静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

乗船実習の裏?話4

2019年01月08日 10時15分09秒 | 実習

遠洋航海実習のお話の続きです。
実習船やいづは餌の活イワシを積み込み、一路南方漁場に向かいます。


鹿児島で上陸し、観光を楽しんだ生徒に再び船酔いが襲(おそ)います。
焼津から続けて乗っていれば、こうならなかったんだけどねぇ・・・
それでも出港直後よりは良かったみたいです。
船内生活にも徐々に慣れ、生徒にも笑顔が見られます。


赤道に近い南方漁場は、本来、こんな海です。
みなさん、自分の目で見たくなりませんか?
これから生徒には、カツオを探す作業が待っています。


学園見学のお申し込み、入学のお問い合わせは電話、Eメールで。
詳しくはホームページをご覧ください。
電話 054-626-0219
Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
ホームページ www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940
入学試験の願書受付中です。
〆切は1月11日(消印有効)です。

 園長のつぶやき
築地から豊洲に移った東京の初競りで、例のお寿司屋さんが超高額でマグロを落札しました。
何にしても、良い面もあれば、悪い面もあります。
毎年、この報道をテレビで見ると複雑な思いです。

魚が高く売れること自体は、我々、水産業界を応援する者にとって悪いことではありません。
マグロ漁業に関心が向けられるのも良いことです。
これで漁師になりたいと思う人が増えるかもしれません。

悪い点もあります。
こんな値段は年に1回、1尾だけ。
それをテレビで放送するから、多くの人が勘違いします。
マグロ一匹釣り上げると、何億もの収入になる。
それを目指して、漁師になる人もいます。
漁師になろうと思わなくても、世の中の人は博打(ばくち)打(う)ちのような仕事と思うかもしれません。

そして、今は初競りのマグロを宣伝費用として高額で落札しています。
これは異常な状況なので、いつまでの続くと思えません。
バブルですよ。いつか弾けます。
そのしわ寄せは誰に来るんでしょうか?

皆さんが食べるマグロのほとんどは、大型遠洋漁船が半年以上の航海で捕ってきたものです。
その遠洋マグロ漁船の仕事は、ほとんど知られていません。
そして、その船に乗りたい人も極めて少ない状況です。
遠洋では、大間の漁師がシケで出漁できないような荒海で毎日マグロを捕ります。
一隻当たりの漁獲量も決まっているので、そんなに大もうけはできません。

ところで、学園での就職斡旋(しゅうしょくあっせん)は収入は二の次です。
生徒の適性や「やりがい」を最優先します。
いくら大金が手に入っても、つらくて楽しさがない仕事は長続きしないからです。
収入だけで仕事を選び、すぐに辞めることになった卒業生を多くみているんですね。

仕事はお金を稼ぐ手段です。
でも、それがすべてではないはず。
学園の1年間は「自分が求めるのは何か?」を考える期間でもあるんですよ。

コメント
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