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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

正念場

2008-02-19 | 研究ノート
・トドマツ種子散布論文の改定稿作成。一つ一つの指摘に対して、コメントを作成しながら修正を加えていく。解析をやり直したこともあり、細かい数値も変わっている。こういうのもちゃんと直しておかないと、痛い目にあうのは先刻承知である。ロジックとしては大きく変更していないはずだが、Parentageの方法をこと細かに記載するのが一番大変かつ重要な作業となりそうである。

・2月と3月の予定がびっしりと入る。例年より綱渡り感が増しているような気もしたりして・・・。午後からNくんの原稿チェック。だいぶ前に預かっておきながら、全く時間がとれずにここまで時間がかかってしまった。イントロを大幅修正、マテメソ、結果、考察なども入れ替えたりと。ざっと直したところで、いったん修正案を著者に差し戻す。

・トドマツ原稿改訂の続き。とりあえずコメントに仮に入れていた修正箇所のページと行も変動したので、それも踏まえて少しずつ修正。まだいくつか検討しなければいけない部分があるが、このまま行くと暴走しそうなので、一通り修正した後、いったん共著者に連絡。もうしばらく、修正作業の正念場が続きそうである。

・バスケットの新チーム名について、期日までに合計46件の応募があったので、団員に良いと思われるチーム名を3つ選んでもらうようなアンケートを配る。アンケート結果は25日までに集約され、3月1日の臨時総会では晴れてチーム名が決まることになった。

ゼミ発表

2008-02-15 | 研究ノート
・昨日のアカエゾマツのゼミ発表では、かなりの質問やコメントを頂いて、なかなかの反響であった。しかし、途中でついていけなくなった学生も多かったようで、やや詰めすぎたかと反省。学生のSさんいわく、「発表している先生が楽しそうでした・・・」。何かよく分からくても、(こちらが・・・?)楽しんでいる様子だけは伝わっているようである。この研究、動機が不純(?)なだけに、うまく説明するのがなかなか難しい。この研究、local adaptationにはつながらないのでは、という指摘はもっともである。

・秩父のSさんとK林長から、アカエゾマツは実は環境適応能力がありすぎるので、実はlocal adaptationの研究には難しいのではないか、という深ーいご指摘を受ける。エゾマツの方がいいんじゃない、とも言われたが、アカエゾマツが好きだからやっているわけで、こちらもそう簡単にいきそうにないことは既に実感している。難しいのは大いに結構だが、後はどのようなストーリーを組み立てていくかが課題になりそうである。

・そのまま飲み会突入といきたかったが、5時からの会議開始が延びたために、研究部にて皆が飲み会へと参加していくのを横目で見ながらの待機、というあまりにも厳しい”おあずけ状態”となる。ようやく終わって、宴会。つぎつぎと手料理が出てきて、最後はシャンパンゼリーとイチゴのデザート、いやはや素晴らしかった。

夕焼け小焼け

2008-02-14 | 研究ノート
・朝から会議が続く。午後になるとさすがにへばる。日差しが柔らかく差し込んでくると、次第にまぶたが・・・。会議終了後、明日のプレゼン作成。いよいよ火が付いた状態。よく考えてみると、Iくんに任せていた生理や形態の部分は、それぞれのパラメータがどのような意味を持つのかちゃんと勉強していなかった。

・外は夕焼け。空気がきれい過ぎない方が夕焼けが美しいと聞いたような気も・・・。



・クロロフィル含量について付け焼刃的な勉強。東北大学のHさんのホームページは噂どおり(?)、すごい充実している。見習いたいものである。苦手だと言ってばかりで逃げていた付けが回ってきたという感じである。Iくんにも再度確認をさせてもらって、何となく逃げ切れる、か・・・。

・さて、必死にスライドを作成していくうちに、今回の結果は、1.標高のクライン、2.前山湿地のストレス、の2点で集約されそう、という気がしてきた。最初は、前山湿地と13林班湿地の挙動が違うことで困っていたのだが、むしろ、同じ湿地といえど、受けているストレス(の程度)が違うのではないか、ということが面白いように思えてきた。

・そうなると、環境の違いを表現できているかどうかなのだが、今のところのパラメータでは難しいのが実態である。やはり、水位計などが必要ということだろうか。いずれにしても、前山上湿地、前山中火山礫を加えることで、もう少し違った側面が見えてくることだろう。

ルー的会話

2008-02-07 | 研究ノート
・トドマツ種子散布論文の改訂作業。Lさんと電話で連絡をひたすら議論しつつ、一歩一歩改訂作業を進めていく。ようやく核SSRの再解析が納得できるところまで行ったので、cpSSRを使って母親特定の作業に入る。朝5時半に起きて解析して、一応できたと思ったのだが、前回とはまるで違う結果になっている(なぜか種子散布距離の頻度分布は似ている)。どう考えてもおかしいということで、もう一度、落ち着いてやり直してみると、なるほど、当方の(おそらくコピー&ペーストに関連する)単純ミスであった。

・コピー&ペースト、並び替え、新しいファイル作成などをやっていくと、これほどまでに間違えてしまうものか・・・(当方の性格の問題?)。早くRでのマイニングを覚えた方がいいのだが、つい時間に追われると無理やりなことをやってしまう。今更、エクセルの達人になってどうするということなんだが・・・。自殖に関する結果の不一致の原因も突き止めることができ、最終的には双方が納得できる結果となった(当然だが、前回とはほとんど結果が変わらない)。しかし、一連の作業の中で、Lさんが納得できないと言ったことは全てちゃんとした理由があった(ほとんどが当方のミス)。その眼力には感服である。

・10時半からメールサーバー移行作業で全職員のメールが使えなくなるということで、10時半前に駆け込みメールをいくつか。予告どおり、それ以降は一切のメールがこなくなった。使えないとなるとあきらめもつくところもあり、それはそれで平穏な心につながるような・・・。

・3時半よりD氏の研究まとめの相談ということで、K林長も同席の上で3者面談。自分の研究をまとめてくれたのはいいんだが、94ページに及ぶ(テーブルがさらに30ページ)”レポート”なるものはあまりにも厚すぎて何が大事なんだかさっぱり分からない。要するに、取ったデータを全部載せてみましたということのようで・・・。結局、何を言いたくてどれが一番重要な図なんだというのを聞き出すのが大変であった。だんだんこちらも熱くなってくると、英語を選んでいるのが面倒になり、「Storyがimportantなんだから、Most important figureをselectしてshortenしなきゃダメ」・・・。これじゃあ、まさにルー大柴である。

・4時半から勉強会。本日は、生産現場での広葉樹材の採材方法について、Kさんによる発表。今回の現場では、ある程度質の高い広葉樹材(主にダケカンバ)がまとまって出材されたこともあり、長材をうまく採るなど、細部にわたり工夫をしている(さすが!)。玉切りした材の木口からどこまで腐れが続いているかを判断して、最も効率よく(しかも経済的な価値が高いように)採材するにはどうするか、といったお話。そこでは経験と勘が重要なわけであるが、それと同時に確率的にどのように採材すれば危険が少ないかという熟考も必要な世界である。「白い腐れは中までいくが、黒い腐れは途中で止まることがある」とか、含蓄のある言葉が飛び出す。実に面白い。しかし、こうした話を聞くにつけ、自分が林業現場にいるということを感じ、そのことに幸運を感じるとともに、身が引き締まる想いである。

トドマツ交雑論文、投稿

2008-01-31 | 研究ノート
・トドマツ交雑論文が投稿に向けた最終段階に差し掛かった。今朝、もう一度、全体をチェックしてついに投稿。しかし、ワード・オンリーというところも珍しい。結局のところ、2日間がかりで投稿となった。しかし、何とか1月までに投稿という目標が達成できた!お世話になった皆さん、ありがとうございました。とにもかくにも、賽は投げられた。早々に戻ってこないことを祈るのみだ。

・トドマツ交雑論文に関連するということで、後生大事に持ち歩いていた論文の束をいったん、Dリングファイルに仕舞う。これをすると、一仕事終えたという気になる。気持ちが落ち着いたところで、トドマツ種子散布論文の改訂作業に入る。先日、戻ってきた今回の審査では、いくつか重要なポイントは突きつけられているものの、久しぶりに”リジェクトじゃない!”ポジティブなコメントである。しかし、これらの指摘にちゃんと答えていかないと厳しい沙汰が待っているわけで。

・エラー率を1%にした上で、審査者の強い推薦にしたがってCERVUS3.0を動かしてみる。なるほど、自殖のチェックボックスは分かりにくいところに隠されている。しかし、CERVUS2.0と違って、両親ともに分からない子供の親子解析がちゃんとできるところはえらい。解析が終わった後に、”ぴろん”という音がでるようになったのもえらい。いくつかのバージョンでトライしながら、結果を比較するうちに、だんだんと癖みたいなものが分かってきた。審査者の指摘に根本的に答えるためにはもう一工夫必要だろうか。

・アカエゾマツの高山帯から採取した種子の整理と100粒重、充実率の測定をTさんにお願いする。母樹内でも種子サイズが結構違うそうで、なかなか面白そう。トドマツの場合、人工交配では無受粉でも種子の殻は何の問題もなくできていた(無論、中身は入っていない)。面白いのは、無受粉の種子の方がカラのくせに、重量が大きいことである(殻が厚くなる)。なぜかは分からないのだけど、ちょっと面白い現象である。

トドマツ交雑論文、英文校閲へ

2008-01-24 | 研究ノート
・Iくんから戻ってきたトドマツ交雑論文の考察を読む。なるほど、SLAやNAのパートは遠交弱勢の遺伝的な要因よりは前に持ってきたほうがよいようだ。しかし、このままだと、”売り”である交雑によるパフォーマンス低下の話がえらく後に出てくることになってしまう。そもそも、交雑危険性に関する章はこんなに前にある必要があるのか、などと色々と考えた末に、最初のパラグラフに交雑によるパフォーマンス低下があったことをきちんと述べるようにした。さらに、交雑危険性に関する章は最後から2番目のところに移動し、今回は人工交配を用いて交雑後のパフォーマンス評価を行ったが、自然状態では起こりうるのか、というように主題を明確にすることに・・・。

・最初のパラグラフの出来がイマイチのような気がしたが、煮詰まってしまったのでいったん送信。すぐにIくんからの電話で、方針を確認し、本研究の目的を最初にきちんと定義した上で、local adaptationの部分は思い切って削ること、新たに加えた開花期のズレに関する考察はイントロとマテメソに全て移してしまうという方針を決定。すぐさま作業にかかり、30分ほどで終了。ようやく、これまで少しもやもやとしていた考察の流れがすっきりした。やっぱり議論しながら方針を固めていくのが一番大事である。また、思い切ったパラグラフの移動は、こうした流れをすっきりさせる上で、しばしば有効な手段となる。

・ちょっと論文執筆が落ち着いたので、放置されていたアカエゾマツ針葉の形態写真の整理。4集団を加えたのだが、それらの写真は撮りっぱなしになっていた。まずは個体番号をつけて、1年生・2年生シュートと3年生シュートと1年生シュートの横からの画像に分けていく。前山の湿地以外のところの針葉形態がちょっと変な感じ(薄い)である。とりあえず、撮影し忘れたサンプルがないことを確認して一安心。アカエゾ調査隊ではいろんなことが起こるからねえ。

・さらにIくんとやりとりを行った後、校閲前の微修正。ワードにしてみると、やはり複数形のミスとかが残っている。ワードの英文校正機能は本当に秀逸である。ワードで検出されたミスをTexに反映させる作業をしばらく行う。せっかくTexで美しい体裁を作ったのに、最後はワードに直して校閲に出さなければならないところが悲しい。ようやく作業が一段落したところで、ようやく英文校閲に出すことができた。今回の論文の着手は11月19日だったので、論文執筆開始から校閲に出すまで、2ヶ月とちょっとの計算になる(もちろん、その前に既にかなりの解析を終えていたわけだけど・・・)。うーん、順調だ。ま、問題はここからなのだが、とりあえずは一段落。

・明日のアカエゾマツ調査についての下準備。道具、野帳などをチェックする。荒れるといわれていた天候もそれほどではなかったが、明日はどうなるか・・・。山の天気は分からないわけだが、久しぶりの調査は楽しみである。

地がき論文、投稿完了

2008-01-18 | 研究ノート
・Iくんから地がき論文に関する修正ファイルが送られてきたので、投稿原稿の最終チェック。いよいよ投稿作業に入るが、結局、完了できたのは12時過ぎ。慣れているつもりでも、やっぱりこの電子投稿という作業は時間がかかる。しかし、今回の改訂で、この論文は主題がかなり明確になったと思う。審査者のコメントに対応したところと、対応しなかったところの両方があるが、いずれにしても、このような改訂ができたのは審査者のコメントによるところが大きい。素直に感謝しつつ、今度こそ、受理されることを祈って待つのみである。頑張れー!

・もう一つ、はまりまくっているヒノキ論文の修正作業。審査結果が送られたときには、頭が真っ白になっていたのだが、2人の審査者は実にきちんと見てくれている。そのコメントに答えていくと、しっかりとImproveされていくのが分かる。イントロはほぼ全面改訂となりそうである。色んな雑誌に出すうちに、研究動機をイントロで位置づけることを見失っていたので、ナンゴウヒを前面に出して、そもそもなんでこの研究をしたいと思ったかをがっちりと書く。さらに、クローン識別は既に行っているので、思い切って、マーカーの識別能力などに関する記述は削除する。

・結果について、Parentageを改めてやり直してみると、前回の結果で少しミスがあったことが分かった。なんと、20のうち半数以上がとあるクローンの子供である可能性がある。血縁度の値とも非常によくマッチしており、流れがよくなった。ついでに、ヌルアレルを考慮した解析も試みるが、結果は変わらないようだ。問題は、審査者の一人に指摘された”枝変わり”の基準のところである。これについては、茨城のTさんと相談し、計算をお願いすることに・・・。ここのところ論文執筆では苦戦続きだが、決して悪い評価ばかりではないので、闘いつづけることが一番大事(なはず)である。

静電気

2008-01-17 | 研究ノート
・昨晩から冷え込む予感がしていた。北国では、放射冷却は前日の夜から始まるのである。案の定、富良野の最低気温はマイナス25度であった。どんな世界かといわれると表現が難しいが、雪を踏んだときの音とか呼吸をしたときの鼻の感じとか全く違う。朝出勤するころまでは、すごい濃霧である。ライトを点灯しながらおそるおそる進む。

・地がき論文の修正続く。成木のNMSをやめて、更新木だけにした結果、自分で言うのもなんだが、実に分かりやすくなった。また、Total densityをGLMMに組み込んだことで結果的に流れが悪くなっていることが分かったので元に戻す。この2つの改訂でさらにタイトになった。印刷して見直していくと、アブストとかで細かいが致命的なミスを発見。危ないところだ。まだまだ注意が足りないなあ・・・。



・年末に”電子秤”の調子が悪くなったのだが、安定しないのはトレーに帯電した静電気のせいではないか、という噂(?)を聞いたので、とりあえず簡易型の除電器を購入。どんな仕組みになっているのか、取り扱い説明書をいくら読んでも理解できない。しかし、付録でついているセルロイドのたこの足を帯電させた後、この除電器を使うと足がまっすぐになるのは面白い。

・4時15分から帯広のH氏による講演会。菌根菌について分かりやすく説明していただくとともに、樹木園の苗畑で3年にわたって行っていただいた研究について解説していただいた。苗畑では、これまでにあまり知られていない菌類が優占しており、雪ぐされ病の拡大防止にも何らかのよい影響を及ぼしているかもしれないとのこと。野外の攪乱地と苗畑の菌種は異なっており、苗畑の菌種が卓越するのは、苗畑特有の栄養条件と殺菌剤によるセレクションが関与している可能性を示唆する内容となっている。土の中の世界も意外な事だらけで、実に興味深い。

データマイニング

2008-01-16 | 研究ノート
・育種センターのTさんとのブナ・データ解析の打ち合わせ。新しいデータが揃ったということで早速データ解析をしようとするが、データ形式がすぐに解析できる形になっていない。こんなときこそ、Rを使っての縦横変換的なデータマイニングが便利。・・・。Rを使い始めてだいぶ経つのだけれど、相変わらず、この作業が苦手なままである。既にIくんに書いてもらっていたコードをやりくり(?)しながら、ようやくデータ形式が完成。データ形式さえ出来上がってしまえばこっちのもんだ。後は”ちょちょいのちょい(死語?)”である。

・それにしても、データが勝手にカテゴリー変数に指定されてしまったり、今ひとつ、この辺りの対処法が分からない。いったん、csvファイルに書き出して、もう一度読み込むという荒技。うーむ、我ながら美しくない。サイトと調査年をランダム効果にして緯度とハプロタイプの効果を混合モデル(lmer)で調べる。最近の(?)lmerはとりたてて問題なく走っているのはいいのだが、固定効果の推定値はどこに仕舞い込まれているのか!?この辺りもどうにも苦手な分野だ。

・前回は混合モデルにしたとたんに、ハプロタイプやクレードの効果はちりと消えてしまったのだが、今回はいずれのモデルでもこれらの遺伝データが重要なファクターとして検出されるようだ。やはりデータがきれいに出揃ったことが大きいのだろう。産地の緯度だけでなく、遺伝データも表現型を予測するのに重要だという話になるのだろうか・・・。各ハプロタイプの分布や性質を考察すると、もう少し話は面白くなりそうだ。

シンクロ

2008-01-15 | 研究ノート
・岐阜と筑波からほぼ同時にブナに関するメールが送られてきて、一瞬、混乱してしまった。全く異なる依頼内容だったのだが、こういうことって、不思議とシンクロするもんだ。

・一つは投稿論文に対するコメントが欲しいということだったので、お昼前までにコメントをまとめてメールを送信。全体的によくできているし、プレゼンもいいと思うのだが、そもそも何のために研究をするのかがイマイチはっきりしない。やはり、論文の”売り”をもう一度はっきりさせた上で、研究の位置づけができれば”勝ち”だと思うんだけど・・・。

・それにしても、当方のチェックに慣れていない人にとっては、これらのコメントにはやっぱり”びっくり”しちゃうかも(けっして、悪くはないので気を落とさないよーに)。ところで、この原稿には、フィンランドのTeijo NikkanenからもらったD論が関係しそうである。ということで、改めて読んでみると、D論の第6章がまさに重要そうだが、この時点では投稿中になっている。ヤツ(?)のことだから、投稿中のままにするはずがないと思っていたら、案の定、ちゃんと論文になっていた。Nikkanen T., Pakkanen A. & Heinonen J. (2002) Temporal and spatial variation in airborne pollen and quality of the seed crop in a Norway spruce seed orchard. Forest Genetics 9: 243– 255.えらい。

・この論文で対象としているのは13haのヨーロッパトウヒ採種園で67の精英樹クローンで構成されている。ここに70個ものPollen samplerを設置して花粉密度の時空間的分布を押さえたのがこの論文である。そのほか、風のデータや種子の有胚率や他殖率などとの関係も調べている。これを見ると、かなり空中花粉というものが時空間的に変化することがわかる(ことに時間的な違いは明瞭だ)。地道な研究だけど、参考になりそうである。

・いよいよ地がき論文の修正にかかる。その前に、失われた3サイトの成木データを調べる。今まで見ていなかったファイルボックスからついに成木データを発掘。こんなところにまとめられていたとは・・・。しかも、糊付けとかされていて丁寧にかかれているのだが、こんなことでもなければ発掘されることはまずなかったであろう。当機関の古いデータは実に危ない状態である。

・とりあえず、データを差し替えてやり直してみる。だいぶ記憶が薄れているので、細かい解析の部分が分からずに悪戦苦闘。Iくんに連絡を取ろうとするもつながらず、よく見たら彼は遠く標茶にいるのであった。なんとか出てきた結果を見てみると、数値は変わっているものの有意な要因とその効果は同じだ。よかった。ということで、3サイトのデータ外挿の必要もなくなり、気分は爽快である。調子に乗って原稿の改訂も行い、こちらでできる部分は完了。明日、チェックをしてもらうことになった。