健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

喫煙者のうつ

2015-03-11 08:30:55 | 研究
喫煙する人は、不安神経症やうつ病にかかる確率が非喫煙者より70%高いとの報告書が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。喫煙はストレス緩和につながるとする見方に反するものです。3月11日の「禁煙デー(No Smoking Day)」に先立ち発表されたもので、禁煙は精神衛生を向上させる可能性があるというもの。40歳以上の6500人近くを対象とした調査で、不安症やうつ病にかかっていることを報告した人の割合が、非喫煙者で全体の10%、元喫煙者で11.3%だったのに対し、喫煙者は18.3%に達することが分かったそうです。今回の調査で英国の喫煙者の3分の1以上(36%)が喫煙によってストレスが和らぐと答えたそうですが、調査結果は喫煙者の認識とは相反するものとなったそうです。
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ナノ粒子で血流からプラークを除去

2015-03-10 08:30:28 | 研究
超小型無人機のように動作する微小ナノ粒子を使い動脈内に蓄積したプラークまで薬剤を運んで治療する実験的治療法を開発中との研究論文が、Science Translational Medicineに掲載されたそうです(AFPBB NEWS)。この抗コレステロール治療法は現在のところ、まだ実験用マウスでの試験が行われている段階だが、ナノ粒子自体はすでにがん患者に対する臨床試験が実施されているそうです。人を対象とした臨床試験の実施は数年先になる可能性があるとも。
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先進国女性のがん死因としては肺がんが1位

2015-03-09 08:30:08 | 研究
先進国の女性のがん死因のトップが肺がんになったことが明らかになったそうです(AFPBB NEWS)。今回の最新分析は、フランスに本拠を置く世界保健機関(World Health Organisation、WHO)付属機関の「国際がん研究機関(International Agency for Research on Cancer、IARC)」と米国がん協会(American Cancer Society、ACS)の共同研究チームが主導して実施したものだそうです。これまで長年にわたり先進国女性のがん死因トップは乳がんだったそうです。この順位変動は喫煙の動向を反映したものとのこと。肺がんは数十年間、先進国と発展途上国の両方で、男性のがん死因のトップ。かつて男性の間で根付いていた喫煙の流行は、最近になって女性の間で広がっていますね。発展途上国の女性のがん死因では、乳がんが依然として1位だったそうです。
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オキシトシンの「酔い覚め」効果

2015-03-08 08:30:09 | 研究
通称「愛情ホルモン」として知られるオキシトシンには、酔いを醒ます効果があるかもしれないという研究報告がProceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)で発表されたそうです(AFPBB NEWS)。現時点では、ラットを対象にした実験しか行われていないそうですが、オキシトシン注射とアルコールが投与されたラットは、酒に酔ったラットが引き起こす運動神経障害を克服できたようにみえたそうです。オキシトシンは、アルコールの酩酊効果を生じさせる脳内の特定部位にアルコールがアクセスするのを阻害するそうです。この部位は、ガンマアミノ酪酸A(GABAA)受容体のデルタ・サブユニットとして知られているそうです。アルコールは、適正な運動制御を可能にする脳領域の活性を抑制することで、協調運動に障害をもたらすそうですが、オキシトシンはアルコールが及ぼすこの影響を阻止し、ラットが実際に酩酊状態にあることをその行動から判断できないほどにするというもの。オキシトシンについては、絆を強め、性的魅力を高める効果が広く知られ、子宮の収縮を促進させるために出産を控えた妊婦に投与される場合も。
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乳児期のピーナツ摂取

2015-03-07 08:30:49 | 研究
世界中で増加しているピーナツアレルギーについて、これまでの助言に反し、ピーナツを含有した食品を生後11か月になる前の乳児に与えることでアレルギー予防効果を得られる可能性があるとする研究論文が、New England Journal of Medicineに掲載されたそうです(AFPBB NEWS)。ピーナツアレルギーのリスクも高いとみなされた英国の生後4~11か月の乳児640人を対象に実施。研究チームは、乳児たちを無作為に2グループに分け、一方のグループには裏ごししたピーナツが含まれた食品を与え、別のグループには5歳になるまでピーナッツを食べることを避けるよう依頼。その結果、5歳までにアレルギーを発症する確率は、ピーナツを完全に食べなかったグループでは17.3%だったのに対し、毎週3回以上ピーナツが含まれた食品を摂取したグループでは1%を下回ったというもの。前者のグループに振り分けられた319人のうち13人は、ピーナツアレルギーの症状が現れたため初期段階で参加を取りやめたので、最終結果に含まれていないそうです。
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サウナに寿命延長効果

2015-03-06 08:30:34 | 研究
サウナに定期的に通っている男性は、それほど頻繁に行かない男性に比べて長生きし、突然の心臓発作で死亡する確率も低いとの調査結果をまとめた研究論文が、Journal of the American Medical Association Internal Medicineに掲載されたそうです(AFPBB NEWS)。寒さが厳しいフィンランドでは、サウナ通いは広く行われているそうで、良好な健康状態とくつろぎをもたらすと考えられるようです。これまでの研究では、サウナの利用と血行改善の関連性が調査されてきたそうですが、今回の最新研究では、同国東部在住の中高年男性(42~60歳)2315人を対象とした調査を実施し、突然心臓死、冠状動脈性心臓病による死亡、心疾患による死亡、そして全死因による死亡などのリスクとサウナ入浴との関連性を詳しく調査。調査対象の中高年男性は、全員がサウナに行っていたそうですが、通う頻度は人によって多い少ないの差がみられたそうです。突然心臓死リスクについては、サウナに行く頻度を週1回と申告したグループと、週2~3回としたグループとを比較した結果、頻度の多いグループは突然心臓死リスクが22%低かったというのです。週に4~7回通っているグループは、週1回のグループより63%リスクが低かったとも。同様に、冠状動脈性心臓病リスクに関しては、週1回のグループに比べて、週2~3回のグループは23%低く、週4~7回のグループは48%低いという結果が得られたということです。さらに、心疾患による死亡リスクでは、週1回のグループに比べて、週2~3回のグループは27%、週4~7回のグループは50%それぞれ低かったそうです。また全死因死亡率を調べたところ、週2~3回のサウナ入浴は24%、週4~7回のサウナ入浴は40%の死亡率減少に関連していたとも。また、サウナ室に19分以上継続して入ることは、11分足らずで出るより効果が高いように考えられたそうです。
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英国人の2人に1人ががんに

2015-03-05 08:30:27 | 研究
英国がん研究所(Cancer Research UK)が、英国人の2人に1人が人生のある時点でがんを発症するとの予測をBritish Journal of Cancerに発表したそうです(AFPBB NEWS)。従来の予測は3人に1人だったそうです。がんのリスク要因として最も大きかったのは年齢で、他には喫煙や肥満、食生活、日焼け、運動不足など。がんの死亡率は従来と変わらなかったとも。英国では死因の4分の1をがんが占めているそうです。
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アレルギー性気道炎症が慢性化メカニズム

2015-03-04 08:30:35 | 研究
アレルギー性炎症を慢性化させる免疫系のメカニズムが明らかになたそうです(財経新聞)。喘息は代表的なアレルギー疾患であり、世界ではおよそ300万人が罹患していると報告されているそうですが、その治療は対症療法がほとんどで、根本的な治療方法は開発されていないのが現状です。今回の研究では、炎症性サイトカインIL-33を欠損させたマウスを用いて実験を行ったところ、IL-33はアレルギー疾患の病原性の指標であるIL-5の産生を記憶Th2細胞特異的に誘導することが分かったそうです。また、IL-33の受容体を欠損させたマウスにアレルギー性気道炎症を起こさせ、ぜんそくの重症度について調べたところ、気道肺胞洗浄液中への好酸球の浸潤や気道過敏性の反応といったアレルギー性炎症反応が有意に抑制されることが明らかになったということです。これらの結果より、IL-33により記憶Th2細胞の病原性が誘導されることがマウスの病態モデルで確認。このIL-33から記憶Th2細胞に至るサイクルで病態が増悪化し、ぜんそくや副鼻腔炎といったアレルギー疾患の慢性化が誘導されると考えられることから、IL-33やIL-33受容体を発現している病原性記憶Th2細胞、IL-33の下流で働き病原性を誘導する分子であるp38を創薬ターゲットとすることで、慢性アレルギー疾患治療薬を新たに開発できる可能性があるということが明らかに。多くのアレルギー疾患の治療薬として使われている抗炎症薬は種々の炎症性サイトカインなどのタンパク質の産生を抑制するが、創薬ターゲットが広がったことで従来では対処が困難であったステロイド抵抗性の難治性慢性アレルギー疾患の治療開発に役立つことが期待されるということです。
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ヒト大腸がん発症の再現

2015-03-03 08:30:30 | 研究
ヒトの大腸幹細胞に体外で遺伝子変異を導入し、がん化過程を人工的に再現することに世界で初めて成功したという発表がありました(財経新聞)。そして、正常な大腸上皮からの発がんには、より多くの遺伝学的な変化が必要であり、既に発育した大腸ポリープはがん化しやすく、その切除が効率的な発がん予防につながることが裏付けられたそうです。培養されたヒト大腸幹細胞に CRISPRと呼ばれる遺伝子変異導入技術を応用。この技術により、大腸がんで高頻度に認められる APC, KRAS, SMAD4, TP53, PIK3CA という5つの遺伝子変異をヒトの正常な大腸幹細胞に組み込み“人工変異オルガノイド”を作製。正常なヒトの大腸幹細胞は、適切な増殖因子の存在する腸管粘膜でしか生きることができないのに対して、人工変異オルガノイドは、増殖因子がなくても増える“スーパー幹細胞”能力を獲得し、移植したマウスの体内でも腫瘍を形成できることが確認されたというもの。しかし、人工変異オルガノイドは転移が認められず、5つの遺伝子変異ではがんの悪性化の最終ステップには進展しないことが分かったそうです。これに対し、体内で既に形成された大腸腺腫から作製した人工変異腺腫オルガノイドでは、遺伝子変異による幹細胞機能の強化により、転移能力を持つ進行大腸がんに悪性転化することを見出したそうです。これらの研究成果から、大腸がんで高頻度に認められる5つの遺伝子変異は幹細胞機能を制御しており、それらの変異により、大腸幹細胞が大腸とは異なる環境でも増殖できるようになることが判明したということです。この研究により、発育した大腸腺腫は、少数の遺伝子変異が加わることにより、容易に発がんすることが実証され、1cm以上の大腸腺腫は経時的に大腸がんに進行しやすいという臨床的なデータと合致し、大腸がん予防として大腸腺腫の内視鏡的切除治療が有効であることが科学的に裏付けられたそうです。
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紫外線の肌へのダメージは露出後数時間継続する

2015-03-02 08:30:48 | 研究
強い紫外線が皮膚に与えるダメージは、露出後数時間継続するとの研究論文が、Scienceに掲載されたそうです(AFPBB NEWS)。太陽光や日焼け用器具(ランプ)に皮膚を露出すると、皮膚の色を変えるメラニン色素を作り出すメラノサイト細胞内のDNAが損傷し、この損傷が紫外線に露出している間だけでなく、その後も継続している可能性があるというもの。こうしたDNAの損傷は、皮膚がんの主な要因となっていると考えられています。メラニンについてはこれまで、太陽の紫外線を遮断する効果があり、皮膚を保護する大きな役割を果たしていると考えられてきましたが、今回の研究ではこの物質が一方では、皮膚の損傷にも関係している可能性が示唆されたそうです。
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