浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

拉致問題

2018-07-20 14:17:50 | その他
 今日、拉致問題に関するコメントが送られてきた。このブログでも、拉致問題については何度か書いているが、もう一度書いておきたい。

 北朝鮮による拉致は明らかであり、今は亡き金正日がそれを認めたことは周知の事実である。そして運良く帰国できた拉致被害者以外にも拉致された疑いのある者が他にもいることもまた明らかである。

 拉致、これは悪であり、犯罪である。北朝鮮が国家としてそうした行為を行ったことを、厳しく断罪することは言うまでもないことだ。しかし国家間の関係は、こうした犯罪的な行為であっても、そう簡単に解決されない。

 それは日米関係でも、同様である。だいたいにして、アメリカという国家はほとんど謝罪しない。戦時下の日系人の強制的な抑留についても、当時であっても不当であり、同時に犯罪的な行為であったが、アメリカ政府が謝罪したのは、1988年レーガン大統領の時代であった。

 収容された日系人等が、謝罪と補償を求め続けた結果の謝罪であった。

 さて、北朝鮮に拉致され北朝鮮にいる日本人は、拉致の不当性、犯罪性を糾弾し、謝罪させる運動をすることは、不可能である。ならばどうするか、日本政府が交渉で解決を図るしかない。国家は、その国民を保護する義務がある。

 安倍晋三は、この拉致問題を利用してきた。安倍晋三は自分だけが解決を図ることが出来るかのような幻想を振りまいてきた。だが実際には、利用はしても、真剣に拉致問題を解決しようとしたことはない。蓮池透氏が指摘する通りである。

 拉致被害者を救出するにはどうしたらよいか。安倍政権のように圧力一辺倒で解決するのか、といえば、それはあり得ない。

 日本による植民地支配に対する何らかの賠償と絡めて、北朝鮮当局と交渉を続ける、そして植民地支配の歴史にピリオドを打ち、日朝間で懸案となっている日本人遺骨の問題、戦後の帰還事業で朝鮮人と結婚して北朝鮮に渡った女性たちの一時帰国など、そうした問題を含めて解決を図っていく。粘り強い平和的な交渉しか、解決の道はないのである。

 北朝鮮との国交をつくりだし、東アジアの緊張関係を緩和させる中でしか、拉致問題は解決しないだろう。安倍政権では、おそらくそれは無理だろう。安倍政権にはそういう能力あるスタッフがいないからだ。安倍政権に寄り集まる者どもは、私利私欲を優先させる者ばかりである。

 拉致被害者の家族は高齢となっている。アメリカと北朝鮮との関係が好転を示し始めている今こそ、交渉を始めるべきである。今それをしないということは、安倍政権には拉致問題を解決する意思が欠如しているということだ。

 粘り強い平和的な交渉、これのみが拉致問題を解決する道である。おそらく、北朝鮮は植民地支配の補償を要求してくるだろう、補償すればいいじゃないか、それで拉致被害者が帰国できるなら。

 要するに、解決しようという意思があるかないかである。意思があれば、道は開けてくるはずだ。

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