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Go To Zeroを聴きながら

小山卓治を聴きながら夢の国
今日が終わってまた明日

呼吸

2012年05月12日 | 日記


   

   届く度に遠のいてく 現在ここにいることのその意味
   
   受け入れることは諦めなのか?それとも勇気なのか?
   
   生まれたこと 死に往くこと そこにはきっと意味なんてない
   
   でも歌う 歌にさえならぬ声で 声にさえならぬ呼吸で

   (浜田裕介:呼吸-Breath-より)


医師に「あと数日です。」と言われ

その通りに父はゆっくりと旅立って逝った。

最期の日々を父と二人で過ごし

その呼吸を見守った。


静かな病室の時間の中で

彼が生きている証は

手のぬくもりと呼吸だけ

天使のようなナースの温かい言葉に

夜の静寂のなかで何度ホッとしたことか。


最期まで看てくれるはずの母が先に逝って3年

その後、坂を転げ落ちるように父は身も心も痩せていった。

「何が欲しい?」と耳元で聞くと

声にならないことばで

「かあさんのところに逝きたい」と。

それからほどなくして

話も意思表示もまったくできなくなった父。


夫がしみじみと言った。

「生き続けるって辛いことだね。」

息子が切なそうに言った。

「生きていて何の意味があるのかな、おじいちゃん。」


生まれてきたこと

死に往くことに

意味なんてない

ただただ全うするだけ


生きたくても生きられなかった母

死にたくても逝けなかった父

そんなものだ。


でもきっと死ぬまで問い続けるんだろうな

生まれたことの意味

死に往くことの意味。


〈呼吸〉は

病床で繰り返し父に歌ってあげた歌。

歌は人を救えないけれど

答えを出してはくれないけれど

その美しい言葉やメロディは

共に過ごした時間の中で

二人を繋げてくれたと感じている。




 


 


   

親を見送る

2012年01月21日 | 日記
小さい頃は
親がこの世からいなくなるなんて
考えられなかったし
もしどちらかが死んじゃったら
きっと悲しくて悲しくて
生きていけないだろうって
真剣に思った。

そして世の大人達が自分の親を亡くしても
気が狂うわけでもなく
死んじゃうわけでもなく
毎日をやりすごしていける様を見ながら
「そうか、そういうことも平気になるのが大人なんだ」と
妙に納得して
さみしさを感じながらも
でもほっとしたものだった。

そして、私も大人になって
結構いい年になった3年前
母を亡くした。

そう、私はいい大人だから
気も狂わず
後を追っかけるわけでもなく
毎日をやりすごしている。
明るく、元気に
何事も変わらぬように。

でも本当は
いなくなってしまったさみしさと
悲しみでいっぱいな心があって
時にそれがはち切れんばかりに
どうしようもなくなることもある。

もう長くはないと言われた父がいなくなったら
私はみなしごになってしまうじゃないかと
真夜中の天井を見続けることもある。

そして
「ちっとも平気にならないじゃん」と
独り言いいながら
布団かぶって
涙眼をつぶって
朝を迎える。
そんな繰り返し。

きっとかつて大人だった人たちも
同じように幾度もそんな朝を迎えたのだろうな。















約束の橋

2011年06月22日 | 日記
人生の中で
それがその後の一生を決めるような
大きな決断をすることがあるけれど
そこには長い長い苦悩の道のりを経て行き着くもの。

だから
君がそうしたのなら
新たな旅立ちを祝福し
心から応援したいと思う。

たとえ
そのことを考えて
眠れぬ夜が続いても
ため息がこぼれても
枕を濡らしても
そんなそぶりは見せずに

ただただ
君の未来のために祈りたいと
佐野元春の30周年ツアーのファイナルで
<約束の橋>を聴いて
そう決めた。



   約束の橋

   words & music 佐野元春
 
   君は行く 奪われた暗闇の中に とまどいながら
   君は行く ひび割れたまぼろしの中で いらだちながら
   いつか孔雀のように 風に翼を広げて
   西の果てから 東の果てまで 休みもなく 車を走らせてゆく

   君は踊る 閉じたバラのつぼみの前で 背伸びしながら
   君は踊る くるおしくミツバチの群を すり抜けながら
   いつか燕のように 風に翼を広げて
   街の果てから 森の果てまで 振り向きもせず 車を走らせてゆく

   今までの君はまちがいじゃない
   君のためなら 七色の橋を作り 河を渡ろう

   君は唄う あわただしげな街の中を かたむきながら
   君は唄う 焦げた胸のありのままに ためらいながら
   虹の橋のたもとで 河の流れを見つめて
   月の岸辺から 燃える砂漠まで 終わりのない夜を くぐり抜けてゆく

   今までの君はまちがいじゃない 君のためなら橋を架けよう
   これからの君はまちがいじゃない 君のためなら河を渡ろう








明日への記憶

2011年05月23日 | 日記
姉妹でありながら

同じ家で育ちながら

その幼少時の記憶は

同じ出来事に対して

なぜかまったく違うものだったりして

どちらが本当なのかわからないこともある。

作文とか日記に書かれていることは

貴重な記憶の記録だったり

まさに今の自分のあり方そのものだったりで

納得したり、笑えたり。

母が亡くなってから

実家のものをずいぶん処分したけれど

記憶を呼び覚ましてくれるものや

姉妹で幼少時の懐かしい出来事を

共有できるものはなかなか捨てられない。



姉と私で

一つだけ記憶がピッタリ合致する出来事がある。

   
   母の実家の近くの山道を

   姉と私が母に手を引っ張られて歩いている。

   崖っぷちで長い時間立っている母。

   疲れて横で黙って座り込んでいる姉と私。

   崖の上からは、はるか下に流れる川が見える。

   それから、母は私達の手を引っ張って山を下りた。


それだけの記憶である。

母が何をしようとしていたか

姉も私も母の生前に尋ねたことがない。

尋ねてはいけないことだと思っていたからだと思う。

幼心に母が遠くに行ってしまうのではないかと

恐れていた自分もいたし

甘えんぼでいつも母の手をペロっと舐めていた自分もいた。

今ではうちの猫が私の手をペロっと舐める。

その顔は幸せそのもので

そのたびに母の手を思い出す。

自分自身の明日への記憶は

母が私に残してくれたものから

ずっと続いているような

そんな気がする。



大震災

2011年03月14日 | 日記
今回の大震災は

観測史上最大のM9.0の大地震

誰もが予測することができなかった規模の津波で

あまりに多くの人々の命が失われて

胸がつぶれる思いでニュースを見ているけれど

今私がこうしている時間にも現地では

いまだ救出を待つ人

家族の安否さえわからない人

着の身着のまま

命からがら

津波から逃れた人たちが

何とか日々を切り抜けている。

本当に頭が下がります。


被災地の皆さん

どうぞがんばってください。


そして犠牲になった方々の

ご冥福を心よりお祈りします。


昨日・今日・明日

2010年10月06日 | 日記
昨日、彼女は

このコスモスの咲く坂道を歩いていた。

でも、今日はもういない。

坂道を一歩一歩上りながら

明日へと向かっていたのに。


昨日を悔やんでいる間に

今日の時間はあっという間に流れて

明日こそと誓ったのに

その明日は来ないかもしれない。


だから



なのだと

改めて思う。


















Young Blood

2009年11月29日 | 日記
ノラ・ジョーンズの〈Young Blood〉

イントロに惚れて
ビートに溺れて
歌詞にため息

ロックなビート
荒ぶる若い魂の暴走
ハイテンションなノリ
一気に吐き出される
辛辣なメッセージ
でも颯爽として軽快


Young Blood

Written by Norah Jones and Mike Martin

I'll pretend my heart's not on fire
If you steal my true love's name
Broke down subway in this city of spires
Tape your picture over his in the frame

We'll imagine we're sleeping revolvers
Shotgun wedding in a strange SoHo
Our chambers hold silvery collars
Gun down werewolves wherever we go
We gun down werewolves wherever we go

Midnight phone calls in the back of a Mustang
Creased white pages torn right from the spine
Kissed my neck with a crooked, cracked fang
You always hoped one day you'd be mine

Threw our fathers on funeral pyres
I'm not sure that we were playing a game
Busted gasket in a field full of liars
No one noticed we set five boroughs aflame
No one noticed we set five boroughs aflame

Young blood
Young bone
Old ghosts
Go home

Band of gold with a diamond implied
You wrote letters that you never sent
I made promises I'll always deny
Now we'll never know what the other meant

Watch is ticking like a heartbeat gone berserk
Lost the chance to wind the key
Roosters are nothing but clucking clockwork
Our fears are only what we tell them to be
Our fears are only what we tell them to be

Drown the last of our matches
Burn the rest of each other
You were strongest when I ached for breath
Through the thick of smoke we'll finally smother

Young blood
Young bone
Old ghosts
Go home




Chasing Pirates

2009年11月24日 | 日記
ノラ・ジョーンズの新しいアルバム「THE FALL」
がとっても心地いい

映画「マイ・ブルーベリー・ナイツ」での主演で
女優としても素敵だなと思ったけど
新作のアルバムは今までとは雰囲気がずいぶん違う
ピアノではなくギターの彼女もいい

ソフトで軽やか
柔らかな歌声
色っぽいけど可愛くて
いたずらっぽい視線

「Chasing Pirates」では

I don't know how to slow it down
My mind's racing from chasing pirates

と、恋にときめいてペースを落せないでいる
海賊を追いかけるように思いを駆け巡らせている
そんな女心を歌っている

1月20日に日本で一夜限りのライブがあるけど
チケット当選したらいいな・・・









1Q84 BOOK3

2009年09月18日 | 日記
1Q84のBOOK3が
来年夏には出版されそうとのことで

楽しみ!

物語にでてくる不思議な“リトル・ピープル”について村上春樹が語っている
「深い森の中にいるリトル・ピープルは善悪を超えていると思うけれども、森から出てきて人々にかかわることによって、ある場合には負のパワーを持つのかもしれません」

なるほど、“人々がどうかかわるか”で
正にもなり負にもなるということか・・・

ひとりで生まれてきて
ひとりでいずれは消えていくことを
どうしても受け入れられない
人間の弱さを鋭く見抜いていて
何かに依存したい、救われたい
自分以上のものになりたいって思ったとき
リトル・ピープルのような存在が
すっと入りこんでくる気がする
きっと歪んだ欲望を持った人間には
負のパワーが大きく作用するのだろう

そして、そして
「青豆」と「天吾」のその後が気になる
どうなるかな
ドキドキ
ワクワクである

青豆は強い女

強い女といえば
ターミネーター2のサラ・コナー
第1作でフツウのおばさんだった彼女
2作では強く、かっこよく、しなやかになって
その変貌ぶりに目を見張ったことをおぼえている

ターミネーターは1984年のLAから物語が始まるが
すぐれた人口知能をつくりたいという人間の欲望から
近未来の世界で人類の絶滅の危機を招く
お掃除ロボットぐらいで満足していれば
そうはならないのだろうけど

村上春樹は強い女を描くことについて
「現代は女性のほうがシャープで大胆だし、自分の感覚に対して自信を持っているから描きやすい。男はどうも最近元気がないし(笑い)、強い男を描くことは難しくなりつつあるかもしれない。」
と語っている

青豆って
日本の女優だと誰のイメージかなって
考えてみたけど
どうもこの女優!ってのが思い浮かばない

うーん
誰だろう・・・



らせんのひかり

2009年08月25日 | 日記
初めてここに来た人は

なにを思っただろう

きっと天使の仕業だと

思ったに違いない


だってこんな光と色と形

幻想的な空間

天使以外に創造できない


そんなことを考えて歩いた


ネイティブアメリカンのガイドが

ギターを弾いていた

哀しく

美しく

そしてはかなく


美しい場所で

美しい響き


だけど

外の世界はそんなことおかまいなしに

進んでいく

日常という

気の遠くなるような

繰り返しの中で

上へ

2009年08月18日 | 日記
上へ

枯れても

上へ


しっかりと大地に張り付いて

ひたすら雨を待つ


上を向いて


すべてが大きい

2009年08月04日 | 日記

アメリカに来て
まず思うこと


大きい
すべてが大きい  

男も女も
車も家も
デニーズのサラダも
ステーキも


そして
街路樹も・・・

音楽は・・・
もちろん新しい音楽もだけど

70年代や80年代もの健在。
誰もが自分の世界を楽しんでいる。

音楽に限らず。

それがアメリカのいいところ。



音の玉手箱

2009年08月01日 | 日記
友達にCDをもらった
たくさんの曲をパッケージにしたもの

それはまるで
音の玉手箱

開けてからのお楽しみ

知らない曲
昔よく聴いてた曲
どこかで聴いてメロディだけ知ってた曲
そんな曲が詰まっている

それらは
心地よく
ゆったりと
時に哀しく
時に弾んで

かつての記憶が蘇ってきて
ひとりニヤっとしたり

新しい発見に驚いて
聴き入ったり

セレクトされたひとつひとつの曲
曲と曲の微妙なからみあい

組み合わせ一つで
音のパッケージは
どうにでも違ってくるだろう


今日は一日都内をドライブ
海岸線でもないし
遠出でもなく
ただただ走るのだけれど

なんだか解放された気分
心がゆったりとして
元気が湧いてくるようだ

いいな
音の玉手箱