hakuunの未来ノート

将来のため、人生やビジネスに関して、考えたこと、感じたことを綴ります。

「北の国から」に学ぶ傾聴技法

2012-08-24 | コミュニケーション
田中邦衛主演の「北の国から」を題材にして、傾聴の技法について考える。

最初は、産業カウンセラー養成講座のテキスト(社団法人:日本産業カウンセラー協会)から、必要な情報を抜出し、引用する。


a)意味への応答

「意味」とは人生の意味づけ、つまり本人が生きる上で大切にしている価値観、信条などである。意味は、名誉、出世、仕事、家族、ライフスタイルなど一人ひとり違う。「意味への応答」は、クライエントの発言から意味をとらえて、クライエントの経験(ある出来事の結果クライエントに生じる思考、感情、行動)とのつながりを明確化し、フィードバックすることである。

例「あなたには、自分の能力への自信があり、仕事は誰にも負けないという自負があるのですね。(意味)だから、会社から『戦力外だ』などといわれて、すごく頭にきたのですね。(経験)」

意味への応答により、クライエントはカウンセラーが自分を的確に理解してくれることを確認でき、さらに自己理解も進む。
意味への応答を行う留意点として、カウンセラーの推察がクライエントの真意とは異なることもあるので慎重に行う必要がある。また、伝え方によっては抵抗を招く。断定的な言い方にならないように気をつけ、誠実に伝える。
意味への応答は、要約とは違う。けっして冗長にならないように、簡潔に、わかりやすく伝える。

意味は、クライエントから部分的に語られることもあるが、はっきり言語化されない場合が多い。その場合は、言外の気持ちを感じとって読みとる。
ある出来事に対し、なぜクライエントがそういう思考をしたか、そういう感情をもったか、そういう行動をしたかなどを、意味と関連付けながらカウンセラーの感じとったことを伝える。

以上、テキストからの引用である。


●北の国から

今、ビデオにはまっている。
見ているビデオは、田中邦衛主演の「北の国から」である。
北海道富良野を舞台のした人間模様を描いた壮大なドラマである。
作品は、1980年代から90年代であり、フジテレビで放映されたものである。
当時の私は、仕事、仕事で実際の放映を見ていない。

TUTAYAの教養講座DVDのそばに偶然このDVDがあったため、最近は「北の国から」を見ている。

このビデオは、北の大地の四季折々の映像を盛り沢山使っている。
この作品は、登場人物も少ない。
また、一人ひとりのセリフも少ない。
特に、田中邦衛氏が演じる黒板五郎さんは、無口であり、五郎さんの顔のアップシーンが多い。
同じ無言の五郎さんでも、その表情は、毎回異なる。

息子の淳の場合は、心模様がバックの解説として流れるので誰にでもわかるが、五郎さんの場合はそうはいかない。

だが、父親としての複雑な思いはヒシヒシと伝わってくる。

今週は、「傾聴」をテーマにブログを書いているので、カウンセラー役として、五郎さんのセリフや表情、しぐさを観察してみた。

無言のセルフ(?)が多いため、「感情への応答」「意味への応答」として反応する機会は多い。
しかし、実際にやってみると、田中邦衛氏の表情に隠されている心情は、複雑で計り知れないものが隠されている。
だからこそ、このドラマには価値があり、永遠の名作と言われるのだろう。

この「北の国から」をホームドラマとして見るのもよい。

一方で、傾聴スキルアップの手段として、さらに心理描写を理解する教材としてとらえることもできると、考える次第である。

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