健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

ゲノム編集技術の危険性

2017-03-10 08:30:04 | 研究
人間のDNAを改変することも可能なために倫理的な懸念が高まっているゲノム編集技術が、米国で家畜の改良手段として検討されているそうです(AFPBB NEWS)。ゲノム編集は、別の種の遺伝子を導入するのではなく既存のDNAに改変を加えるもので、遺伝子組み換え作物(GMO)に使われる技術とは異なるものだそうです。しかし、科学者や消費者団体らは、特に環境や生態系に徐々に広がっていく影響について、ゲノム編集の潜在的なリスクを明らかにするだけの十分な根拠がないと主張しているそうです。ゲノム編集技術の家畜への応用例の1つとして、角のない畜牛を生ませることが挙げられるそうです。畜牛は通常、角を持って生まれるが、他の畜牛や世話をする人間を傷つけないよう、若いうちに痛みを伴う角の除去施術を受けるそうです。ゲノム編集技術によりホルスタイン牛の普通の同一遺伝子を、元来角の成長を阻害する遺伝子を持つアンガス牛のように改変するというもの。もう1つの例としては、めんどりに成長する卵だけを産むようにしたり、鳥インフルエンザに耐性を持たせたりすることだそうです。しかし、一方でこうした有用性だけでなく危険を伴う応用もあると考えられているそうです。例えば、昆虫や穀物の遺伝子を殺虫剤や除草剤に耐性を持つように改変する研究は、自然界に突然変異をもたらし、わずか数年のうちに動植物の全体数を様変わりさせかねない。これは、食物連鎖を不安定化させ、他の種の侵入を許す危険性があるそうです。米国農務省(US Department of Agriculture)の諮問員会は昨年11月、たとえ化学肥料を使用せずに栽培されたものでも、ゲノム編集された作物は有機食品の基準から除外することを、全会一致で推奨。同省はさらに今年1月、意図的にゲノム編集が行われている動物はすべて、販売開始前の新薬と同様、安全性の検査を必須化するとしたそうです。ですが、ゲノム編集を経て生産された食品と動物に対する規制状況がどうなるかは、まだ不明との意見もあるようです。

http://www.afpbb.com/articles/-/3118844
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