米Florida州で、脂肪細胞由来の幹細胞を目に注入する治験を受けた女性患者3人が失明していたことがNew England Journal of Medicineに発表された報告から明らかになったそうです(AFPBB NEWS)。この治験は効果がまだ立証されていないものだったそうです。失明したのは進行性の眼疾患「黄斑変性症」を患っていた72~88歳の女性3人で、2015年にFlorida州の医療機関で「乾燥型黄斑変性症における細胞の硝子体内注入の安全性と効果を評価する調査」と題した治験を受けていたそうです。この治験は米国立衛生研究所(NIH)が運営する治験や臨床試験に関する情報提供サイト「ClinicalTrials.gov」に掲載されていたため、患者らは正規の治験だと考えていたそうです。しかし、3人は治験を受けた直後から網膜剥離や出血などの合併症に悩み、結果的に視力を完全に失ったそうです。合併症が起きた原因として、幹細胞の混合過程で汚染が起きたか、目に注入された後で幹細胞が変異した可能性が考えられるそうです。専門家らによれば、脂肪由来幹細胞が黄斑変性症に関わる網膜細胞に成長するかどうかを調べた研究はまだほとんどなく、問題の治験で使用された手法が視力回復を助けるという科学的根拠はないそうです。
http://www.afpbb.com/articles/-/3121637
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