーリーやグレン・バクスターなどの作品を翻訳している人だ。先生が翻訳してくれなければ、私はゴーリーもバクスターも知らない空虚な人生を送っていたことになる。
その先生が劇評?
しかも題名が「ネギでたたきあう」。
興味を持たないわけがなかった。
よくわからなすぎるその場に耐え切れず客が笑ってしまうのを売りにしている劇団だという。最後に役者全員がネギでたたきあうのがオチの劇団だという。劇評読んでわかったのはこの2つだけ。
柴田先生、アンタなんでそんなの見にいったんスか。
かくして私は知ってしまった。
鉄割アルバトロスケット、その名を。ジャジャーン。

公民館より汚く、旅館の宴会場(カラオケ用のステージがある)に近い。間違っても劇場、ではない畳敷き20畳ほどのその場所が会場。
ほこりを吸いまくった赤い幕。クリスマスにツリーに巻きつけるチカチカ光る電球。手書きの万国旗。「物が飛んでくるかもしれません気をつけて」みたいな注意書き。蛍光灯。ステージ上の金の特大王将。なぜか渡される煎餅。
安い。目に見えるもの全てが安い。
ああ、前のお客さんビール飲んでるわ。てか、隣の隣も缶ビール持ってる。
煎餅かじりながら開演を待つ。
町内会の年末抽選会でおなじみ、一等とかそれに近い賞が出たときにガランガラン鳴らすあの鐘。が、後ろのスタッフの手で鳴らされてそれがなに?いわゆる一ベル??ガランガランやかましく、でもおもしろいなと感心した。

すっげぇ。
おもしろ。
わけわかんない。
しかもきわどいネタがいっぱい。
きわどいもなにもまんまじゃん。
だはだは笑ってやったよ。

でもさ、つつくわけじゃないけどさ、やつら、インテリだぜ。
ただのバカではじゃない。

そして早くもお別れの時間がやってきてしまいました。
ステージではまだまだネタやってるのになんか客席がガサガサしてうるさいなと思ったら、みんなどこに仕込んでいたのか、新聞紙を広げだした。そしてそれで体育座りしてる自分の体を覆い始めた。
あ、なんか飛んでくるんだ、と直感しました。
常連の方はそれを知っていて前もってガードしていたわけですね。
それから、
あれですよ、
夢にまで見た(それはウソ)、
まさか今日見れると思わなかった、
役者全員による、
ネギでのたたきあい!!
私はあんなにたくさんのネギが人をたたいて、折れたり、散らばったり、踏みつけられたり、あまつさえ飛んできたりしているのを見たことなかったので、
このこの壮絶な光景にただただ手をたたいて大爆笑でした。
本当に柴田先生ありがとう。
そして柴田先生よ、アンタ結構策士だね。
ネギでたたきあうなんておいしいことばっかり書いて、肝心なことには全然触れなかったね。
アンタ、ネギを、それも物凄く大量のネギをたたいて、折って踏みつけてみ?
すっごい目ぇ痛くなるからね!
お客さん何にもしてないのに、ステージ上で散乱したネギの刺激成分が会場内を覆い尽くし、みんなイタイイタイと言いながら涙目で帰っていったからね。
そうだよ、こんなのよっぽどだよ!
おもしれぇ。
鉄割、いいわぁ。


あたりですー

2006年12月09日 20時32分52秒 | Weblog
アタリの芝居をみた。
といってもこれなら間違いないだろうとある程度踏んでいたのでアタリというのが適切なのかはわからない。
ポツドール「恋の渦」。
大当たり。抜群に面白かった。
こないだの「夢の城」が初見だっただけに、今回のは見やすかったってのもある。
基本、人間賛美の話だってわかったので安心して見れたってのもある。
どろどろぐちゃぐちゃの先を見せてもらえたのでよかった。
日本版ビバリーヒルズ青春白書。
みんな愚か者ばっかり。みんな真剣。笑える。
見てるとき、笑ってる時は何にも考えずにただ面白いから笑うんだけど、
あとから、たとえば芝居見終わって電車乗って帰ってる間とか、
友達だって思ってる人にも心の中では何思われてるか、陰でなに言われてるかわかったもんじゃねーよな、とかふと思えてくる。自分がどんだけ頑張っても頑張ってもそれは一笑されるだけなんだな、かといってカッコつけて見せててもそれはそれでカッコ悪いし何にもならんし。前にも行けず後ろにも引けない。だんだん窮屈な考え方をしだす。
でもそっからが不思議なとこで、ある程度までもんもん考えていくと、急に開き直ってくる。でもまあそういうのもしょうがねーよな、できればよく見られたいけど、どうしたって笑われたり蔑まれたりウザがられるわな、当然だわな、と最終的にはスッキリした心地におさまる。私はそういう風に受け止めました。
ホント私の大嫌いな人種の集まりだったけど、涙も切なさも感動も救いもないけど、いい気分になった。
誰にも共感できないし、どいつにも同情すらしたくないけど、わかるとか、受け止める、とかそんなレベルの話じゃないし、やさしさとか誰も求めてないし、そういうのが面白かった。

日頃の日々にお疲れ飲み会

2006年12月09日 00時16分07秒 | Weblog
何をえらそうに、と言われてもそういう飲み会なのでしょうがない。
終業を今か今かと待ち構えてやっと週末ですおつかれさまー。
職場のお仲間と街にくりだす。
つつましいけどおいしい食事と浴びるほどの酒でとてもいい気分です。

店の本棚にある本で、ベトナム料理が紹介されているのがあった。
スープ系が充実している。やっぱりいつかいこうベトナム。
あと、村上春樹の小説に出てくる食べ物のレシピ本があった。
予想通り、サンドイッチとパスタが多い。

まったりしていい時間にきちんと帰る。
こういうのもいいと思う。
家まで40分くらい歩いて帰った。

稽古を見に行く

2006年12月08日 00時54分22秒 | Weblog
こないだの五反田団の打ち上げの時に知り合った上松さんの稽古場にいく。
そのときが初対面だったけどちょっと複雑な感じの知り合いで、
まず、ポツのワークショップで知り合った太田さんが演ブゼミの前田クラスの人で、太田さんはいろんな劇団の制作をしてて、その一つが今回の劇団。
んで、演出家の上松さんは同じく前田クラスの出身で、前田クラスではノーバディーをやってるから、あなた、何人目に死にました?と話を持っていきやすかったってのもあって、稽古場にお邪魔したのだ。簡潔な説明。
場所は意外にも前に金子さんの稽古で行ったことのあるとこだった。
稽古場に行く道にあるトマトラーメンの看板で前来たことあるのを思い出した。気になるトマト。
女の人が多く、女の人らしい女の人たちの話だった。
しっかしみんな年齢不詳だったなぁ。
演出の上松さんってのが関西の人らしく、標準語の合間合間にどーしよーもなく関西弁がほとばしってしまうらしく、聞いていて面白い。

稽古場だ稽古場だと、これだけで満足は決してしないのだが、いやむしろ加わりたいとぐらぐら煮えたぎってくるのだが、でも他の人のやっている稽古場にでも行かなきゃ、今後の出番のない自分の気持ちが全然落ち着かない。
今はただただじっとしている。すごくいらつくが、耐えている。何に耐えているのか、なんで耐えているのかわかんないけど、そういう気がするからそうしている。
これはこっちに来たからでも、所属しているものがないからでもない。
この種のいらつきは前からあったし、おそらくこの先も続くのだ。
しょうがないものなんだ。でも、押しつぶされはしない。押しつぶされんかぎりは大丈夫。こういう持久戦にはけっこう強い。

帰りの電車でクドカンそっくりを発見。いや、本人?いや、多分そっくり。いや?
結局わからず。でも多分そっくりだな。本物が吉祥寺で降りるか?いやぁ~。

寒くて鼻が赤くなる

2006年12月05日 22時07分09秒 | Weblog
ざっくり疲れて帰ってきた。
まだはんぱで気候のせいかなかなか大きくならないラディッシュを抜いて、うどんと一緒に食べる。
カイワレと変わらぬひょろひょろ感。でもまあ食べれる。
このままあの赤いラディッシュの形にならなくてもおいしくいただけることを認識。
間引くついでに薬味としてついばんでやろう。

幸せは靴下の裏に

2006年12月03日 20時05分37秒 | Weblog
和光大学にいく。
なんでだっつう話なのだが、野津ちゃんの芝居を見に行ったのだ。
野津ちゃんはじめ、松島さんも前田さんも和光で、全然関係ない私だけど、なんかこの大学にはえにしを感じていたりいなかったり。
んで。
遠い。遠いよ。
和光大自体は多摩川の向こう、町田の近くにあるのだが、路線の関係上、三鷹からでは一旦新宿に出て、それから小田急でいくのが一番安いルートなのでそうした。
そしたら思ってた以上に遠い道のりだった。一時間くらいかかった。
最寄り駅に着いたら着いたで、道を外れて山登っちゃったし、こりゃ大変だ、と思っていたらひょっこり大学あらわれた。
一見普通の大学なんだけどなんか見たことないほど政治政治している壁紙が多い。
聞いたことないサークル名がある。
今年もやります、ボディビルサークルかぁ。
ウチの大学がそういうの皆無の学校だから、どのくらいが「ほどほど」なのかいまいちピンとこないけど。対極の極と極しか見てないからな。
まあ、休みの日なんで全然人なんかおらず、です。
人のいない大学なんてねぇ。見てもねぇ。壁紙写メするくらいですよ、やることったら。

野津ちゃんの出てる芝居は、野津ちゃんが振付けたというダンスが面白かった。
そういや稽古場でも暇があればなんか踊ってたもんな。
何人かで踊るんだけど、野津ちゃんひっとりずば抜けて上手くてそれがさらに面白かった。
あと、野津ちゃん独特の鼻から抜ける声、なおかつ大声になるとビブラートがかる声は同世代の子と比べると一層異様な感じがしてひきつけられるものがある。
閉演後、なに話したかなぁ。あんま覚えてないや。
それからまた電車乗って帰って、途中でミスドで100円ドーナツ買った。

行きの小田急線のなかで、
隣に座った親子連れがいて、男の子が靴脱いで窓の外を見ていた。
そのときの男の子の履いてた白い靴下の足の裏部分に、多分幼稚園かなんかで他の子のとわかんなくならないようにマジックで「きく おがわたくみ」と書いてあった。
菊組なんだろうね。
なんてことないのだけど、実際その親子がどう思ってるなんてわかんないけど、多分どうも思ってないだろうけど、幸せは靴下の裏にあるなぁと思った。