牛頭天王信仰とその周辺

牛頭天王(ごずてんのう)信仰とそれに関係する信仰や情報を紹介するブログです。

「スサノヲ」と「アラハバキ」

2010-10-04 20:24:57 | 日記
 現在、学問的には、オオクニヌシノミコトやヤマトタケルノミコトは何人もの神々の「集合体」と考えられているようです。わたしは最近思うのですが、「スサノヲ」は一個人の名前でななく、一族集団の名前ではないかと。高度な製鉄技術をもち、武器・農機具・はた織機などをつくることのできる「帰化人の集団」だったのではないかと。
 出雲の肥(ひ)の川、現在の斐伊川付近の須佐(スサ)の地に彼らは生活の拠点を置いていたと思われます。しかし、人口の増加により、より良質の鉄を求めて、各地に旅するようになったのではないでしょうか。良質の砂鉄のとれる関東の地に落ち着いた者たちが一族の先祖を敬い、豊饒を祈願したり、故郷を慕ったりしながら、氷川神社を造ったのではないでしょうか。
 しかし、関東の地には「先住民」たちがいました。帰化人「スサノヲ一族」が「先住民」たちと折り合いをつけるのは、その後ヤマト朝廷に敗れてやってくる同じ「先住民」系統の「出雲族」の場合とは違って、スムーズには行かなかったかもしれません。
 大宮の氷川神社の境内の片隅には「問客人神社」と「御嶽神社」があります。これは「先住民」の神「アラハバキ神」を祀った神社だった可能性があります。
「アラハバキ神」、「荒々しい蛇木神」という意味か、「現蛇木神」ということで「蛇木として現れているが本来は神」という意味かどうか分かりません。しかし、蛇の進化した龍の娘と結婚した、ビャクダンの山の神牛頭天王にも、アラハバキの基本精神が見られます。勿論オオクニヌシノミコトにも見られます。
 今は2010年の神無月。今年は9月20日頃まで熱波に悩まされました。熱中症で倒れ死亡する人のニュースも流れました。しかし、林の中に入ると熱波を感じることはありません。私個人としては、今年ほど林の力を感じたことはありません。
 東京のあきる野市では蛇を見つけたら連絡するシステムをつくっているようです。蛇は以前にも書きましたが「生態系の要」です。蛇の生息から、動植物の生育状況を把握することができるのです。
 関東の80歳以上の人たちは、林のことを「山」と呼んでいました。木々に満ちているところが「山」だったのです。東京には「久我山」「千歳烏山」というところがあります。辺りに小高い山はありません。かっては雑木林が広がっていた地域だったのです。
 今、わたしたちの生活に最も必要なのは、「山(林)」でしょう。そして、恵みを多くもたらす蛇の生息でしょう。わたしたちは、自分たちを「やまとみんぞく」と呼ぶことがあります。昔同様、インドの神をも受け入れる、大いなる和をもつ大和民族」でありたいですし、「山(林)」を大切にする「山門民族」「山徒民族」でありたいとも思います。



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