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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

シンクロ

2008-01-15 | 研究ノート
・岐阜と筑波からほぼ同時にブナに関するメールが送られてきて、一瞬、混乱してしまった。全く異なる依頼内容だったのだが、こういうことって、不思議とシンクロするもんだ。

・一つは投稿論文に対するコメントが欲しいということだったので、お昼前までにコメントをまとめてメールを送信。全体的によくできているし、プレゼンもいいと思うのだが、そもそも何のために研究をするのかがイマイチはっきりしない。やはり、論文の”売り”をもう一度はっきりさせた上で、研究の位置づけができれば”勝ち”だと思うんだけど・・・。

・それにしても、当方のチェックに慣れていない人にとっては、これらのコメントにはやっぱり”びっくり”しちゃうかも(けっして、悪くはないので気を落とさないよーに)。ところで、この原稿には、フィンランドのTeijo NikkanenからもらったD論が関係しそうである。ということで、改めて読んでみると、D論の第6章がまさに重要そうだが、この時点では投稿中になっている。ヤツ(?)のことだから、投稿中のままにするはずがないと思っていたら、案の定、ちゃんと論文になっていた。Nikkanen T., Pakkanen A. & Heinonen J. (2002) Temporal and spatial variation in airborne pollen and quality of the seed crop in a Norway spruce seed orchard. Forest Genetics 9: 243– 255.えらい。

・この論文で対象としているのは13haのヨーロッパトウヒ採種園で67の精英樹クローンで構成されている。ここに70個ものPollen samplerを設置して花粉密度の時空間的分布を押さえたのがこの論文である。そのほか、風のデータや種子の有胚率や他殖率などとの関係も調べている。これを見ると、かなり空中花粉というものが時空間的に変化することがわかる(ことに時間的な違いは明瞭だ)。地道な研究だけど、参考になりそうである。

・いよいよ地がき論文の修正にかかる。その前に、失われた3サイトの成木データを調べる。今まで見ていなかったファイルボックスからついに成木データを発掘。こんなところにまとめられていたとは・・・。しかも、糊付けとかされていて丁寧にかかれているのだが、こんなことでもなければ発掘されることはまずなかったであろう。当機関の古いデータは実に危ない状態である。

・とりあえず、データを差し替えてやり直してみる。だいぶ記憶が薄れているので、細かい解析の部分が分からずに悪戦苦闘。Iくんに連絡を取ろうとするもつながらず、よく見たら彼は遠く標茶にいるのであった。なんとか出てきた結果を見てみると、数値は変わっているものの有意な要因とその効果は同じだ。よかった。ということで、3サイトのデータ外挿の必要もなくなり、気分は爽快である。調子に乗って原稿の改訂も行い、こちらでできる部分は完了。明日、チェックをしてもらうことになった。

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