約2週間にわたり名古屋で開催された生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)は、10月30日に閉幕しました。
生物多様性条約は、1992年に制定され、その主な目的は次のようなものです。
1.生物多様性の保全
2.遺伝資源の持続的な利用
3.遺伝資源による利益の分配ルールの確立
その根底にあるのは、「急激に進む生物多様性の喪失をいかにして遅らせるか」というものです。
しかし、この会議でもっとも議題に上がったのは、上記のうちの「遺伝資源による利益の配分(ABS)ルールの確立」でした。
遺伝資源を多く有する発展途上国とこれらの資源の多くを利用する先進国の利害が、激しく対立しました。
途上国は、遺伝資源を鉱物資源と同様の価値と見なし、これを持ち出して利用する先進国の行為を、「バイオパイラシー(生物資源の海賊行為)」と非難しています。
日本は、議長国としてABSをまとめるために、今後3年間で途上国支援に20億ドル(約1620億円)の資金を拠出すると表明しました。
そして、結果的に、下記の議長(松本龍環境相)案が名古屋議定書として採択されました。
・議定書発効前に得た資源は利益配分の対象としない。
・遺伝資源から得た成分を改良した派生品については、対象の有無を契約時に個別に判断する。
・各国は不正監視の機関をひとつ以上設ける。
しかし、名古屋議定書採択にかかる議長国日本の代償には大きなものがあります。
まず、前述した約1260億円もの拠出金です。
さらに大きな問題は、米国がいまだに「生物多様性条約」を批准していないという事実です。
米国には、遺伝資源から多大の恩恵を受けている製薬会社が多くあります。
少々古いデータですが、2008年の医薬品売上高ランキングを見ると、トップ10に米国企業が5社も入っています。
→ 【参考】世界の医薬品メーカーの売上高ランキングをグラフ化してみる
http://www.garbagenews.net/archives/750077.html
日本が表明した途上国支援のための多額の拠出金を無駄にしないためにも、各国の議定書の確実な実施が望まれますが、米国などのような消極的な国と不公平な環境下で競争を強いられる企業は厳しい立場にさらされます。
(生物多様性の保全目標に対する「愛知ターゲット」については、別の機会に触れたいと思います。)
覇権大国中国が小日本を消す日―汚染された日本海と日本国土を廃棄せよ!
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2.遺伝資源の持続的な利用
3.遺伝資源による利益の分配ルールの確立
その根底にあるのは、「急激に進む生物多様性の喪失をいかにして遅らせるか」というものです。
しかし、この会議でもっとも議題に上がったのは、上記のうちの「遺伝資源による利益の配分(ABS)ルールの確立」でした。
遺伝資源を多く有する発展途上国とこれらの資源の多くを利用する先進国の利害が、激しく対立しました。
途上国は、遺伝資源を鉱物資源と同様の価値と見なし、これを持ち出して利用する先進国の行為を、「バイオパイラシー(生物資源の海賊行為)」と非難しています。
日本は、議長国としてABSをまとめるために、今後3年間で途上国支援に20億ドル(約1620億円)の資金を拠出すると表明しました。
そして、結果的に、下記の議長(松本龍環境相)案が名古屋議定書として採択されました。
・議定書発効前に得た資源は利益配分の対象としない。
・遺伝資源から得た成分を改良した派生品については、対象の有無を契約時に個別に判断する。
・各国は不正監視の機関をひとつ以上設ける。
しかし、名古屋議定書採択にかかる議長国日本の代償には大きなものがあります。
まず、前述した約1260億円もの拠出金です。
さらに大きな問題は、米国がいまだに「生物多様性条約」を批准していないという事実です。
米国には、遺伝資源から多大の恩恵を受けている製薬会社が多くあります。
少々古いデータですが、2008年の医薬品売上高ランキングを見ると、トップ10に米国企業が5社も入っています。
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日本が表明した途上国支援のための多額の拠出金を無駄にしないためにも、各国の議定書の確実な実施が望まれますが、米国などのような消極的な国と不公平な環境下で競争を強いられる企業は厳しい立場にさらされます。
(生物多様性の保全目標に対する「愛知ターゲット」については、別の機会に触れたいと思います。)
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