私は出産経験はありません。
でも私の聞いた話です。
高齢で、40代を、むしろ50歳近くで子どもを産んだお母さんがいる。
ずい分昔のことだから、今だったら、無痛分娩とかいろいろな手があったと思う。
でもその頃って、あまりたくさんの方法がなかったらしい。
1人の子どもを宿していた。
本当は10月に生まれるはずなのに、生まれない、ずれてずれて11月になる。
人は10か月で産むはずなのに、なんだかで11か月お腹に持っていたことになる。
そうすると、大きくなりすぎて出産のリスクは大きくなる。
それでも自然分娩だったのかな。長い時間をかけて生まれた。
でも生まれてギャーギャー元気に泣きわめいている赤ちゃんの顔を見た途端、お母さんは気を失いそうになったそうだ。
へその緒が首に巻きついて顔が紫になっていた。
その様子を見た途端、めまいがして、鎮痛剤が必要だったほどだ。
何か問題があったらどうしよう?
母親としてその気持ちが強かったらしい。
しかし、大きな11か月お腹にいただけのこはあり、4000グラムを越える立派な子だった。
ミルクもバクバク飲む元気な子だった。
飲んだ後、どれくらいの重さになったか、計るらしいんだけど、計ると
「あら」
と看護師さんがいう。
どうしたんですか?と聞くと、全然母乳が出ていないらしい。乳房を吸ってるだけで、お腹は満たされてなかった。
母乳が出ないなら人工のミルクを飲ませるしかない。
とてもおとなしい子で、静かにすやすや眠っていた子だったらしい。
11か月もお腹にいたお陰で生まれた時から頭の髪も黒々としてなかなかの美人さんのようだった。
目がぱっちりと大きくてみんなから「可愛いわね」と言われる子だったそうだ。
産んだ母親も、いつまでの出産時の苦労は忘れず、よく話をしていたらしい。だから私も聞いてしっているわけだ。
そして子どもは生まれた時のまま華やかな顔立ちで大きくなる。
生まれた後はその子の人生。
けれど、30代を過ぎた頃、悲しいことが起こった。
遅く産んだから、お母さんはもうかなりの高齢だ。
ある日、あることがきっかけで認知症と判断された。
それだけでも子どもは悲しいと思う。わが親がそうなったらどんなにつらいか判らない。
そして残酷だったのは、お母さんはその子を産んだことを覚えていない、ことだった。
不思議なことに出産が大変だった。そのことは覚えている。しかし、顔を見ても、声を聞いても、それがあの時の子と判らない。
それは1人の人の一生の一幕かもしれな。
でも生まれた子には辛い一幕だ。
お母さんに何かあるたび入院などに付き添っている。
でもお母さんはその子のことが思い出せない。
お母さん、産んだ子供ことをどうぞ、覚えていてください。せめてそれだけは、最期まで覚えていてください。
でも私の聞いた話です。
高齢で、40代を、むしろ50歳近くで子どもを産んだお母さんがいる。
ずい分昔のことだから、今だったら、無痛分娩とかいろいろな手があったと思う。
でもその頃って、あまりたくさんの方法がなかったらしい。
1人の子どもを宿していた。
本当は10月に生まれるはずなのに、生まれない、ずれてずれて11月になる。
人は10か月で産むはずなのに、なんだかで11か月お腹に持っていたことになる。
そうすると、大きくなりすぎて出産のリスクは大きくなる。
それでも自然分娩だったのかな。長い時間をかけて生まれた。
でも生まれてギャーギャー元気に泣きわめいている赤ちゃんの顔を見た途端、お母さんは気を失いそうになったそうだ。
へその緒が首に巻きついて顔が紫になっていた。
その様子を見た途端、めまいがして、鎮痛剤が必要だったほどだ。
何か問題があったらどうしよう?
母親としてその気持ちが強かったらしい。
しかし、大きな11か月お腹にいただけのこはあり、4000グラムを越える立派な子だった。
ミルクもバクバク飲む元気な子だった。
飲んだ後、どれくらいの重さになったか、計るらしいんだけど、計ると
「あら」
と看護師さんがいう。
どうしたんですか?と聞くと、全然母乳が出ていないらしい。乳房を吸ってるだけで、お腹は満たされてなかった。
母乳が出ないなら人工のミルクを飲ませるしかない。
とてもおとなしい子で、静かにすやすや眠っていた子だったらしい。
11か月もお腹にいたお陰で生まれた時から頭の髪も黒々としてなかなかの美人さんのようだった。
目がぱっちりと大きくてみんなから「可愛いわね」と言われる子だったそうだ。
産んだ母親も、いつまでの出産時の苦労は忘れず、よく話をしていたらしい。だから私も聞いてしっているわけだ。
そして子どもは生まれた時のまま華やかな顔立ちで大きくなる。
生まれた後はその子の人生。
けれど、30代を過ぎた頃、悲しいことが起こった。
遅く産んだから、お母さんはもうかなりの高齢だ。
ある日、あることがきっかけで認知症と判断された。
それだけでも子どもは悲しいと思う。わが親がそうなったらどんなにつらいか判らない。
そして残酷だったのは、お母さんはその子を産んだことを覚えていない、ことだった。
不思議なことに出産が大変だった。そのことは覚えている。しかし、顔を見ても、声を聞いても、それがあの時の子と判らない。
それは1人の人の一生の一幕かもしれな。
でも生まれた子には辛い一幕だ。
お母さんに何かあるたび入院などに付き添っている。
でもお母さんはその子のことが思い出せない。
お母さん、産んだ子供ことをどうぞ、覚えていてください。せめてそれだけは、最期まで覚えていてください。