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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

池袋の雑踏

2007-08-27 | 研究ノート
・自主ゼミ参加のため、東京出張。本当は先週のとある編集会議にぶつけていたのだが、急な予定が入ってしまったので今回は1泊のみ。ゼミ前にオニグルミ論文の打ち合わせ。前回、自殖率に影響を及ぼすのはローカルな個体密度で説明できたと思ったのだが、使用しているデータを勘違いしており、実はその結果は幻であることが判明(そういえば、ヤチダモ論文のときにもそんなことがあった)。個体密度、開花の重複期間、母親のサイズなど結局有意な関係は見出せず。今回のようなデザインでは集団としての違いは見えても、個体ごとの違いは検出できないというのが実際のところか・・・。

・自主ゼミでは、アオキの生産と流通の過程で、本来のハプロタイプとは異なるものが植栽されることがしばしばあり、それが遺伝構造にどのような影響を及ぼすかという話。ちょうど、当方のブナの産地試験の話とよく似ており、比較しながら聞くと実に興味深い。ちょっと驚いたのは、採穂個体は生産者によって異なり、いわゆる品種化はしていないということであった。斑入りアオキですら、必ずしも品種というわけではないというのは驚いた。

・アオキを材料として用いることのメリットとして、これほどまでに自生種のハプロタイプにきれいな地理的傾向があり、しかもすでに地理的傾向を無視した植栽が長年続けられている、ということが挙げられると思うんだけど、それがうまく伝わらなかったようである。しかし、当方にとって、こういう研究分野って本当に好きだなあ、と改めて感じることになった。久留米では、田主丸の緑化業者とも付き合いがあったし、一面に広がる緑化苗木の畑を思い出す。

・異なるハプロタイプを植えてしまったときのパフォーマンスを正確に測定できると、今後の提言も含めて貴重なデータが取れるに違いない、と思うのだが・・・。ゼミでは、2倍体と4倍体の交雑や、九州地方に植栽された関東タイプのアオキの問題など、さまざまな面白いアイデアも飛び出したが・・・さてさて。


・ところで、今回の宿は池袋のサンシャイン・プリンスホテルである。どうして、こんな”らしくない”ホテルにしたかというと、旅行業者がミスをしたせいである。ホテルまでの通路は迷路のようで、人ごみの中をさまよってしまう。なんでこんなに人が多いんだ、と思ったら、本州ではまだ夏休みの最中なのであった。久しぶりの池袋はごみごみしてやっぱり好きになれなかったが、35階からの夜景は見事であった。

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