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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

会議室事件

2008-10-17 | 研究ノート
・前日に引き続き、自由研究ゼミのスライド作成。第4回のスライドは33枚。15分はビデオとしても150分にはまだ足りない気がする。このスライドを作成するために注文した本がまだ届かん。ううむ。人と森のかかわりを示す例として、クヌギ・コナラの薪炭林とアカマツ林にターゲットを絞ることにした。前者は萌芽更新、後者は実生更新の代表例だ。

・午後から投稿論文執筆講座パート2の読本作成。オンライン投稿時のプロセスをパソコン画面の画像を使って説明。そのほか、審査者から見た視点、修正原稿作成のポイントなど、思いつくままに作成してみる。やはりTexを使うと仕上がりがきれい。

・2時半ごろからYさんとアオキ交雑論文の修正方針を検討。審査者の指摘に答えるため、母樹個体別に父親ハプロタイプが受粉成功率に及ぼす影響を検討してみる。1個体だけ、明らかにハプロタイプによって受粉成功率が異なる。ふーむ、個体別に詳しくみるとまた違った側面が見えてくる。

・この個体について、受粉成功率を花序ごとに検討した結果、2つの花序の値が非常に低く、もう2つの花序はハプロタイプ間で違いがないことが分かった。その理由を調べるために現場に戻ってみると、受粉成功率が低い2つの枝が個体の樹冠上部に突出して位置していることが判明。

・この事実から、これらの枝は強風時に袋と雌花がこすれて受粉成功率が低くなった可能性が見えてきた(もちろん個体によって、ハプロタイプ間の受粉成功率が異なる可能性は捨てきれないわけだけど・・・)。指摘の鋭さに感嘆しつつ、疑問に思ったときには、現場に返る必要があるものだと改めて実感。”事件は会議室で起こっているんじゃない”、訳だもんねえ。