
雨降りの4月26日、
下北沢440での
小山卓治×浜田裕介ライヴに行ってきた。
昨年秋の海癒ライヴから5ヶ月
そして、浜田裕介のニューアルバムが届いたばかりということで
私自身の中での期待度はかなり高くなっていたが・・・
結果はその期待を裏切らず
素晴らしいライヴだった。
セットリストは・・・
浜田裕介
1. Dead man Blues
2. 水中写真
3. ぶるー
4. 夜を見てた
5. 流星のターミナル
6. 呼吸ーBreath-
浜田裕介&小山卓治
7. ゆるやかな法則(浜田裕介曲)
8. いつか河を越えて
小山卓治
9. ジオラマ
10. 西からの便り
11. P.M.11:11
12. Kiss(新曲)
13. ばあちゃんごめんね(新曲)
14. 光が降る
15. 今までの僕は
小山卓治&浜田裕介
E1. デイジー(浜田裕介曲)
E2. 傷だらけの天使
E3. 祈り
E4. 種の歌
まずは浜田裕介から。
新しいアルバムに入っている
〈Dead man Blues〉は詞がとても好き。
「Hello My Friend 元気だったかい?」と始まるこの曲
その後に「孤独」と続き、ドキッとさせられる。
そして「情熱」、「プライド」への呼びかけに続く。
彼の人生の相棒はこの3つなんだな。
人生の相棒なんて考えたこともない私は
「相棒を3つ選べと言われたたらなんだろう?」
などと考えながら聴いていた。
孤独、情熱、プライドと共に走り続けた列車は
長い長い人生の夜を走り続ける。
でも最後にやっぱりそばにいるのは「孤独」。
Hello My Friend よろしく頼むぜ「孤独」
やっぱり君が最後の相棒だ
俺に名前が付くその前から
俺の名前が消えるその時まで
〈夜を見てた〉はいろんな人がカバーしていて
浜田裕介の歌だと知らない人が多い。
以前友達が「この曲いいねえ。」と
どこからか見つけてきた。
「浜田裕介の曲だよ」と言うと
「えー、違うよ、絶対違う。」となぜか断言する。
あとで「やっぱりそうだったんだあ、へえ~」と・・・。
作った彼が唄う「夜を見てた」がやっぱり最高だ。
強くなくていい 負けてばかりでいい
僕と君にしか見えないものがある
それが痛みでいい 哀しみで構わない
雨が上がるまで二人でずっと夜を見てた
〈流星のターミナル〉は大好きな曲だけれど
生で聴くのは初めてだった。
「サビの部分をぜひ皆で歌って会場を温めよう!」と、
客席も巻き込んでの大合唱。
聴くだけでなく参加できるのは気持ちのいいものだ。
私の中ではこの曲はいまだに一番のお気に入り。
そして、〈呼吸-Breath-〉
今回のアルバムには予約特典のカバーアルバムが付いていて
そのタイトルは「リップサービス」。
全17曲のうち16曲はカバー曲で
最後にバージョンの異なる〈呼吸-Breath-〉が入っている。
爽やかな感じであまり重みを感じさせないそのアレンジもいいが
やっぱり本盤のほうがずっといい。
アルバムのそれは、
彼自身が「何度も途中で唄えなくなってやり直した」と語るだけに
重みを持って深く心に入り込み、涙が自然に流れてくる。
小山卓治に「最高傑作」と言わせるだけの
「絶望の向こう側の歌」だと思う。
対する小山卓治は・・・
前回の西川口のライヴに行けなかったので
少し間が開いてしまったためか
ちょっとドキドキしながら出番を待った。
タバコを止めてちょっと太った姿なんかを想像してたけど
まったく変わらずで嬉しい。
相変わらずのいい男でホッとした。
声も張りがあってよく出ていた。
斬り合うなどといいながらソロの時より表情も柔らかめで
浜田裕介とのやりとりが楽しかった。
〈ジオラマ〉がよかった。
今まで聴いた中で一番グッとくるものがあった。
本人が日記の中で
「〈ジオラマ〉を、ミュートとハンマリングを駆使した奏法でプレイ。
石川鷹彦さんがたまにやる弾き方で、
どう弾いてるのかは分かっても、
そのサウンドがどうしても表現できない奏法だ。
少しは近づけたかな。」
と書いていた。
私は奏法については、からきしわからないが
聴いていて心地よくカッコいいサウンドだったことは間違いない。
〈呼吸〉にしても〈ジオラマ〉にしてもそうだが
アーティストのチャレンジ精神次第で
曲はどうにでも変えられるんだなと思いながら聴いていた。
新曲が3曲。
〈光が降る〉〈Kiss〉〈ばあちゃんごめんね〉
〈ばあちゃんごめんね〉がよかった。
赤いベレー帽をかぶった
愛しきばあちゃんへの
素直な想いが感傷的にならずに唄われている。
これからが楽しみ。
アンコールでの二人の〈祈り〉と〈種の歌〉を聴きながら
なごやかで、温かみのあるステージに満足して帰路についた夜だった。
スケアクロウ2012ツアーは
また秋になるのかな。
楽しみにしていよう。