遺伝性の血液疾患「鎌状赤血球症(SCD)」を患う10代少年の症状緩和に、遺伝子治療を用いて世界で初めて成功したとする画期的な研究結果が、New England Journal of Medicineに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。遺伝子変異が原因のSCDを発症すると、赤血球の形状が通常のドーナツに似た形でなく、鎌型や三日月型を呈するようになります。世界に約500万人存在するSCD患者は、貧血や疲れやすいなどの症状を示す場合が多く、感染症や脳卒中のリスクが高くなるほか、激しい体の痛みの発作に見舞われるそうです。また患者の多くは、長期にわたる輸血を行う必要があるそうです。今回の報告では、2014年10月にフランスParisで実施された遺伝子治療の治験で初めての患者だそうです。ちなみに、それ以降も治験対象となった患者はいるそうですが、公式の結果はまだ発表されていないそうです。今回の遺伝子治療では、この未分化の造血幹細胞に、無力化したウイルスが運ぶ治療遺伝子を導入。治療遺伝子は、血球の生成を正常化するために自身のDNAを再コード化し、造血幹細胞を少年の体に再注入したそうです。論文では、少年の治療後15か月間の健康状態が報告されているそうです。SCDはアフリカで多くみられる疾患で、国の人口の最大40%がSCDの変異遺伝子を持っていることがあるが、その大半は発症には至らないそうです。
http://www.afpbb.com/articles/-/3119943
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