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Go To Zeroを聴きながら

小山卓治を聴きながら夢の国
今日が終わってまた明日

ひまわり

2010年07月26日 | 小山卓治

   誰もがテーブルの周りでそれぞれに寄り添う
   小さな声で励ましあいながら


小さかった頃のテーブルは小さくて
寄り添うようにご飯を食べた。

父親が
今日1日の出来事を話し
母親が
「大変だったね」とねぎらい
祖母は
静かに頷いていた。
姉と私は
くっつきながら
クスクスと笑っていた。

家族がそこにいた

寄り添いながら
それぞれの役割を
当たり前のように
果たしながら

昔々の記憶だけれど
確かにそこに家族がいた

老いて今
一人天井を見つめ続ける父
その大きな瞳の奥深くには
何が映っているのだろうか



   ひまわり


   詞:小山卓治 曲:小山卓治


   その人の女房はある日 絵葉書を受けとった
   丘の上のひまわりがほほえむように揺れる写真
   午後3時には荷造りと化粧をすませて
   日曜日にしかかぶらない帽子を深くかぶる
   彼女は部屋を出る時も笑顔を崩さない
   足早に階段を降りて歩きだす

   ガソリンが水たまりに虹を作る道の向こう
   すすけた赤い屋根が続いてる

   窓から射しこむ工場の照り返しを浴びて
   その人は粗末なベッドにただ黙って座ってる
   たまり場の女達のヒステリックな笑い声
   通りの向こう側から風に流されて聞こえる
   鏡の脇にピンでとめられた写真の中で
   はにかんだまま色褪せてる2人

   ガソリンが水たまりに虹を作る道の向こう
   すすけた赤い屋根が続いてる

   工場にしがみつくように並んだアパートの群れ
   どの窓にも同じブルーの作業着が干してある
   いつもと同じ夕焼けが辺りを赤く染めると
   街中がつぶやきだす さあ仕事が終わる時間だ
   誰もがテーブルの周りでそれぞれに寄り添う
   小さな声で励ましあいながら

   ガソリンが水たまりに虹を作る道の向こう
   すすけた赤い屋根が続いてる